本当の彼女を誰も知らない―杉咲花主演映画『市子』のオフショットが解禁され、併せて撮影現場でのエピソードが到着した。

本作は、監督の戸田彬弘が主宰する劇団チーズtheater旗揚げ公演作品でもあり、サンモールスタジオ選定賞2015では最優秀脚本賞を受賞した舞台「川辺市⼦のために」が原作。観客から熱い支持を受けて2度再演された⼈気の舞台を映画化。川辺市子(杉咲花)は、恋人の長谷川義則(若葉竜也)からプロポーズを受けた翌日に、突然失踪。長谷川が行方を追い、これまで市子と関わりがあった人々から証言を得ていくと、彼女の底知れない人物像と、切なくも衝撃的な真実が次々と浮かび上がる…。

先週12月8日(金)に公開を迎えた本作『市子』だが、週末には満席が続出。「年末にとんでもない大傑作と出会ってしまった。」「今年の邦画の代表作」「同じ映画なのに観る度に目線が変わる。気持ちも変わる。」など感想も続々と上がり、すでに複数回鑑賞するリピーターも。熱を帯びて更なる広がりを見せる『市子』だが、この度、主人公・市子を演じる杉咲花と恋人役・若葉竜也、共に撮影から一般公開までの道のりを全力で走り続けた戸田監督との撮影現場のオフショットが解禁された。

杉咲と若葉の写真には、笑顔で“戸田組『市子』”の看板を持ち、ピースサインをする二人の様子が収められている。本作が3度目の共演となり、お互いに信頼を寄せ合う杉咲と若葉。杉咲は若葉について、「今回で3回目の共演で、とても信頼している方だからこそ、初共演の方とは違った安堵感もありました」と話し、また若葉も「技術じゃ到底たどり着けないところに杉咲さんはフワッとジャンプしてタッチしてくるんです。芸歴とかそういうことでは出せないような表現をしてくる」と杉咲を称賛する。

もう1枚、杉咲と戸田監督の写真は、杉咲が最後の撮影を終え、クランクアップした時を捉えたもの。花束を抱き、監督と笑顔で写る杉咲だが、今回初参加となった戸田組での撮影について「素晴らしい製作陣の方々が集まって映画を作れたことを幸せに思っていますし、最高の経験になったと思っています」と振り返る。また現場での様子については若葉も、「杉咲さんをはじめ、あの現場にいる1人1人が、プロとして思考を巡らせていたような気がします」と口を揃えた。

公開初日に行われた戸田監督のティーチインイベントでは「杉咲さんの演技は、言葉にできないような一瞬の表情を表現されるのがすごく魅力的」とコメント。「何度もテストを重ねた上での撮影だったのか」と観客から質問された戸田監督は、「技術部のテストは実施しながらも、俳優陣の芝居に関しては、動きだけを確認していました」と、実際に演じてもらったのは、本番のみが多かったことを明かした。特にプロポーズのシーンでは、本番まで杉咲は若葉の目を見ずに過ごしたという。

本番で初めて2人が目を合わせて演技をしたことで、「自然と市子(杉咲)の目から涙が溢れてしまって、あのようなシーンが撮れた」と、撮影秘話を明かした。また公開後、本作がフィクションでありながら「市子がどこかにいるんじゃないかと探してしまう」という感想を多数見た戸田監督は、「僕も杉咲さんも、観てくれた方々がそういう風に感じてくれることを目指して作ったこともあり、すごく嬉しい」と話し、観客からの「これから生きていく上でも考えさせられる映画になりました」などの声にも喜びを嚙み締めていた。

『市子』は全国で公開中
監督:戸田彬弘
出演:杉咲花、若葉竜也、森永悠希、倉悠貴、中田青渚、石川瑠華、大浦千佳、渡辺大知、宇野祥平、中村ゆり
配給:ハピネットファントム・スタジオ
©2023 映画「市子」製作委員会