『女子高生に殺されたい』の完成披露上映会が3月23日(水)に都内で行われ、田中圭、大島優子、南沙良、河合優実、莉子、茅島みずき、城定秀夫監督が登壇した。

『ライチ☆光クラブ』『帝一の國』などの鬼才・古屋兎丸の画業20周年記念作品として発表され、衝撃的な内容かつ圧倒的な読み応えで話題を呼んだ同名コミックを映画化した本作。女子高生に殺されたいがために高校教師になった男・東山春人の9年間に及ぶ前代未聞の“自分”殺害計画を描く。主人公・東山春人を演じるのは田中圭。一見、常識的な人間でありながら、自らに潜む衝動を抑えられない男という難しい役どころを、不気味さと色気を併せ持つ狂気を孕んだキャラクターとして体現し、見てはいけない人間の深層心理まで浮かび上がらせる。監督は城定秀夫。自身の脚本で原作を映画的に大胆にアレンジし、禍々しいほどの映像美と上質なストーリーテリングで、衝撃の怪作を誕生させた。

原作も読んだという田中だが「脚本を読んでワクワクしたんです。ワクワクしっぱなしでした」と振り返りつつも、役づくりについては「みんなに殺されたいと思いながらお芝居をしてみたいと思ってみたもののなかなか難しい。想像でしかないので、これと言った役作りは特にしてない(笑)」と笑いながら答えた。

女子高生役の南は、田中との共演について「田中さんが演じることで狂気さが増していて素敵だと思いました」と笑いを誘った。その南について、河合は「マネージャーさんにカエルを持って全力で追いかけていて。みんな疲れて切っているのに、2人だけキャッキャしていました」と明かし、意外な一面を披露したエピソードも。

原作にないキャラクターを演じる莉子は「ゼロから考えないといけない」と難しさを語りつつ、「キャストのみなさんとのキャッチボールを大切にすることが一番」とコメント。また、撮影時にはまだ仲良くなっていなかったという茅島との喧嘩のシーンでは「『ここつかんでいいですか?ここぶつかります』と確認してから(笑)」と明かした。劇中では柔道を披露している茅島は「イチから全部教えていただきました」とコメント。

これまでに何度も共演しているという田中と大島だが、「撮影合間は変わらぬ田中圭だと思いました。安心感はありました」と振り返る大島は「最初に話しかけてくるときはだいたい同じテンションなんです」と明かした。一方で田中は「キャストがとにかく若くてフレッシュでキラキラしてるんです」と語ると、すかさず大島からは「おい!」と鋭いツッコミも。しかし、これに田中は「キラキラの種類が違う。キラキラしてないなんて言ってない(笑)」と全力で否定する場面も。

また、「この子たちとお芝居が出来ないというくらい、目がキラキラしてるんです」という“キラキラしているキャスト”の中に入るために「毎日走ったんです。走ってがんばってればおれもキラキラしてるだろうと暗示をかけてお芝居をしてた。唯一やった役作りはそこかも」という田中。その上でが「大島さんが来た時の安心感。仲間来た!っていう(笑)お芝居はやりやすいですしセンスもいい。純粋にお芝居を楽しめる人」と大島への信頼を寄せた。

“死んでも叶えたい夢”を聞かれると考え込む登壇者たち。年末に免許を取ったという莉子は「プライベートで高速道路に乗ってグランピングに行きたい」と夢を語った。「巨大生物が好き」という南は「ホオジロザメって水族館に入らないじゃないですか。ホオジロザメを生で見てみたい」とコメントし、登壇者からは驚きも。これに田中は「巨大生物になりたい」と笑いを誘いつつも、「今は厳しいかもしれないけど、日本のチームで日本のドラマで世界と戦いたい。そういう時に自分もその一員として関わっていきたいという目標という夢はあります」と語った。

最後に田中は「人それぞれ欲望は違うと思う。“女子高生に殺されたい”という唯一無二と言っていい危険な願望を持った男の9年間が描かれています。純粋に楽しんでいただければと思います。なかなか見ることのできない力を持った映画になっていると思います」と本作をアピールした。

【写真・文/編集部】

『女子高生に殺されたい』は2022年4月1日(金)より全国で公開!
監督・脚本:城定秀夫
出演:田中圭、南沙良、河合優実、莉子、茅島みずき、細田佳央太、加藤菜津、久保乃々花、キンタカオ/大島優子
配給:日活
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