第14回TAMA映画賞授賞式が11月26日(土)にパルテノン多摩 大ホールで行われ、最優秀女優賞を受賞した広瀬すずが登壇した。

TAMA映画賞は、前年10月から当年9月に一般劇場で公開される作品及び監督・キャスト・スタッフを対象に、市民ボランティアの実行委員が選考し、「明日への元気を与えてくれる・夢をみせてくれる活力溢れる<いきのいい>作品・監督・俳優」を、映画ファンの立場から表彰する。

本年度最も心に残った女優を表彰する「最優秀女優賞」を受賞したのは、倍賞千恵子(『PLAN 75』)、広瀬すず(『流浪の月』)。

受賞した広瀬すずは「まっすぐ更紗と向き合いながら一生懸命生きてよかったなと思っています。苦しい撮影だったと思うんですけど、今こうして『流浪の月』という作品が多くの方に届いていたんだなと思うと、踏ん張ってよかったなと。支えていただいた方がたくさんいらっしゃったので少しでも恩返しができたら」と挨拶した。「生きてきた中で一番心が弱っていました。何を見ても、何を感じても苦しくて。混乱していました」と撮影の日々を振り返った広瀬だが、李相日監督の撮影現場については「役者としてこんなに贅沢な現場はないと思う」と振り返った。

また、『流浪の月』で共演した松坂桃李が登壇すると「(佐藤)二朗さんの後にしゃべるのめっちゃ嫌だったんです(笑)つまらないことしか言わなくてごめんなさいって思ってた。桃李さんが来てホッとしました」と笑いを誘った。李監督作品が2作目の広瀬に、初参加の松坂は「こんなに濃厚な現場を踏んでいたのかと思うと、すごいと思いました。広瀬すずという人は」と言うが、「一人じゃなかった。文という支えになっている人が、現場でも実際に桃李さんが思える時間がたくさんあったので心強かったです」と振り返った。

「信用しきっているのでこういう場で会ってもホッとする。ここまで役として信用できる、貴重な機会だった」とお互いの信頼関係を語った広瀬だが、その役柄の影響で「桃李さんが現場に来るだけで泣ける」という思いだったという。その一方で、松坂については「全部受け止めてくれる」といい「支えになっていた」と振り返った。また、広瀬は「多くの方に届く素敵な作品に参加できたらいいなと、モノづくりって楽しいなと改めて思った現場でもありました。いろんな映画に参加できるようにがんばりたいと思います」と今後の抱負を語った。

【写真・文/編集部】