森田想主演映画『わたしの見ている世界が全て』が、7月20日から開催されるスペイン・マドリード国際映画祭外国映画部門に正式出品されることが決定、主演女優賞(森田想)・助演女優賞(中村映里子)・脚本賞・ヘアメイク賞の4つの賞にノミネートされた。

本作は、一人の力で生きてきたつもりの主人公・遥風(森田想)が、母の死をきっかけに再会した兄弟との交流を通じて、大切なものに気付いていく物語。「個人の力で生きていくこと」がもてはやされる時代の中で、“失われつつある大事な心“を描いた作品。

主演を務める森田想は、映画『アイスと雨音』(松居大悟監督/2018)にて初主演し、その演技力を高く評価され、『タイトル、拒絶』、『朝が来る』、NHK連続テレビ小説「エール」など映画・ドラマの話題作への出演が続く、注目の若手実力派。製作は、モスクワ国際映画祭ダブル受賞『四月の永い夢』(2017)、東京FILMeX観客賞受賞『静かな雨』(2020)、カザフスタンとの国際共同制作映画・釜山国際映画祭オープニング作『オルジャスの白い馬』(2020)(主演・森山未來)など、国際映画祭で高い評価を受けているTokyo New Cinema。監督は同社所属で、TAMA NEW WAVE映画祭特別賞・主演男優賞などを受賞した池松壮亮主演の短編『家族の風景』や、EXILEの小林直己主演短編ドラマ『アイの先にあるもの』など監督した気鋭の若手・佐近圭太郎。本作は『東京バタフライ』(2020)に続いて長編2作目。

今回、正式出品が決まったマドリード国際映画祭は、これまでに深田晃司監督の映画『さようなら』が最優秀作品賞を受賞するなど欧州でも注目の映画祭。また、同じく7月に開催される、アメリカ南部最大級のアジア映画祭として知られるダラス・アジアン映画祭にも正式出品が決定。本作は2023年劇場公開を目指し、今年夏に宣伝・配給に向けたクラウドファンディングの実施を予定している。

佐近圭太郎(監督)コメント

タイトルにも込めましたが、私は自分から見えている世界だけを信奉し、その他の世界への想像力がない人や、そういった振る舞いに対してずっと違和感を感じてきました。というより、今作の制作を通して、自分が心の奥底で抱いていた“違和感に気づいた”というのが本音です。
“何かを成し遂げるためには犠牲は必要だ”と時折耳にするフレーズがあります。
これは自己犠牲の範疇ならば自由ですが、他者を巻き込んだ上で、これを前提化することは自己実現を目的とした欺瞞であり、ただの暴力でしかないぞ!という怒りに近い気持ちがふつふつと込み上げてきた結果、『わたしの見ている世界が全て』(英題:LONELY GLORY)という物語が立ち上がりました。
見えない所でみんなが色んな思いや葛藤を抱えて日々を生きてるし、それは決して他者から簡単に見えるものではない。そんな想いを込めた映画です。

『わたしの見ている世界が全て』は2023年に劇場公開予定!
監督・編集:佐近圭太郎
出演:森田想、中村映里子、中崎敏、熊野善啓
©2022 Tokyo New Cinema