7月から上演されるミュージカル『ビリー・エリオット~リトル・ダンサー~』のビリー・エリオット役キャストが決定した。

1980年代のイギリス北部の炭鉱の町を舞台に、ひとりの少年と彼を取り巻く大人たちの姿を描き、世界中を虜にした映画『BILLY ELLIOT』(邦題「リトル・ダンサー」)。ブロードウェイなど数多くの舞台作品を手掛けているスティーヴン・ダルドリーが初めて監督を務めた長編映画で、2000年に上映されると全世界で高く評価され、50近い賞を受賞する大ヒット作品となった。そして、2005年にはリー・ホール(映画『ロケットマン』『キャッツ』)が脚本・歌詞、映画と同様にスティーヴン・ダルドリーが演出を担当し、そこにエルトン・ジョン(ミュージカル『ライオンキング』)が音楽で加わりミュージカル化され、世界中で大成功を収めた。ビリーの圧倒的なパフォーマンスと、作品の持つ巨大なエネルギーが評価され、2006年には英国ローレンス・オリヴィエ賞4部門、2009年にはトニー賞で10部門を獲得している。

1980年代のイギリス北部の炭鉱の町を舞台に、バレエダンサーを目指すひとりの少年と彼を取り巻く大人たちの姿を描き、世界中を虜にした映画『BILLY ELLIOT(原題)/リトル・ダンサー(邦題)』。スティーヴン・ダルドリーが初めて監督を務めた長編映画であり、2000年に上映されると全世界で高く評価され、50近い賞を受賞する大ヒット作品となった。そして、2005年にはリー・ホールが脚本・歌詞、映画と同様にスティーヴン・ダルドリーが演出を担当し、そこにエルトン・ジョンが音楽で加わりミュージカル化され、2006年には英国ローレンス・オリヴィエ賞4部門、2009年にはトニー賞で10部門を獲得するなど世界中で大成功を収めた。日本では2017年に日本人キャストで初演。開幕に向けて約1年にわたるオーディションを経て選ばれたビリー・エリオットと、同じくオーディションで選ばれた大人キャストが約16万人の観客を熱狂させ、菊田一夫演劇賞大賞や読売演劇賞選考委員特別賞など数多くの演劇賞を受賞した。2020年は新たなビリー・エリオットを迎え再演。新型コロナウイルスの影響による一部公演中止を乗り越え、再び日本を感動の渦に巻き込んだ。そんな注目作品が7月に上演される。

本作でビリーを演じるのは厳しいオーディションを勝ち抜いた4人の少年たち。主人公のビリー・エリオットは、演技や歌だけでなく、バレエ、タップダンス、器械体操など様々な分野において高い能力が必要になる難役。そのため本作では上演の度に長期トレーニングと並行してオーディションを行い、ビリーを選出してきた。今年も、初演、再演と同じく1年以上にわたるレッスン形式のオーディションを実施。2023年3月、応募総数1,375人の中から書類審査を通過したのはわずか215人。さらに第一次オーディションで11人、第二次オーディションで7人が残り、ついにビリー・エリオット役が決定した。

浅田良舞(あさだ・りょうま)

2012年5月生まれ。バレエダンサーである両親のもとで2歳からバレエを始める。一度決めたことは最後までやり遂げる芯の強さと勇気が持ち味。2023年に英国ロイヤルバレエスクールサマースクールにスカラシップにて参加。
[コンクール歴]ユースグランプリ2024日本予選プリコンペティティブ部門第1位
コメント
バレエ教室の先輩が初演と再演のビリー役に選ばれていたので、「次は自分がビリーになりたい」と思って応募しました。
オーディションでは、初めて経験したタップダンスや器械体操も上達できて、とにかく精一杯、自分のやれることを全力でやり抜きました。合格を聞いた時は表情に出せなかったのですが、実は1人になった瞬間、飛んで喜びました。
お客さまが感動し、「自分もビリーのようになりたい!」と感じてもらえるようなビリーにしたいです。特に、僕も感動した「アングリーダンス」で感情を出し切れるように頑張りたいです。

石黒瑛土(いしぐろ・えいと)

2012年9月生まれ。3歳でバレエを始める。明るく人懐っこい性格で、正義感も強い頑張り屋。大舞台にも強く、誰にも負けない探求心を垣間見せる。2023年にはフランスのモナコプリンセスグレースダンスアカデミーへの留学を果たした。
[コンクール歴]2023年NBA全国バレエコンクール第1位/2023年YBCバレエコンクール第1位
コメント
初演と再演を観た時、ビリーのエネルギーがとても伝わってきて、「自分もやってみたい!」という気持ちになりました。
オーディションでは、前向きな気持ちを忘れず、自分の持っているものをすべて出し切ろうと思いました。合格できたときは本当に最高な気持ちで、すぐに写真撮影や取材が始まって、ワクワクが止まりませんでした。
ビリーは夢を追いかけ、誰がなんと言おうと自分の意志は曲げずに頑張る少年です。僕も全力で練習に励み、これまでにはない“常識を打ち破る”ビリーになりたいです。

