主演:水上恒司×ヒロイン:山下美月『火喰鳥を、喰う』の追加キャストが発表され、併せて新カットが公開された。

物語はある日、久喜雄司(水上恒司)の元に、かつて戦死したはずの祖父の兄・貞市が書いたという謎の日記が届くところから始まる。“火喰鳥、喰いたい”という生への執着が記されたその日記を読んだ日を境に、雄司と妻の夕里子(山下美月)の周囲では、不可解な出来事が頻発するようになる。貞市の日記が引き起こす、存在しないはずの“過去”は少しずつ“現実”を侵食していき――。「死者の日記」から始まったのは、“事件”か、あるいは“怪異”か。原作同様、全く先読みのできない衝撃のミステリーホラーが誕生する。監督を務めるのは、『超高速!参勤交代』シリーズや、『空飛ぶタイヤ』(18)、『シャイロックの子供たち』(23)などを手がける本木克英。主演は本作が映画単独初主演作となる水上恒司。ヒロインを務めるのは山下美月。

今回、森田望智、豊田裕大、麻生祐未、吉澤健ら4人の追加キャストが発表された。久喜家を訪ねる新聞記者・与沢一香役を演じたのは、引く手あまたの実力派女優・森田望智。ドラマ『全裸監督』シリーズのヒロイン・黒木香役で魅せた体当たり演技が大きな反響を呼び、一気にスターダムを駆け上がった。その後も、映画『さがす』(21年)、Netflix映画『シティハンター』(2024)、NHK連続テレビ小説「虎に翼」(2024)など話題作への出演が止まらない実力派が、久喜家に戦死したはずの久喜貞市の日記を届けるという、重要な役目を持つ役どころを担った。多種多様なキャラクターを演じてきた森田が、新聞記者の役を演じるのは本作が初

役作りについて森田は、「(本作で起こる不可解な出来事に)恐怖は感じながらも、与沢の突き進む力はどこから湧き出てくるのだろう。なぜ記者になったのか、なぜ世の中にこの記事を届けたいのか、ということを考えながら、その熱い気持ちの根源を一つ一つ探していくような日々でした。」と想いを明かしている。さらに共演した水上・山下について、「お二人ともすごく穏やかな空気をお持ちで、心地よい距離感でお芝居することができました」と振り返る森田。水上に対しては「ご自身の役まわりだけではなく、客観的に作品を見ながら動いていらっしゃるんだなと思って。すごく頼りっぱなしで助けられました」とリスペクトし、山下に対しても「私はホラーが苦手で、撮影中も怖いなと思いながら過ごしている中、和かな笑顔でたくさん話してくださって。山下さんと話すと心が洗われました」とエピソードを明かし、穏やかな撮影現場だったことをうかがわせた。

森田望智

夕里子の弟・瀧田亮役を演じるのは人気急上昇中の若手注目株の俳優・豊田裕大。MEN'S NON-NOの専属モデルとして活躍する一方、俳優としても精力的に活動中。最近ではオーディションで生徒役を勝ち取り出演に至った日曜劇場「御上先生」(2025)で、凛とした佇まいや確かな演技力がSNSでも話題を集めた。

今後の活躍が期待される若手注目株の一人だが、初となる本木組への参加について「現場に入ってみたら、(監督が)“今の良かったよ”とフランクに接してくれる方だったので、自分の思った通りにチャレンジしてみようと思える現場で、ご一緒できて楽しかったです」と撮影の充実ぶりを振り返る。さらに同い年の水上・山下から刺激を受ける場面も多かったという豊田。水上については「同い年なのにここまで落ち着いている人がいるんだと思うくらい」と印象を明かし、「座長として細かいところにも気遣ってくださっていましたし、とても尊敬しましたし、まっすぐさみたいなものを真似したいなと素直に感じました」と尊敬の眼差しを向ける。一方山下とは「僕が初めて出演した映像作品でご一緒させていただいたことがあって。今回が2回目(の共演)でした」と説明し、「とても緊張しましたが、撮影以外でもフランクに声をかけてくださったので、夕里子との関係性も計りやすくて助かりました」と明かしている。

豊田裕大

雄司の母・久喜伸子役を演じたのは、演技力の高さに定評のある麻生祐未。映画・ドラマ問わず、幅広い作品で“バイプレイヤー”として活躍を続ける麻生だが、近年では、カンヌ国際映画祭にて役所広司が男優賞を受賞し大きな話題となった『PERFECT DAYS』(2023)にて主人公・平山の妹のケイコを演じ世界にその確かな演技力で存在感を示した。そんな名女優が、本作では未亡人の哀しみと遺された家族への愛情を絶妙なバランスをもって重要な役どころを演じ切っている。

麻生祐未

雄司の祖父で、怪奇現象を巻き起こす日記の持ち主・貞市の弟・久喜保役を演じたのは、“いぶし銀”俳優・吉澤健。主な代表作には映画『毛の生えた拳銃』(1968)、主演を務めた映画『天使の恍惚』(1972)、映画『キャタピラー』(2010)などがあり、若松作品の常連としても知られている。近年では、映画『凪待ち』(2019)で物語のキーとなるキャラクターを担い、その哀愁に満ちた名演が評価され、第74回毎日映画コンクールで男優助演賞を受賞するなど話題を集めている。本作でも吉澤が魅せる、その場の空気を飲み込むような迫真の演技にも期待が高まる。

吉澤健

併せて、乱暴に傷をつけられた久喜家の墓の前で呆然と立ち尽くす雄司と夕里子の姿をはじめ、与沢が届けた貞市のものと思しき日記を手にとる久喜一家の様子を捉えた3点の新カットが公開された。まるで死を否定するかのように、貞市の名前にだけ強く刻まれた奇妙な傷、そして日記に残された「ヒクイドリ、クイタイ」という不気味な文字。久喜家に忍び寄る不可解な現象は、事件なのか、それとも――。今回公開された、胸がざわつく“謎”が残されたカットからは、どこか異様で不穏な空気が漂い、予測不能な衝撃の展開が待ち受けていることがうかがえる。

『火喰鳥を、喰う』は2025年10月3日(金)より全国で公開
監督:本木克英
出演:水上恒司、山下美月、森田望智、吉澤健、豊田裕大、麻生祐未/宮舘涼太(Snow Man)
配給:KADOKAWA、ギャガ
©2025「火喰鳥を、喰う」製作委員会