『マイ・ブロークン・マリコ』の完成報告試写会が8月23日(火)に都内で行われ、永野芽郁、奈緒、タナダユキ監督が登壇した。

原作は、2019年にWEBコミック誌「COMIC BRIDGE」で連載され、今までにない斬新な物語設定と、みる者に投げかける答えの見つからない問いかけが、多くの読者をその世界に引き込んだ。映画では、タナダユキ監督の力強さと繊細さを兼ね備えた演出、永野芽郁のこれまでのイメージを大胆に覆す役柄と演技、そして原作の持つ物語の力がひとつになり、人間の儚さと逞しさが、優しく熱をもって描かれる。ともに生き、ともに旅をするシイノとマリコの物語が誕生した。 鬱屈した日々を送るOL・シイノトモヨ(永野芽郁)は、テレビのニュースで親友・イカガワマリコ(奈緒)が亡くなったことを知る。マリコの魂を救うために、マリコの実家から遺骨を強奪し逃走。マリコの遺骨を抱いて“ふたり”で旅に出ることに―。

「本当に観て後悔しない作品ができたと自信を持って言える作品に自分自身出会えたことが幸せだと思います」と挨拶する永野は「もしかしたらファンの方は『芽郁ちゃんじゃない!』ってちょっと衝撃を受けるかもしれませんが、絶対に見て後悔はさせないと自信があります」と強調した。奈緒は「撮影に入っていないのに、映画ができて(永野)芽郁ちゃん舞台挨拶するんだなという日を夢見ていた自分がいるので、この映画を届けたいという思いを、夢をかなえてもらっている気持ちで感極まりそうになりました」と、特別な作品だった様子。

オファーしたときには「(永野と奈緒が)プライベートでも仲良かったって知らなかった」と言うタナダ監督に驚く2人。そんな本作への出演に「やりたいけどやりたくないというのが第一印象」という永野は「すごく衝撃を受けるし、でも一つの漫画が一つの映画に見える瞬間があって。これだけ漫画で成立しているものを映画でやって、期待に応えられる自身がなくて」と悩んだこともあったというが、その一方で「ほかの人にやられるの悔しいと思って、監督とお話した」と明かした。

奈緒は「あまりに原作のパワーがすごくて。最後の1ページをめくった時に呆然と涙を流している自分がいて」と振り返り、「この凄い作品を、この凄い熱量と愛を持って作り上げる組に、芽郁ちゃんが座長としていて、こんな船に飛び込みたいと思ったのでやりたいと思いました」と明かし、「頼もしい2人がいらっしゃって、原作のパワーがあったから」と本作に出演するにあたっての思いを明かした。

また、「喫煙シーンもあるので普段からタバコを吸うようにしてみようというのもあったし、マーチンも11か月前にいただいてから撮影期間までにはきつぶすって決めて」と役作りを振り返った永野。クランクイン前にはタナダ監督と話を重ねたという奈緒は「同じ方向を向けているというのはタナダさんとお話してありました」という。そんな2人との撮影に、タナダ監督は「毎日お芝居を撮っていくにつれてプレッシャーが募る」というほどだったという。

完成した作品は2人で一緒に見たという永野と奈緒。「自分が出ている作品を見るときは冷静になれなくて」と言う永野だが「(本作では)撮影期間中に永野芽郁としていた時間がすごく短くて。初めて客観的に出来上がったものを見て、すごい映画に出たんだな私って自信をもらえて、大事な作品だと思いました」と感慨深げな様子を見せた。奈緒は「序盤から泣いてしまって、鼻をすする音で芽郁ちゃんに迷惑をかけたと思う(笑)」と笑いつつ「この原作を読んだ時にすごく救われたんです。きっとこれは誰かを救ってくれる作品だと感じる映画でした」と語った。

最後に永野は「私自身が自信を持って絶対に観て欲しいと言える作品が出来たことを誇りに思いますし、きっとそれをみなさんが感じてくれると思います。帰るときには肩の荷が下りるような作品ができたと思います」と時折目に涙を浮かべながら、言葉を振り絞った。

【写真・文/編集部】

『マイ・ブロークン・マリコ』は2022年9月30日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国で公開!
監督:タナダユキ
出演:永野芽郁、奈緒、窪田正孝、尾美としのり、吉田羊
配給:ハピネットファントム・スタジオ、KADOKAWA
©2022映画『マイ・ブロークン・マリコ』製作委員会