井上宇一郎(いのうえ・ういちろう)

2010年7月生まれ。バレエダンサーである両親からバレエを学び、3歳で初舞台を踏む。エネルギー溢れる踊りを見せ、海外への短期留学も経験した。繊細さと大胆さを兼ね備えた性格で、ピアノも弾きこなす多彩ぶり。
[コンクール歴]2022年ヴィクトワールバレエコンペティション第2位/パシフィックインターナショナルバレエコンペティション3位
コメント
『ビリー・エリオット』の映像を観て感動して応募しました。オーディションではみんなと新しいことを学べて、やってみたかったタップダンスにも挑戦できて、楽しく頑張れました。
ビリー役に決まった時はビックリしすぎて、今でもまだ実感が湧いていません。
僕にとってのビリーは“挑戦”です。お客様に元気を与えられるように、自分のエネルギーを出し切って踊りたいです。初めて挑戦する演技でも感情をうまく引き出せるように、そして、器械体操もきれいにカッコよくできるように頑張ります。
たくさん練習をして、お客さまを楽しませることのできる、最高のビリーになりたいです。

春山嘉夢一(はるやま・かむい)

2011年1月生まれ。ビリー役への人一倍強い思いで努力し、役を掴む。レッスン中も楽しむことを忘れないポジティブな性格。バレエの他にも器械体操や二重跳びなど抜群の運動神経を見せる。
[コンクール歴]2023年NBA全国バレエコンクール(小学5・6年の部)第2位/2022年バレエコンクールin横浜(ジュニア3部門)第3位
コメント
母に連れて行ってもらった『ビリー・エリオット』の感動が忘れられず、「自分もビリーになりたい!」と真っ先に応募しました。バレエを踊っていると、時間を忘れるほど無我夢中になれるところがビリーに似ていると思います。
オーディションを通して、最初はできなかったことが、どんどんできるようになってきて、毎日が楽しかったです。ビリー役に決まった時は、世界一幸せな気分でした。
ビリーは希望に満ちていて、「必ず夢を叶える!」という強い意志のある少年です。僕も自分らしいビリーを追究して、お客さまに希望を与えられるようになりたいです。

また、歴代公演で特別番組のナビゲーターを務めてきた綾瀬はるかからコメントが到着した。初演、再演と稽古場から本番までビリーの成長を見守り、作品のファンだと語る綾瀬は、今年の公演にも大きな期待を寄せる。ビリー役挑戦の難しさと、演じる少年たちの輝きを間近で感じてきた綾瀬から、ビリー決定にあたってのコメントが到着した。

綾瀬はるか コメント

はじめて「ビリー・エリオット」を観た時の心が波打つような感動をおぼえています。 ビリー役は1年をかけて、様々な能力を高く要求されるオーディションで選ばれますが、 子供たちの一生懸命で、直向きな挑戦が、物語の中にいるビリー少年に息を吹き込み重なっていくのだと思います。 まだご覧になったことがない皆様にも、是非小さなダンサーの挑戦と躍動していく姿を観て頂きたいです。

『ビリー・エリオット』への道

世界を震わせたミュージカルの最高傑作『ビリー・エリオット』。その2024年日本公演の一大オーディションが2023年3月よりスタートした。11歳前後の少年にしか演じられないビリー役は、ほとんどの参加者にとって、人生一度きりの挑戦となる。ビリー役を演じることは、全世界の役者やダンサーを夢見る子供たちにとって、憧れであり夢であると言っても過言ではない。過去のビリー役には、映画『スパイダーマン』でスパイダーマン役を演じたトム・ホランドがおり、日本でビリー役を演じた少年たちも、海外留学やバレエの世界的コンクールでの優勝など、活躍の場を広げている。ビリー役を手にすることは、人生を変える、大きなチャンスなのである。

オーディションの応募総数は、なんと1375人。書類審査に合格した215人の候補者たちは、レッスン形式の長期オーディションに参加。演技力はもちろん、歌唱、バレエ、タップダンス、器械体操など、様々な能力の適正を審査するため、多様なレッスンが行われ、合格者のみが次のレッスンに進むことができる。ここまでの長期間の育成型オーディションは日本でも珍しいが、各国でビリーを育ててきた海外クリエイティブスタッフは、審査に妥協は許さない。日本初演から携わっている振付補のトム・ホッジソンは、「最初から必要とされる能力を全て持っている子はいない。私たちが探しているのは、何か1つでも優れたものを持っている子。爆発するような煌めきがある子、動くことが大好きな子だ。そういった子を公演までにビリーに育て上げたい」と語る。

