漫画家・山本直樹による作品を城定秀夫監督が実写映画化した『ビリーバーズ』で磯村勇斗が映画初主演を務めることが発表された。

常に先鋭的な作品を世に問い続けカリスマ的人気を誇る漫画家・山本直樹が「カルト」の世界に切り込み、人間の欲望をあぶり出した問題作『ビリーバーズ』を実写化した本作。過激な内容ゆえ実現不可能とも言われた本作の映像化に挑んだのは、熱烈なファンを持つ映像作家とも評される鬼才・城定秀夫。2020年『アルプススタンドのはしの方』で高い評価を獲得、2021年には瀬戸康史主演『愛なのに』、そして田中圭主演『女子高生に殺されたい』ほか多数の公開作を控える彼自身が、本作の映画化を熱望。長年ファンである山本直樹の世界観へ最大限のリスペクトを込めながらも、絡みつくような官能美に、乾いたユーモアとヴァイオレンスを交え、唯一無二の映像世界を作り上げた。

今回、先日公開された謎のティザービジュアルの3人のうち最も序列の低いポジションに置かれ、純粋な信仰心と抑えきれない欲望の間で揺れ動く主人公・オペレーター役を、映画初主演となる磯村勇斗が務めることが発表された。NHK連続テレビ小説「ひよっこ」(17)ではヒロインと恋に落ちる心穏やかな好青年役、映画『ヤクザと家族 The family』(20)ではヤクザ相手に一歩も引かないアウトロー役など常に多彩な演技で観客を魅了した。

磯村勇斗 コメント

初主演の映画が「ビリーバーズ」で良かったと心から思います。
原作と脚本を読んだ時、自然とこの物語の世界を生きてみたいと感じました。
俗世間と、それに対して、可能な限り欲望を削ぎ落とし、信仰する力で安住の地を求める世界。
異様にも映るこちらの世界の方が純粋で、常識に囚われている世の中の方が異常なのかもしれない。
ビリーバーズで生きる人物たちは皆一生懸命です。だからこそ滑稽にも見えて笑えてくる。
信仰があり、エロスがあり、不気味だけどどこか哀愁があり。
人間の本能の先にあるものは何なのか。
混沌とした今の時代だからこそお届けしたい作品です。

城定秀夫(監督)コメント

「オペレーター」という風変わりな役名でこの狂気の物語を力強く牽引するのが磯村勇斗さんです。食事制限で体を絞り、髪と髭を伸ばし、電気も水道もなく、虫は入るわ、雨漏りするわの安普請の劇用プレハブに撮影前から泊り込んで役作りをし、全身全霊で演じてくれた磯村さんの存在がなければこの映画は成立しませんでした。

城定秀夫監督、磯村勇斗 クランクアップ時の写真

『ビリーバーズ』は2022年7月よりテアトル新宿ほか全国で順次公開!
監督・脚本:城定秀夫
主演:磯村勇斗
配給:クロックワークス、SPOTTED PRODUCTIONS
©山本直樹・小学館/「ビリーバーズ」製作委員会
©山本直樹/小学館