島崎藤村・不朽の名作「破戒」を60年ぶりに映画化した『破戒』の場面写真が解禁された。

名だたる巨匠が映画化してきた島崎藤村による不朽の名作「破戒」が、60年の時を経て再び映画化。主人公・丑松を気迫溢れる様子で演じ上げたのは間宮祥太朗。自らの出自に苦悩し、そして最後にはある告白をする難役に気迫の演技で挑み、観る者を惹きつける。相手役・志保を演じるのは石井杏奈。丑松に恋心を寄せつつも、なかなか思いを告げられない控えめな女性を演じる。悩める丑松を支える親友・銀之助役には矢本悠馬。さらに眞島秀和、高橋和也、竹中直人、本田博太郎、田中要次、石橋蓮司、大東駿介、小林綾子らが共演する。脚本は加藤正人と木田紀生が担当。監督は前田和男。

舞台は、まだ身分制度の影が残る明治後期。出自により、職業や住む場所を制限され、他の身分の人々との交際も許されず、不当に差別される時代。瀬川丑松(間宮祥太朗)は、自分が被差別部落出身ということを隠して、地元を離れ、ある小学校の教員として奉職する。彼は、その出自を隠し通すよう、亡くなった父(田中要次)から「誰も信じるな。誰にも心を許すな。何があっても隠し通せ」と強い戒めを受けていた。彼は生徒に慕われる良い教師だったが、出自を隠していることに悩み、また、差別の現状を体験することで心を乱しつつも、下宿先の士族出身の女性・志保(石井杏奈)との恋に心を焦がしていた。

友人の同僚教師・銀之助(矢本悠馬)の支えはあったが、学校では丑松の出自についての疑念も抱かれ始め、丑松の立場は危ういものになっていく。苦しみのなか丑松は、被差別部落出身の思想家・猪子蓮太郎(眞島秀和)に傾倒していく。猪子は、差別を恐れず、被差別部落出身であることを公言して、思想書の執筆や政治活動を行っていた。猪子宛に手紙を書いたところ、思いがけず猪子と対面する機会を得る。丑松は、猪子にならば自らの出生を打ち明けたいと思うのだが、結局猪子にすら、自分の出自を告白することができなかった。そんな中、猪子の演説会が開かれる。丑松は、「人間はみな等しく尊厳をもつものだ」という猪子の言葉に強い感動を覚えるが、猪子は演説後、政敵の放った暴漢に襲われる。この事件がきっかけとなり、丑松はある決意を胸に、教え子たちが待つ最後の教壇へ立とうとする―。

『破戒』は2022年7月8日(金)より丸の内TOEIほか全国で公開!
監督:前田和男
出演:間宮祥太朗、石井杏奈、矢本悠馬、高橋和也、小林綾子、七瀬公、ウーイェイよしたか(スマイル)、大東駿介、竹中直人/本田博太郎/田中要次、石橋蓮司、眞島秀和
配給:東映ビデオ
©全国水平社創立100周年記念映画製作委員会