門脇麦主演×加藤拓也監督『ほつれる』が9月8日(金)に公開されることが決定した。

本作を監督するのは、「もはやしずか」「ザ・ウェルキン」で第30回読売演劇大賞優秀演出家賞、「ドードーが落下する」で第67回岸田國士戯曲賞を受賞するなど演劇界で注目を集める気鋭の演出家・加藤拓也。「平成物語」(18/CX)、「俺のスカート、どこ行った?」(19/NTV)、「きれいのくに」(21/NHK)など話題のテレビドラマの脚本も手掛ける。本作は、昨年公開され、そのリアリティ溢れる台詞まわしで観客の心を揺さぶり、演出家としての手腕を見せつけた初長編映画『わたし達はおとな』を経て臨んだ、オリジナル脚本・長編監督映画2作目。ある出来事をきっかけに、夫や周囲の人々、そして自分自身とゆっくりと向き合っていくひとりの女性の姿を捉える。

主演を務めるのは門脇麦。『愛の渦』(14)での演技が評価されTAMA映画賞最優秀新進女優賞などを受賞、『二重生活』(16)で映画初主演を果たし、その後『あのこは貴族』(21)、大河ドラマ「麒麟がくる」(20/NHK)、「リバーサルオーケストラ」(23/NTV)などに続き『渇水』(23)の公開が控えている。綿子の夫・文則役には、映像や舞台で活躍する俳優・田村健太郎。『すばらしき世界』(21)、大河ドラマ「どうする家康」(23/NHK)、 「ブラッシュアップライフ」(23/NTV)など映画・ドラマシーンでも欠かせない存在だ。

さらに、その存在が大きな転回点となる男・木村を演じるのは染谷将太。『ヒミズ』(12)で第68回ヴェネチア国際映画祭、日本人初となる最優秀新人俳優賞を受賞し、以来出演作で圧倒的な存在感を放ち続けている。綿子の親友・英梨を『リップヴァンウィンクルの花嫁』(16)、『先生、私の隣に座っていただけませんか?』(21)、『せかいのおきく』(23)の黒木華が演じる。

今回解禁されたティザービジュアルには、「心がゆれる――。」のことばとともに、門脇演じる主人公・綿子が、光の差す部屋で佇む姿が映し出される。彼女の心の揺らめきと思いを感じる表情と、その眼差しの先にあるものとは―。

門脇麦(綿子役)コメント

人生には誰しも何かを選択せねばならない瞬間が何回かあって、その瞬間は点でもさまざまな過程が入り混じった線があるからこその今に至る、その繰り返しが人生なのだと思います。
この物語は1人の女性のとある時期の点と線を描いた物語です。
物語というより観察、記録、にも近い感触が残るのではないかと思います。
映画のメッセージも答えも全て観てくださる方に委ねられている作品です。
是非劇場に足をお運びください。

田村健太郎(文則役)コメント

目の前には門脇さん演じる綿子がいて、ガラス細工のような台本があって、『やってみましょう』と加藤監督がポツリと言って始まり、役者、照明、撮影の歯車を変えてもう一度やってみる。その繰り返しでした。
そうやって静かに淡々とひとつに向かう、皆が職人のような、工房のような現場でした。とても幸せでした。
組み上がったものを思い出すと、人間を不思議に思ったり、生々しさに後ろめたくなったり、また雲間からのぞく三日月みたいな業に不覚にも見とれてしま
う瞬間もあったりで… この作品に今だに掻き乱されてます!

染谷将太(木村役)コメント

自分を見つめる事ほど難しい事はありません、様々な関係性の視線の先に自分が居るとするならば、自意識も1つの視線でしかない、綿子が1歩踏み出した自分を求める旅路を加藤監督は細部まで見事に映画に落とし込んでいて圧巻でした。加藤監督の書くセリフはとても繊細な言葉達で、会話を作り上げるのがとても楽しい作業でした。皆様にはスクリーンであの緊張と緩和の空気に揺さぶられて欲しいと願っております。

黒木華(英梨役)コメント

加藤さん演出の舞台に出演させていただいてから、この人とは必ずもう一度仕事をしたい、と思っていました。
それからあまり日を待たず、今度は映画という場でご一緒することができ、大変嬉しく思います。
「ほつれる」という単語を皆さんがどう捉えられるか、映画を見ていただけるのが楽しみです。

加藤拓也(監督)コメント

この作品では当事者性を感じることができない、またはしないで、向き合うことを諦めているある一人のもつれが描かれています。それが小さなことから大きなことまで、いかに繰り返されているのかということが、私にとって二本目の映画になりました。

『ほつれる』は2023年9月8日(金)より新宿ピカデリーほか全国で公開
監督・脚本:加藤拓也
出演:門脇麦、田村健太郎、黒木華/染谷将太
古舘寛治、安藤聖、佐藤ケイ、秋元龍太朗、金子岳憲、安川まり
配給:ビターズ・エンド
©2023「ほつれる」製作委員会&COMME DES CINEMAS