荒木哲郎監督×WIT STUDIOによるオリジナルアニメ映画『バブル』の本編映像が解禁された。

本作の舞台は世界に降り注いだ泡〈バブル〉で重力が壊れた東京。ライフラインが閉ざされた東京は一部の若者たちの遊び場となり、ビルからビルに駆け回るパルクールのチームバトルの戦場となっていた。ある日、危険なプレイスタイルで注目を集めるヒビキが重力が歪む海へ落下。突如現れた、不思議な力を持つ少女ウタがヒビキの命を救った。そして、2人にだけ特別な音が聞こえた…。監督・荒木哲郎、脚本・虚淵玄、キャラクターデザイン原案・小畑健、音楽・澤野弘之ら最高峰のクリエイターが集結。主人公・ヒビキ役に志尊淳、共演に宮野真守、梶裕貴、畠中祐ら荒木組の作品で主演を務めてきた人気実力派声優たちが出演する。

息をつかせぬハイスピードなカメラワークで展開されえるグラビティ・アクションに観る者を没入させる映画『バブル』。WIT STUDIOのお家芸であるアクション表現をとことん突き詰め完成された本作は、劇場で鑑賞した人から「やっぱり家で観るのと劇場で観るのでは違う。パルクールアクションの迫力や音楽による盛り上がりが増してて3割増ぐらいで楽しめた気がする」、「映画館ならではの臨場感、アクションの完成度最高でした!チーム同士の掛け合いも良くエンディングも泣きそうになりました!」など“完全なる劇場案件”という声が多くあがっている。そんな、怒涛のアクションが展開される本作の中心にあるのが、主人公・ヒビキとヒロイン・ウタによる美しくも儚いラブストーリーだ。

本作は荒木監督が書いた<腐敗した東京を背景に、近未来的な雰囲気を感じさせる1人の人魚姫>という1枚のスケッチがアイデアの元になっており、その画から着想を得て、本作の脚本を手掛ける虚淵玄と共に、〈少女が恋をした末に泡になる〉という「にんぎょ姫」の物語にオリジナリティを加え、〈ある少年に泡が恋して少女になる〉という本作の軸を構築し、「にんぎょ姫」で描かれる〈王子様〉と〈にんぎょ姫〉にあたる、〈ヒビキ〉と〈ウタ〉のラブストーリーを描く映画『バブル』の世界が作られた。映画『バブル』を現代の〈にんぎょ姫〉として膨らませていったのは、虚淵玄、大樹連司、佐藤直子の3人の脚本家だ。常にアップデートを重ねて、全員でいいものを作り上げていくという手法で作り上げられた本作の脚本はどう作られていったのか。映画『バブル』オフィシャルブックにて以下のように語っている。

「強固な構造を最初に発明してくれたのが虚淵さんだった」と荒木監督が語るように、虚淵による〈泡が少女になる〉という発想から、泡の知的生命体との異種交流という本作の骨格が完成された。虚淵は「異種族交流がファーストインパクトものとしての〈にんぎょ姫〉にしようと思い、泡になってしまうのではなく、泡が女の子になってしまう。そこで泡の生物、ということを考えて、泡の1個1個がシナプスのように結合して東京を満たすぐらいの量の泡があったら、知的生命体ができるのでは、という話が出発点の1つでした」と語るように、本作の方向性を決定づけたのが、虚淵によるプロットだったのだ。

東みずたまり(ゴキンジョ)/おかちぇけ(ゴキンジョ)

そして、このプロットをさらにブラッシュアップさせたのが、虚淵と同じニトロプラスに所属する大樹連司だ。大樹は、ラブストーリーとWIT STUDIOの得意とするハードボイルドの両立という難しい脚本作りに挑戦したと語っており、「初期段階では完成脚本よりもヒビキがもう少し破滅型だったんです。泡が降ったことで過去の思い出を取り戻そうとしていて、仲間ともあまり馴れ合わずに行ってしまう。ようやく目指すべき場所に辿りつくけれど、それはもう失われてしまっていて……。というような、割とハードボイルドな内容で何かのために突き進むけれども最終的に虚無に辿り着いてしまうストーリーだったんです」と当時を振り返っている。そんな虚淵の作り上げたヒビキという主人公像を大樹は、“失っていく主人公から獲得していく主人公”に変換し作り上げたのだ。荒木監督が欲していた前に進む主人公にすることで、これまでの作品と違う、青春の一遍が瑞々しく描かれた作品に昇華されていったのだ。

そして、最後はラブストーリー要素だ。もう一度ラブストーリーというものを見直してほしいというオーダーを受けた佐藤直子は、虚淵が作り上げた大きな骨格を基にして、ラブストーリー様子を盛り込んでいった。「虚淵さんが仰っている、ファーストコンタクト。異種の存在が異種の存在と出逢った時に起きる現象が、初恋と一緒なのではないか、と考えました」と語っており、佐藤が提案した初恋とファーストコンタクトをイコールにする、という発想が、『バブル』で描かれる現代の〈にんぎょ姫〉の物語へと進化していった。

東みずたまり(ゴキンジョ)/おかちぇけ(ゴキンジョ)

監督が生み出した〈にんぎょ姫〉の物語をベースに、試行錯誤を重ねて完成となった本作の脚本。様々なアップデートにより、観る者に純粋で普遍的な恋の物語をストレートに届けることができる作品に仕上がったのだ。そんな、本作を作り上げた〈にんぎょ姫〉についてを映し出した、本編映像が解禁となった!解禁となった映像は、ヒビキとウタが出会う重要なシーン。水中で意識を失ってしまいそうなヒビキを、泡を纏いまるで「にんぎょ姫」のような姿で現れたウタが、優しく寄り添う美しいシーンだ。そして、ウタが本棚で見つけた「にんぎょ姫」の本を手に取りマコトに朗読してもらう場面では、「人間の世界に憧れているにんぎょが人間の王子様に心を奪われてしまった」とウタとヒビキの関係そのものを示唆する重要なシーンとなっている。

本編映像

『バブル』劇場版は全国で公開中、Netflix版は全世界で配信中!
監督:荒木哲郎
声の出演:志尊淳、りりあ。、宮野真守、梶裕貴、畠中祐、千本木彩花、逢坂良太、井上麻里奈、三木眞一郎/広瀬アリス
配給:ワーナー・ブラザース映画
©2022「バブル」製作委員会