作家・神津凛子のデビュー作を映画化した『スイート・マイホーム』の主題歌をyamaが担当することが発表された。

本作は、2018年に「第13回小説現代新人賞」を受賞した注目の作家・神津凛子のデビュー作「スイート・マイホーム」を映画化した作品。メガホンをとるのは、俳優業の傍らで20代から映像製作にも積極的に携わり、齊藤工名義での初長編監督作『blank13』(18)では国内外の映画祭で8冠を獲得した齊藤工。齊藤監督とタッグを組み主演を務めるのは、連続ドラマ『臨床犯罪学者 火村英生の推理』(16)でバディ役としても共演した窪田正孝。話題作で主役を演じ、『舞台・エヴァンゲリオン ビヨンド』で主演を務めることも話題になっている窪田が奇妙な事件に巻き込まれていく主人公・清沢賢二を演じる。『火村英生の推理』以降、いつか共に作品を作ることを約束してきた2人が監督と俳優として相まみえ、これまでに見たことのない化学反応を創出していく。

今回、本作の主題歌がyamaが歌唱する「返光(Movie Edition)」に決定した。本楽曲は、衝撃のラストを迎える本作のエンドロールに流れる、どこか狂気と懐かしさを孕んだ世界観の中にも切なさに溢れた珠玉のバラード。祈りにも通ずるyamaの歌声が感情に訴えかけてくる楽曲となっている。

作詞・作曲は尾崎世界観によるもの。齊藤工監督が「人間の本質的なエグみにあふれた映画『スイート・マイホーム』の主題歌はyamaさんでなければならなかった」と話し、「映画を完成させて下さったのは、エンドロールにおけるyamaさんのが楽曲でした」とyamaが歌う主題歌への思いを寄せている。

また、yama自身も「脚本を読んで、できることを全力でさせていただきました。読みはじめてすぐに続きが読みたくなるほど引き込まれました。ずっと手に汗握るサスペンス・ホラーの怖さの一方で、映像になった時の期待がありました」と、今回のオファーが届いた時を振り返る。

尾崎世界観が書き下ろした楽曲を聴いて「尾崎さんの書かれる歌詞が、熱量があって人間らしくてすごく好きで、尾崎さんがこの作品を観て書かれるものに信頼があったので、お任せする形でした。馴染みやすいメロディにも関わらず、えぐってくるような狂気性もあって、初めて聴いた時に素晴らしい曲だと思いました。すごく悲しいというストレートな表現より、ちょっと明るいけれど怖いというアンバランスさを音楽に落とし込みました。温かな家庭の情景から何かに追い詰められていく様子と、子供たちを守りたいという感情のグラテーションを意識しました」というyama。

レコーディング時も「バラードは感情の波の調整が難しいし、それが顕著に出ると思っています。不穏さや狂気さを表現したかったので、スローテンポだけれども、ただ優しく歌うことではない、いつもと違うアプローチをしました」と挑戦の連続だったようだ。

また、「怖くて目を逸らしたくなるほどの緊張感や、人間の恐ろしさを感じました。主人公がただの被害者ではなく、過去に痛みや罪を抱えているからこそ、誰も責められない。(主題歌も)歌詞からして、母親目線の楽曲だと自分は感じていて、我が子に対する愛情、守りたい気持ちが切ないなと思いました。(エンドロールで自身が歌う主題歌が流れた時は)曲とリンクするものがたくさんあったので、劇中で語られなかった母親の気持ちをエンドロールで知るようで、自分の曲だけれど、切なくなりました」と本作の感想も語った。

『スイート・マイホーム』は2023年9月1日(金)より全国で公開
監督:齊藤工
出演:窪田正孝
蓮佛美沙子、奈緒
中島歩、里々佳、吉田健悟、磯村アメリ
松角洋平、岩谷健司、根岸季衣
窪塚洋介
配給:日活、東京テアトル
©2023『スイート・マイホーム』製作委員会
©神津凛子/講談社