『バジーノイズ』の新入生向け特別講義が4月1日(月)に都内で行われ、川西拓実(JO1)、桜田ひより、風間太樹監督が登壇した。

週刊ビッグコミックスピリッツ(小学館刊)で連載され、登場人物たちの心理描写のリアルさ、DTM(デスクトップミュージック)を題材に誌面を飛び越えてくるかのような独特な音楽表現とタイムリーなテーマ性でSNSを中心に熱い支持と共感を集めた「バジーノイズ」を実写映画化。主演を務めるのは、グローバルボーイズグループ・JO1の川西拓実。映画初主演の川西は、人とかかわる事を必要とせず、たったひとつの“すきなもの”である音楽をPCで作り、ひとり奏でるだけのシンプルな生活を送っている清澄を演じる。もう一人の主演は、風間太樹監督とは「silent」に続き2回目のタッグとなる桜田ひより。自分の気持ちに素直に生き、清澄の閉じた世界に強烈なノイズが流れ込むきっかけとなる潮を演じる。

今回行われたイベントでは、映画業界を目指す学生も多いデジタルハリウッド大学の新入生およそ320人の前に、初の特別講義として風間監督が登壇。入学式を控える学生を前に、自身の学生時代を振り返った風間監督。映画やドラマの現場で活躍する風間監督は「(映画とドラマで)大きく違うのはフォーマット。映画は1回の視聴で完結して見せることができる。ドラマは話をまたいで興味をけん引しなければいけない。構造の工夫はシナリオに必要になる」と、ドラマ・映画でヒット作を生み出す風間監督ならではの思いを語った。

集まった生徒からは映画を作るモチベーションや理由について質問を寄せられると、風間監督は「あらゆるモチベーションはそこかしこに転がっている気がする。“この俳優でこのお芝居を撮ってみたい”というのもある。内側に閉じ込めてしまっている葛藤や憤りを投影した彼がどう生きていくかを見つめたい。自己投影しながら小さな自分を作品に入れながら撮ってる」と答えた。

さらにイベントにはサプライズで川西と桜田が歓声に包まれながら登場。劇中ではキーボードを弾く川西だが「弾けなかったので約2か月くらい練習して。本当は楽譜を見て弾くんですけど、僕は楽譜が読めなくて丸暗記で楽譜を見ずにやる」と明かし、「弾くだけではなくて、その時の感情も出さないといけない。どっちかに偏ってしまう時があったんですけど両方うまくやれるようにするのを意識して」と撮影を振り返った。風間監督とはドラマ『silent』に続くタッグとなる桜田は「意思疎通も取れていましたし、自分が思っていることと監督が思っていることが同じだったりした」と振り返り、今回は「私自身のお話をたくさんさせていただくことがあって。その中からどこか牛尾に通ずる部分を感じ取ってくれたんじゃないかと思っています」と明かした。

本作の撮影では「現場にいらっしゃるスタッフのみなさんのプロの仕事ぶりを目の当たりにした」と撮影現場を振り返る川西は「カット割りを決めている時の監督やスタッフさんの顔がかっこよかった」と称賛。桜田は「海で撮影したんですけどとにかく風が強くて」と明かしつつ、ポスターや映像ではその風の強さを感じないことについて「いろんな人の支えがあってものすごく爽やかに映像に映っている」と裏側での苦労を語った。

また、お互いに人見知りだという川西と桜田だが、「私を超える川西さん。私は相手の様子をうかがってしまうタイプなんですけど、相手の様子をうかがいつつちっちゃくなってしまうのが川西さん」と話す桜田は初対面で「(川西が)あまり目を合わせてくれなくて」と風間監督に「どうしよう」と相談したという。その川西は「初映画、初主演だったのでプレッシャーに感じている部分もあったりして、どうしたらいいんだろうってなってました」と明かした。

そんな撮影現場で、お互いが打ち溶け合えるように桜田が考案した「ドキドキクイズ」をアレンジした、物事に対して“せーの”で自身の意見を言う「ドキドキクエスチョンゲーム」を実施。最初のお題の“ふるさと自慢と言えば?”に続き、“川西主演の映画を撮影するとしたら?”というお題に「人生」と書いた桜田は、今回共演するにあたって川西のことを調べたといい「川西さんの人生は夢がある。まるで絵に描いたような、夢のような人生って素晴らしいですし、絶対に映画にしたほうがいい。赤ちゃんからやってもらって今までの再現みたいな」と川西自身の人生を映画にしたいという思いを語った。風間監督は「こうあったかもしれない世界。枝分かれした可能性の映画を描けたら面白い」と語った。そんな中で川西自身は「野球」と書き、「15年くらい野球をやってきて。野球にまつわるものができたらうれしい」と笑顔を見せた。

さらに、“「推し」と言えば?”というお題には「愛犬」と書いた桜田は「毎日の癒し」といい、「桜田ひより」と書いた川西は「共演させていただいて、桜田氏の魅力にどっぷりハマっちゃいまして。これからも応援し続けます」というと、困惑気味の桜田は「ありがたいですね。もう1個(フリップが)あったら『川西さん』って書いてる。1番は愛犬でした。2番目でもいいですか?(笑)」と笑いを誘った。一方で「人生で推しをもったことがない」という風間監督は「ひよりさんの代わりと言うことで、タクミ(川西拓実)です。JO1のライブ行かせてもらって、かっこいいですね」と答えると、川西は「うれしいですね」と笑顔を見せた。

最後に川西は「つながりを大切にしながら生活してほしい。後悔しないように、自分のやりたいことを好きなだけやってほしい。その鍵はこの映画に詰まっています」、桜田は「きっとこれから大変なことだったり楽しいことがあると思うんですけど、自分の人生につながると思いますし、周りの人を大切にして自分らしく生き生きと過ごしていただきたい。『バジーノイズ』という作品は私にとって大切な一つになったので、この映画を見て、みなさんとつながりが生まれたら」とメッセージを送った。

【写真・文/編集部】

『バジーノイズ』は20204年5月3日(金・祝)よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国で公開
監督:風間太樹
出演:川西拓実(JO1)、桜田ひより、井之脇海、栁俊太郎
 円井わん、奥野瑛太、天野はな、駒井蓮、櫻井海音、馬場園梓/佐津川愛美、テイ龍進
配給:ギャガ
©むつき潤・小学館/「バジーノイズ」製作委員会