真木よう子主演×今泉力哉監督『アンダーカレント』の公開日が10月6日(金)に決定し、併せてキャスト陣が発表された。

2004年8月より1年間にわたり「月刊アフタヌーン」(講談社)に連載され、高い評価を得て、2005年11月には単行本が出版された豊田徹也の唯一の長編漫画『アンダーカレント』。その後も、2009年にパリで開催されたジャパンエキスポにおいて「第3回ACBDアジア賞」を受賞、2010年には「漫画界のカンヌ映画祭」と呼ばれるフランス・アングレーム国際漫画祭のオフィシャルセレクションに選出された。さらに2020年にフランスメディアで発表された「2000年以降の絶対に読むべき漫画100選」では3位に選ばれるなど、フランスを中心とした海外でも人気を博している。そんな豊田の代表作で、熱狂的な人気を誇る伝説的漫画が発売から18年の時を超え、映画化される。監督を務めるのは今泉力哉。主人公・かなえ役を演じるのは真木よう子。

家業を継ぎ、夫の悟と銭湯を切り盛りし順風満帆な日々を送るかなえ。しかし突然、悟が失踪する。彼の行方は一向に分からず、途方に暮れるかなえだったが、一時休業していた銭湯の営業を再開させる。そこに「働きたい」という謎の男・堀が現れ、ある手違いをきっかけに住み込みで働くことに。その日からかなえと堀の不思議な共同生活が始まる。友人から紹介された胡散臭い探偵・山崎とともに期間限定で悟を探しながら、穏やかな日常を取り戻しつつあったかなえ。しかしあることをきっかけに、堀、悟、そして実はかなえも閉ざしていた心の底流(アンダーカレント)が、徐々に浮かび上がってくる。

今回、真木よう子演じるかなえを取り巻く超個性的なキャラクターに魂を吹き込む、井浦新、リリー・フランキー、永山瑛太、江口のりこ、中村久美、康すおん、内田理央ら7人のキャストが発表された。かなえが営む銭湯「月乃湯」に住み込みで働くことになる謎の男・堀隆之には、『11・25自決の日三島由紀夫と若者たち』『かぞくのくに』(共に12で日本映画プロフェッショナル大賞主演男優賞、また『かぞくのくに』でブルーリボン賞助演男優賞も受賞し、今泉力哉監督とは『かそけきサンカヨウ』(21)以来2回目となる井浦新

失踪したかなえの夫・悟の行方を期間限定で探すことになる探偵・山崎道夫には、『凶悪』(13)で日本アカデミー賞優秀助演男優賞、『そして父になる』(13)で同賞最優秀助演男優賞を受賞し、カンヌ国際映画祭でパルム・ドールに輝いた『万引き家族』(18)では主演を務め、今泉力哉監督作品は『ちひろさん』(23)に続く出演となるリリー・フランキー。突然失踪したかなえの夫・関口悟には、『ディア・ドクター』(09)で日本アカデミー賞優秀助演男優賞、ブルーリボン賞助演男優賞を受賞し、『怪物』(23)の公開が控える永山瑛太

かなえと悟の大学の同級生でかなえに探偵・山崎を紹介する・菅野よう子には、TVドラマ「時効警察」シリーズ(06・07・19)で注目され、『事故物件 恐い間取り』(20)で日本アカデミー賞優秀助演女優賞を受賞し、今泉力哉監督作品では『愛がなんだ』(19)に続く出演となる江口のりこ。月乃湯を手伝う気の良いおばちゃん・木島敏江には、今泉力哉監督作品に『his』(20)、『猫は逃げた』(22)と続いて出演する中村久美。煙草屋の店主で月乃湯の常連・田島三郎には、40歳で映画デビューし、各作品において繊細で独特な存在感を見せる康すおん。月乃湯の近所に、小学生の娘・みゆと暮らすシングルマザー藤川美奈にはTVドラマ「おっさんずラブ」(18)で日刊スポーツ・ドラマグランプリ助演女優賞を受賞した内田理央

井浦新(堀隆之役)コメント

撮影は雨の日の多い暑い夏でした。ロケ地も銭湯や水辺、身体に纏わりつく湿度、常に水を感じていた撮影期間でした。この作品のキーになる水に寄り添われていたのは、映画の神さまからのギフトだったのかもしれません。原作の漫画がすでにシネマティックなので、今泉組でつくる映画は各部が高いハードルを超えていく必要がありました。たくさんの大小様々な奇蹟が浮かんできたり漂ったりして、それを皆んなで丁寧にすくい集めていました。

リリー・フランキー(山崎道夫役)コメント

人の心の底流に揺らぐ、透明で、つかみきれないもの。今泉監督の目線は、その映らないものを丁寧に手のひらですくいます。

永山瑛太(関口悟役)コメント

今泉監督作品が好きだったので、自分が出演する事が決まった時は、あの、変わった風貌の監督と会えるのか!こわい監督なのか!?と身構えましたが、「今泉力哉」って感じのカッコいい人でしたから、どんな演出にも応えられるよう、思考停止のまま現場へ向かいました。
真木よう子さんとは何度も共演してますが、今まで彼女が演じてきた役が持つ、揺らぎや葛藤とは違う、本当の真木よう子の何かを目の前でひしひしと感じました。
ただ、私はよく分からない感情になりました。かなえは何を感じていたか、分からなかったので、皆様が劇場で汲み取って頂き、真木よう子の力を存分に味わってもらいたいです。

江口のりこ(菅野よう子役)コメント

『愛がなんだ』以来、また今泉さんの映画に参加出来ることが、とても嬉しかったです。繊細な脚本がどのような映画になっているのか、楽しみです。

中村久美(木島敏江役)コメント

まず原作を読んだ時、私で大丈夫かな?と少し不安になりました。私自身の佇まいを考えますと、善良なオバチャンの部分が見え難いのではないかと心配だったのですが、今泉監督で主演が真木よう子さんと少しずつイメージを膨らませ、自分なりの屈託のないオバチャン像を創り上げました。皆さんに受け入れられたら嬉しいです。作品はとても素敵に仕上がっておりますので是非劇場に足をお運び下さい。

康すおん(田島三郎役)コメント

人間って解らない、永遠に。深くて複雑で。
好きかと聞かれると戸惑う。
でも人間は他の何よりも一番面白い。だから人間を演じたい。そんな思いをずっと持ってきました。
物語にはそんな人間達が描かれていました。その一員となれた事、本当に嬉しかったです。
最初にお話を頂いてから、長い時間をかけて映画が完成しました。この時間は、自分に様々な作用をしました。関わった人達も同じかもしれません。色々な想いが詰まった『アンダーカレント』を多くの人に見ていただけると幸いです。

内田理央(藤川美奈役)コメント

私は銭湯の常連のシングルマザーの藤川美奈を演じさせて頂きました。短い時間でしたが、今泉監督の作品に携わることができ、そして皆さまとお芝居をすることができたことをとても嬉しく思います。脚本は見入るように読みましたが、それがどのように映像になっているのか…私もとても楽しみにしております。

『アンダーカレント』は2023年10月6日(金)より全国で公開
監督:今泉力哉
出演:真木よう子、井浦新、リリー・フランキー、永山瑛太、江口のりこ、中村久美、康すおん、内田理央
配給:KADOKAWA
©豊田徹也/講談社 ©2023「アンダーカレント」製作委員会