『アナログ』の公開直前イベントが9月18日(月・祝)に都内で行われ、二宮和也、波瑠が登壇した。

ビートたけしによる原作小説を、主演・二宮和也、ヒロイン・波瑠を迎えて映像化する本作。二宮演じる主人公の悟と、波瑠演じる携帯を持たない謎めいた女性・みゆき。喫茶店で出会ったふたりが交わした、たったひとつの大切な約束。「毎週木曜日に、この場所で会いましょう」。携帯電話で気軽に連絡が取れる現代に、あえて連絡先を交換せずに、週に一度だけ“会うこと”を大切にしてゆっくりと関係を紡いでいく…。2人の恋愛を通じて描かれ、コロナ禍を経た今だからこそ改めて気づかされる、いつの時代も変わらない愛の原点=〈好きな人にただ会える喜び〉を描いた懐かしくて新しいラブストーリー。

イベントでは、映画を見終わった観客がうちわを使って質問に“YES”か“NO”で回答。多くの観客が“泣いた”と答えたことに「制作側としては救われる」という二宮。波瑠も「みんなで作り上げた時間が届いたと思っていいのかなとうれしいです」と笑顔を見せた。本作のように“ケータイを持たない恋愛”については「できなさそう」と消極的な様子の二宮。一方で「気持ちだけで考えたらできなくもない気がします。絶対に不便だとは思いますよ、分かってますよ。でも好きなら、それでなしになるのはどう?と思いません?」と返す波瑠。これに二宮は「人となりが分かっていたらね。モデルケースで言うと古田新太だよね。あの人はケータイを持ってないけど、三茶(三軒茶屋)に行ったらいいよねと」と例に挙げ、笑いを誘う二宮は「ゼロからだと不安になるかな」と明かした。

映画にちなんで“なんでも話せる親友がいるか”と聞かれると「私は人に何でも話さない」という波瑠は「信頼している人はいるけど、何でも話すかどうかは別かな」と答えた。一方で「なんでも話せる人…なんでもだよ?」と悩む二宮は「言われたほうはしんどい」と考え込むが、波瑠は「二宮さんの悩みなんて分かる人いないよ。分かってあげられない」とコメント。さらに考えた二宮は「置かれている立場だけでいうと嵐の人には言える。嵐しか分からない」と断言し、「ずっと同じ価値観で進んでいる友達でいうとあの人たちしかいない。(親友が)4人います」と答えた。

この日のイベントでは、観客が大切な人と来場してることから“大切な人への想いやメッセージ”を募集し、二宮と波瑠が代読した。想いが込められた手紙に「なかなか“ありがとう”と言えなかったりする」と共感していた二宮。さらに、“プロポーズの回答”をした手紙を波瑠が代読すると、二宮は「すごいね、その瞬間」と驚いた。想いが込められた手紙に波瑠は「幸せ者ですね」と笑顔を見せる場面もあった。

最後に二宮は「映画もそうですが、大事な人がいるということは責任があったりするかもしれないけど、幸せなことで。大切な人、大事な人を大切にできる期間は自分が思っている以上に短い気がしています。急にいなくなっちゃったり、映画みたいな出来事が起きたり、世の中がどう動くかは分からない。今隣にいる人を大事にできる期間は今しかないと思って、向き合ってもらいたいです。僕も手紙を読ませていただいてそう思うことができたので、有意義な会になったと。みなさまに助けてもらって、プロポーズもありがとうございます。映画も広がっていくと同時にうれしい日になりました」とメッセージを送った。

【写真・文/編集部】

『アナログ』は2023年10月6日(金)より全国で公開
監督:タカハタ秀太
出演:二宮和也、波瑠
桐谷健太、浜野謙太/藤原丈一郎(なにわ男子)
坂井真紀、筒井真理子、宮川大輔、佐津川愛美
鈴木浩介、板谷由夏、高橋惠子/リリー・フランキー
配給:アスミック・エース=東宝
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