アガサ・クリスティの傑作ミステリーを映画化した『ナイル殺人事件』で監督・主演を務めるケネス・ブラナーの言葉から浮かび上がる“世界の名探偵たちの共通点”とは?

全世界で20億冊以上出版され、「世界一売れた作家」として知られ、“ミステリーの女王”の異名を持つ作家アガサ・クリスティが生涯を通して書き続け、今もなお全世界で愛される“名探偵ポアロ”シリーズ。時代を超越した人気シリーズの中でも、アガサ自身が“旅行物のミステリーで史上最高傑作”と称する1937年に発表された「ナイルに死す」。この傑作ミステリーを前作『オリエント急行殺人事件』(17)に続き、ケネス・ブラナー監督が映画化する『ナイル殺人事件』。

ミステリーの女王として、文豪史に名を刻むアガサ・クリスティの処女作「スタイルズ荘の怪事件」(1920)での初登場以降、世界中で愛され続けている名探偵ポアロ。ケネス・ブラナーは名探偵ポアロについて「ポアロは几帳面であり、内なる情熱も秘めた風変わりな人物です。彼の強気な行為は、自身の脆さを隠すためなんです。アガサ・クリスティはポアロの1番好きなところは、その優しさだとよく言っていたそうですよ」と語り、ヒーローのような人物ではなく、人間的な脆さを持ち、情に溢れているキャラクターであることを明かす。

実はこのポアロの“少し神経質だけど憎めないキャラクター”という特徴は、他の推理小説に登場する有名な探偵たちにも共通している。英国が誇るもう一人の名探偵シャーロック・ホームズは、プライドが高く女性嫌いで非常に不安定な性格である反面、面倒見がよく人の道義を大切にすることで知られる。日本が誇る名探偵・金田一耕助は、和服姿にぼさぼさ頭がトレードマーク。優れた推理力で難事件を解決してゆくが、実は自分の体格に劣等感を抱き、戦争で追った心の傷に悩み続ける一面も持っている。彼らは、難事件を持ち前の推理力でスカッと解決してゆく裏で、人知れず悩みを抱え、人間臭い脆い一面を持っている。だからこそ人は、彼らに情が沸き、共感を覚えるのかもしれない。

ケネスは、本作のポアロについて「今回ポアロは、愛と嫉妬という物語の大事なテーマに反応します。観客はその姿を見ることで、ポアロ自身の失恋の経験を深く理解できる。つまり彼の新たな人間性を、また一つ知ることができるのです」と語り、新たなポアロの人間らしい部分が垣間見えることを明かしている。

ナイル川を往く豪華客船内で起こる美女の死、そして次第に浮き彫りとなるそれぞれの思惑と複雑に絡み合う人間関係…。アガサ・クリスティの最高傑作とも言われるミステリーの実写化と名探偵ポアロの名推理に世界からの注目が集まる。『ナイル殺人事件』は2月25日(金)より全国公開。

『ナイル殺人事件』は2022年2月25日(金)より全国で公開!
監督:ケネス・ブラナー
出演:ケネス・ブラナー、ガル・ガドット、アーミー・ハマー
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
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