ミュージカル『マイ・フェア・レディ』が11月14日(日)に東京・帝国劇場で開幕、会見とゲネプロが行われた。

ロンドンの下町の花売り娘が、言語学者のレッスンで、見違えるように麗しい貴婦人に変貌する――。1963年に日本で初演を迎えたブロードウェイミュージカルが、2013年に翻訳・訳詞・演出を手掛けるG2の手により演出等がリニューアルされ、2018年には朝夏まなと&神田沙也加を主演に迎え、寺脇康文&別所哲也を相手役に東急シアターオーブほかで上演。そして、2009年以来12年ぶりに帝国劇場にて上演される。2018年公演の続投キャストに加え、フレディ役で前山剛久&寺西拓人が初参加する。

今回、東京公演初日を前に、それぞれWキャストとして出演するイライザ役の朝夏まなと/神田沙也加、ヒギンズ教授役の寺脇康文/別所哲也、フレディ役の前山剛久/寺西拓人が会見に登壇した。

「先月までこの帝国劇場でエジプトの世界にいたんですけど、今は『マイ・フェア・レディ』の世界になっており、また立たせていただけることにとても幸せです」と『王家の紋章』に続けて、再び帝国劇場の舞台に立つことに喜びを見せた朝夏。神田は「(本作に)前回参加させていただいたときに、前田美波里さんと『帝国劇場でやりたいね』というお話をさせていただいて、それが叶ってすごく嬉しいです」と早くも夢がかなった形になったことを明かした。

寺脇、別所ら前回公演時にも出演したキャストが揃う中で、今回初参加となるフレディ役の前山と寺西。前山は「ボイストレーニングを始めた際に、最初に練習した楽曲が『君が住む街』でとても縁を感じています。練習した楽曲を帝国劇場で歌えることを幸せに思っています」と感慨深げに挨拶した。2~3月に上演された『Endless SHOCK -Eternal-』以来の帝国劇場の舞台となる寺西は「『SHOCK』でもお世話になっている(堂本)光一くんにお話をしたら、いろんなアドバイスをくださって、その言葉を胸に博多座の千穐楽まで走り抜けられたらと思います」と語った。

本作は11月14日(日)に東京・帝国劇場で開幕した後に、全国ツアーを行い、1月に福岡・博多座で千穐楽を迎える。年末年始を挟む形での公演となるが、今年一年を感じ一文字で例えると?という質問に「協力の『協』」と答えた朝夏は「出演者のスタッフのみなさんも公演をやりとげるために協力して、お客様も感染対策に協力いただいた」と振り返った。神田は「考える、という字です。自分自身のコンディションもそうだし、誰一人かけても実現したいところに立たせていただいていると思う。みなさんそれぞれがここに集うことに対して、考えてきてくださっていると思った」とコロナ禍でのエンターテインメントの在り方についても明かした。

また、前回公演時との違いも感じているようで、「イライザとヒギンズの愛をフィーチャーして描きたいと。緻密に繊細に描かれていると思います。3年前にご覧になった方も、今回初めてご覧になる方も感じ取っていただけたら」とポイントを明かした朝夏。神田は「組み合わせが一新されていることでテンポ感が楽しくて新鮮なところもあるし安心感もあった。しゃべっている言葉の中で、発している言葉の心の内に何が起きているかを探りながら見ていただけたら」と見どころを語った。

また、前山は「稽古も別チームのお芝居を見させていただいて、拓ちゃん(寺西拓人)と同じフレディですけど、全然違う風にできていたりするので違いなども楽しんでいただけると嬉しい」と語り、寺西は「3年前の公演とこの中で人が変わった役はフレディだけなのでそこは見ていただかないとという気持ちはあります。あと、個人的なんですけどアルフレッド・ドゥーリトルさんが出られているシーンは全部大好き」と笑顔で語った。

最後に朝夏は「いよいよ始まるんだとワクワクしています。みんな元気で仲良しです。劇場で楽しい時間を共有できることを楽しみにしています」、神田は「1月末まで完走というのが自分の中でも、みなさんの中でもあると思います。12年ぶりに帝劇でということが、出演していなかったとしても嬉しくて。ここからこの景色を見られることに意味を感じるし、感謝をしています。帝劇には神様がいると言いますが、演劇人の先輩方が見守って、最後まで送り出してくれるといいなと思います」と意気込みを語った。

【写真・文/編集部】

ミュージカル『マイ・フェア・レディ』
2021年
11月14日(日)~28日(日)東京・帝国劇場
12月4日(土)埼玉・ウェスタ川越大ホール
12月10日(金)・11日(土)岩手・盛岡市民文化ホール
12月17日(金)~20日(月)北海道・札幌文化芸術劇場 hitaru
12月25日(土)・26日(日)山形・やまぎん県民ホール
2022年
1月1日(土)~3日(月)静岡・静岡市清水文化会館マリナート
1月6日(木)・7日(金)愛知・愛知県芸術劇場大ホール
1月12日(水)~14日(金)大阪・梅田芸術劇場メインホール
1月19日(水)~28日(金)福岡・博多座