『駒田蒸留所へようこそ』の公開記念舞台挨拶が11月12日(日)にTOHOシネマズ六本木ヒルズで行われ、早見沙織、小野賢章、内田真礼、細谷佳正、堀内賢雄、井上喜久子、中村悠一、吉原正行監督が登壇した。

『花咲くいろは』『SHIROBAKO』『サクラクエスト』『白い砂のアクアトープ』―。「働くこと」をテーマに、日々奮闘するキャラクターを描いてきた、P.A.WORKSによる“お仕事シリーズ”最新作の劇場版オリジナルアニメーション『駒田蒸留所へようこそ』。世界でも注目されるジャパニーズウイスキーを題材に、崖っぷち蒸留所の再起に奮闘する若き女性社長と、夢もやる気もない新米編集者が、家族の絆をつなぐ”幻のウイスキー”復活を目指す物語が描かれる。

海外の映画祭や第36回東京国際映画祭などでの上映を経て、劇場公開を迎えた本作に「いよいよみなさまにご覧いただくことができたなと感慨深い気持ちです。すごくうれしいです」と笑顔を見せた早見。小野は「ウイスキーと同じで、時間をかけて大切に大切に熟成したものをようやく“いってらっしゃい”と送り出すような気持ち」と喜びを表現した。

一方で「自分もこういう立場の役をやらせていただける年齢になったんだなと感じながら」という細谷は「賢章くんの、やりたいことが分からなくて世の中に反抗している感じが本当に素晴らしくてリアリティがあって、僕もかつてはそういうところもある人間なので。変な感情移入の仕方をしながら見ていて微笑ましくて」と明かし、さらに「やっぱり小野賢章さんってすごいなと思い。ずっとウォッチしているだけある。僕がずっと見続けて追っている」と笑いを誘った。

その小野は「共感する部分が多いし、見てくださった方の中にも、こういうところ自分にもあるなと思うところがあるんじゃないかと思う」といい、「(仕事で)やりがいを見つけていくのは大変」という中で「知れば知るほどおもしろいじゃんというところが丁寧に描かれているので、見て勇気をもらえる、今自分がいる環境を見つめ直したらおもしろい部分とかやいがいを見つけられるんじゃないかと思わせてくれる作品」と本作について語った。

また、内田は自身の役どころについて「感情を外に出すことができる姿にいいなと。親友的な空気を感じたり。大人になってこんなに怒れることってあまりないかもと。ちょっと自分にもフィードバックして、怒れるようになりたいと思いました」と語った。

今回の舞台挨拶には“駒田家”のキャストが集結しているが、「男性陣がギャングみたい」と笑う堀内。和気あいあいとクロストークを繰り広げていたが、中村が堀内のセリフについて「あれ、いいですね」としみじみと語ると、堀内は「みんなで褒め合っちゃって」と照れ笑いを浮かべつつ、中村についても「あの芝居の変化はうまいな」と称賛し、会場を沸かせた。また早見は「家族がすごく大事になる作品だと感じました」と語った。

さらに、ウイスキーが出来上がるのに最低でも3年が必要ということにちなんで、“3年後の自分に向けた言葉”をフリップで披露。「3年って一瞬でしたよね。即行動しよう」と書いた早見には「分かる!」という声も。一方で、「好きなものは変わってないですか?」と書いた小野は「(東京国際映画祭で)レッドカーペットをかっこよく煌びやかにに歩かせていただいた後にラーメンを食べに行って。そのギャップに一人でワクワクしていました」と明かした。

「まだ子供部屋ですか?」と書いた中村は「気に入ったものを衝動買いする。先日150万円のフィギュアが届きました。動かせなくなりました、40㎏あるので」と明かした。

最後に早見は「『この人に共感できるな』とか、そういう登場人物が一人はいる物語だと思います。ウイスキーのようにこのお話も何年経ってもどんどん熟成して、いいな、味わい深いなと思える作品だと思います」とメッセージを送った。

【写真・文/編集部】

『駒田蒸留所へようこそ』は全国で公開中
監督:吉原正行
声の出演:早見沙織、小野賢章、内田真礼、細谷佳正
配給:ギャガ
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