八木信忠(総合プロデューサー)、芦澤明子(国内コンペティション審査委員長)、大野元裕(実行委員会会長/埼玉県知事)、寺島しのぶ(国際コンペティション審査委員長)、土川勉(映画祭ディレクター)


今年で19回目の開催となるSKIPシティ国際Dシネマ映画祭2022の記者発表会見が6月15日(水)に都内で行われ、各部門のラインナップが発表された。

SKIPシティ国際Dシネマ映画祭は、“若手映像クリエイターの登竜門”として、映画界の未来を担う新たな才能の発掘を目的に2004年より毎年開催されてきた。第19回となる今回は、2019年以来となるスクリーン上映が行われるほか、昨年と一昨年に引き続き、オンライン配信も合わせて行われる。会期はスクリーン上映が7月16日(土)~24日(日)、オンライン配信が7月21日(木)~27日(水)に開催される。

コンペティションにはすべて日本初上映の24作品がノミネート

本映画祭では国際コンペティション(10作品)、国内コンペティション長編部門(6作品)、国内コンペティション短編部門(8作品)のほか、オープニング上映、特集上映、関連企画などが実施される。このうちオンライン配信では、国際コンペティション、国内コンペティション長編部門/短編部門、特集上映「ウクライナからの風」の各作品のみが配信される。コンペティションの24作品はすべて日本初上映となり、国際コンペティションには99の国・地域から775本の応募があった。

2つの特集上映

特集企画は2つ。ひとつめは『チャリティ上映「ウクライナに寄せて」』と題して過去に本映画祭にノミネートされた、日本では劇場未公開のウクライナ作品2本をリバイバル上映され、本特集の収益は深刻な人道危機の只中にあるウクライナの人々への支援に役立てるため、日本赤十字社を通じて全額寄付される。今年の第38回サンダンス映画祭ワールドシネマ・ドラマティック部門監督賞や第72回ベルリン国際映画祭パノラマ部門エキュメニカル賞を受賞した『Klondike(原題)』のマリナ・エル・ゴルバチ監督による『ラブ・ミー』などの2本を上映。

もうひとつは、『What’s New~飛翔する監督たち~』と題して、過去の本映画祭にノミネートされた監督の最新作2本がワールド・プレミア上映される。今回は過去に本映画祭にノミネートされた監督による最新作が上映される。

国際コンペティション審査委員長に寺島しのぶ

審査員には、国際コンペティションの審査委員長に寺島しのぶ、審査員に松永大司(映画監督)、ナム・ドンチュル(釜山国際映画祭プログラム・ディレクター)、国内コンペティションの審査委員長に芦澤明子(撮影監督)、鶴田法男(映画監督)、月永理絵(映画ライター)が就任する。

国際コンペティション審査委員長を務める寺島しのぶは「素敵な作品に出合うことを楽しみにしております」と挨拶。国内コンペティション審査委員長を務める芦澤明子は、「3年ぶりのスクリーン上映ということで、関係者じゃない人たちに見てもらって、大きなスクリーンで見てもらえるチャンスを上手に生かしていただいて、この映画祭を利用しつくして伸びて行ってほしいと思います」と若手映像作家の発掘・育成を掲げている本映画祭の魅力を語り、「熱量の高い映画と出会うことを期待しています」と挨拶した。

オープニング上映には、本映画祭で3年連続の受賞を果たした磯部鉄平監督の最新作『世界の始まりはいつも君と』。2010年の初演以来10年以上再演を続ける人気部隊を映画化。パラレルワールドで展開する、女子高生たちの生死を懸けた青春群像劇。手島実優、根矢涼香、倉嶋かれん、辻凪子、栗生みな、工藤綾乃、村田奈津樹らが出演する。オープニング上映作品は監督・キャストによる舞台挨拶も予定されている。

また、関連企画としてSKIPシティを拠点とする若手クリエイターが制作した作品を上映する「メイド・インSKIPシティ」では、乃木坂46・岩本蓮加と3月に逝去された宝田明さんがW主演を努める『世の中にたえて桜のなかりせば』などが上映される。

スクリーン上映とオンライン配信の期間が異なることについては、コンペティション作品の一度目の上映が終わった翌日から配信されるスケジュールとなったという。ハイブリッド上映については「どちらでもできるように準備を進めていた」ということで、「昨年、(オンライン配信されたことで)北海道から沖縄までたくさんの方に見ていただいた」というメリットがあったことも含めての開催となる。今後については「ハイブリッドでやっていくかは、今後考えていく」という。例年実施されてきたゲストによるトーク

スクリーン上映のチケットは6月21日(火)より オンラインで前売販売が開始される。なお、今年より日時・座席指定となる。また、6月18日(土)よりコンペ作品フリーパスが販売開始される(鑑賞には座席予約が必要)。

国際コンペティション部門[10作品]

『コメディ・クイーン』(2022/スウェーデン/監督:サナ・レンケン)
『ザ・クロッシング』(2021/フランス、ドイツ、チェコ/監督:フローランス・ミアイユ)
『とおいらいめい』(2022/日本/監督:大橋隆行)
『ファルハ』(2021/ヨルダン、スウェーデン、サウジアラビア/監督:ダリン・J・サラム)
『彼女の生きる道』(2021/フランス/監督:セシル・デュクロック)
『マグネティック・ビート』(2021/フランス、ドイツ/監督:ヴァンサン・マエル・カルドナ)
『クイーン・オブ・グローリー』(2021/アメリカ/監督:ナナ・メンサー)
『揺れるとき』(2021/フランス/監督:サミュエル・セイス)
『UTAMA~私たちの家~』(2022/ボリビア、ウルグアイ、フランス/監督:アレハンドロ・ロアイサ・グリシ)
『ワイルド・メン』(2021/デンマーク、ノルウェー/監督:トマス・ダネスコフ)

国内コンペティション部門(長編部門)[6作品]

『明ける夜に』(2022/日本/監督:堀内友貴)
『ブルーカラーエスパーズ』(2022/日本/監督:小林大輝)
『ダブル・ライフ』(2022/日本、中国/監督:余園園)
『Journey』(2022/日本/監督:霧生笙吾)
『ヴァタ ~箱あるいは体~』(2022/日本、マダガスカル/監督:亀井岳)
『命の満ち欠け』(2022/日本/監督:小関翔太、岸建太朗)

国内コンペティション部門(短編部門)[8作品]

『しかし、それは起きた。』(2022/日本/監督:吹田祐一)
『似ている』(2022/日本/監督:木村輝一郎)
『ウィーアーデッド』(2022/日本/監督:野呂悠輔)
『こねこ』(2022/日本/監督:山口あいり)
『サカナ島胃袋三腸目』(2022/日本/監督:若林萌)
『喰之女』(2021/台湾、日本/監督:中西舞)
『ストレージマン』(2022/日本/監督:萬野達郎)
『清風徐来』(2022/日本/監督:盧明慧)

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SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2022は[スクリーン上映]2022年7月16日(土)~7月24日(日)にSKIPシティ 彩の国ビジュアルプラザ 映像ホール、多目的ホール(埼玉県川口市)、メディアセブン(埼玉県川口市)ほかで開催、[オンライン配信]7月21日(木)~7月27日(水)に配信!
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