ビリー役への道のりは長く険しい。厳しい挑戦となるが、少年たちは真剣に、正面から立ち向かう。ほとんどの参加者がタップダンスや器械体操の経験は無かったが、新しいことに挑戦できることを楽しんですらいた。第一次オーディションでは215人から11人が合格。さらに第二次オーディションでは7人が残った。オーディション期間中は週5日、3時間のレッスンを続け、さらには自宅で自主練習にも励んだ。皆、それだけ強い思いでビリー役に挑んでいたのだ。夢に向かって、自らの限界を超えていく彼らは、物語のビリーに重なって見える。そして最終オーディションを経て、ビリー役を手にすることができるのは、4人。

合格発表前日。最終候補者たちが家族やスタッフの前でパフォーマンスを披露する「Show&Tell」が行われた。先生やスタッフに自らの成長を見てもらい、支えてくれた保護者の方へ感謝を伝える為、彼等は精一杯踊り、歌った。切磋琢磨してきた仲間のパフォーマンスに拍手を送る少年たち。我が子の成長を目の当たりにして涙する保護者たち…。そこには、しっかりと彼等の努力の跡が見て取れ、想いを伝えるのに十分なパフォーマンスであった。そして、もし不合格となれば、この日が、レッスンでお世話になった先生たちとの最後の時間になってしまう。パフォーマンスが終わると、少年たちは先生と抱き合い、これまでの感謝を伝えた。

いよいよ発表当日。各自が個室に呼ばれ、合否が告げられる。1375人の中からビリー役を掴んだのは、たったの4人。「2024年のビリー・エリオット役として出演をお願い致します」しばしの沈黙の後、笑顔がはじけ、「お願いします」と決意を新たにする少年。隣では母が涙を浮かべて見守る。共に夢を追いかけた仲間の分まで、精一杯演じることを誓うのだった。

合格した4人が集まると、満面の笑みで互いの健闘を称え合った。リョウマ、エイト、ウイチロウ、カムイ。彼らは特別な人間ではない。普段は天真爛漫な、ごく普通の小中学生である。そんな彼らが、人生を変えるオーディションに参加し、自らの手で主人公ビリー役を勝ち獲った。そして厳しいレッスンを経て、ステージで主役を演じる。

4人のビリーへの挑戦は始まったばかり。この作品に携わる全ての人が、彼らを信じ、愛情を注いで、7月26日(土)の開幕までに、“ビリー・エリオット”に育て上げていくのだ。そんな期待に応え、自分らしいビリーを作り上げるべく、少年たちは今日も挑み続けている。舞台で輝く4人の少年たちを是非劇場でご覧いただきたい。

ミュージカル『ビリー・エリオット~リトル・ダンサー~』

脚本・歌詞:リー・ホール
演出:スティーヴン・ダルドリー
音楽:エルトン・ジョン

出演:
ビリー・エリオット(クワトロキャスト)…浅田良舞、石黒瑛土、井上宇一郎、春山嘉夢一
お父さん(ダブルキャスト)…益岡徹、鶴見辰吾
ウィルキンソン先生(ダブルキャスト)…安蘭けい、濱田めぐみ
おばあちゃん(ダブルキャスト)…根岸季衣、阿知波悟美
トニー(兄)(ダブルキャスト)…西川大貴、吉田広大
ジョージ…芋洗坂係長
オールダー・ビリー(トリプルキャスト)…永野亮比己、厚地康雄、山科諒馬

森山大輔/近藤貴郁(ダブルキャスト)、大月さゆ、大竹尚、加賀谷真聡、黒沼亮*、後藤裕磨、齋藤桐人、聖司朗、辰巳智秋、照井裕隆、春口凌芽*、丸山泰右、森内翔大、小島亜莉沙、咲良、竹内晶美、森田万貴*、石田優月、白木彩可、新里藍那
※*…スウィング

髙橋維束、豊本燦汰、西山遥都、渡邉隼人、上原日茉莉、佐源太惟乃哩、内藤菫子
猪股怜生、髙橋翔大、張浩一、多胡奏汰、藤元萬瑠
石澤桜來、岩本佳子、木村美桜、清水優、鈴木結里愛、住徳瑠香、長尾侑南、松本望海、南夢依、宮野陽光

【東京公演】
会場:東京建物Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場)
公演日程:
 オープニング公演/2024年7月27日(土)~8月1日(木) 
 本公演/2024年8月2日(金)~10月26日(土)
チケット販売:
 抽選先行販売/1月20日(土)9:00~
 先着先行販売/2月17日(土)9:00~
 一般販売/3月13日(水)11:00~
※詳細は 公式サイトにて

【大阪公演】
会場:SkyシアターMBS
公演日程:2024年11月9日(土)~24日(日) 

Billy Elliot the musical worldwide is produced by UNIVERSAL THEATRICAL GROUP, WORKING TITLE FILMS, GREENE LIGHT STAGE