宮本亞門が地元の人々の声を聞き、言葉に触れ、復興の想いを募らせることで生まれたショートフィルム『生きがい IKIGAI』が6月20日(金)より石川県で先行公開、7月11日(金)よりシネスイッチ銀座ほかで順次公開される。

甚大な被害を生じた地震から8カ月後、豪雨という再びの災害に見舞われた能登。能登半島地震の震源域に近く地震で大きな被害があった奥能登地域を襲った2度目の災害―。ミュージカル、ストレートプレイ、オペラ、歌舞伎などジャンルを越える演出家として国内外で幅広い作品を手がける宮本亞門は、能登でのボランティア活動に参加、想像を超える被害と復興の遅れを目の当たりにした。宮本が地元の人々の声を聞き、言葉に触れ、復興の想いを募らせることで、ショートフィルム『生きがい IKIGAI』は生まれた。

主演を務めるのは1972年に劇団四季に入団、「ジーザス・クライスト・スーパースター」で主演デビュー後、人気を博し、退団後は舞台だけにとどまらず、映画やテレビドラマで活躍する鹿賀丈史。石川県出身の鹿賀は本作の出演について、「宮本亞門さんから、能登の現状やそこに生きる人を描いたショートフィルムを撮りたいというお話を頂き、即参加したいという意思を伝えました。少しでもこのショートフィルムで能登の方々が、元気になってもらえたらと思い撮影に挑みました」と出演の参加を熱望したことを明かし、「このショートフィルムを通じて、観ていただいた方が少しでも強く生きていくということを感じていただけたら、これ以上幸いなことはありません。」と本作に込めた思いを明かした。

信三の妻・美智子を演じるのは、1993年の俳優デビュー以後、ドラマ『愛していると言ってくれ』『Beautiful Life~ふたりでいた日々』をはじめ数々の人気ドラマに出演、映画『赤い月』(03)で、第28回日本アカデミー賞優秀主演女優賞を受賞の常盤貴子。常盤は能登を舞台にした連続テレビ小説『まれ』に出演しており、世界で一番好きな海は能登であり、能登を第二の故郷だと語る常盤は本作の出演に関し、「宮本亞門さんが能登のために立ち上がってくださる。私にできることがあるなら何でもしたいと思いました。」と語り、撮影を振り返り「とてつもなく明るく、いつもあたたかく、愛に溢れた現場でした。それもそのはず。スタッフも、キャストも、みんながみんな、能登を思っての参加だったから。亞門監督、今の能登を撮影してくださり、ありがとうございます。今しか撮れないこの景色を胸に、復興へ向かって歩んでいきたいと思います。」と宮本監督への感謝を述べ、復興に対しての想い込めている。

共演には、信三の心を開くボランティアの青年役には、2021年俳優デビューし、日曜劇場「下剋上球児」「宙わたる教室」など話題作に次々出演、『ひだまりが聴こえる』でテレビドラマ初主演を務め、現在も放送中のドラマ「恋は闇」に出演中の小林虎之介。信三の甥・尚文役には、劇団員としての活動を経て、北野武監督の「ソナチネ」(93)で映画デビュー。以降、映画を中心にTVドラマや演劇と幅広く活躍する津田寛治。ボランティアセンターの上田役には、「ストリッパー物語」で主役で鮮烈なデビューを飾り、1978年「ヒモのはなし」で第13回紀伊國屋演劇賞個人賞受賞ほか「蒲田行進曲」の小夏役など、つかこうへい作品黄金期を支える一人であり、舞台・映画・ドラマと変幻自在に幅広い役を演じる根岸季衣。実力派キャストが能登への復興を願い、本作に参加、災害により心を閉ざした一人の男が再び生きることに目を向けていく希望の物語を紡ぐ。

企画・脚本・監督を務める宮本亞門は、30年ぶりにメガホンをとった本作について「能登の被災者が「元旦の震災、今度はこれか。まだ頑張らなきゃいかんのか」と語り、現地の女性が「突然、やることも目標も消える…こんなに辛いことはない」と呟いた言葉に、深いやるせなさを感じました。だから私は願います。命ある限り、諦めないでほしい。1日1日を生き抜けば、きっと希望が見える。その思いで30年ぶりにメガホンを取りました。」と実際に現地での声がきっかけになっていることを語り、「この作品が、皆さんが「生きがい」を見つめ、心にそっと寄り添えますように。」と本作に込められた願いに近い思いを明かしている。

ショートフィルム『生きがい IKIGAI』と併映されるのは、映画の撮影のメイキングをきっかけに訪れた能登で、人々の声を収めるうちにドキュメンタリー作品として生まれた『能登の声 The Voice of NOTO』(監督・編集:⼿塚旬⼦)。フィクションとノンフィクションを同時に体感することで、二度の災害に苦しむ【能登の今】を知り、想いを馳せることが、【能登の未来】への一歩に繋がってほしいという願いから生まれたプロジェクトである。またこの作品の収益の一部は、能登復興のために寄付される。詳細は追って映画公式サイトにて発表される。

今回公開された予告映像は、倒壊した家から助け出される信三のショッキングなシーンから始まる。全身泥だらけになりながらも、救助されてすぐに去ってしまう信三の姿に、心を閉ざし孤立している様子がうかがえる。しかし、ボランティアの青年との会話をきっかけに、加賀の方言で「ばかだなあ」と意味を持つ「だらやなあ」と笑う信三の姿も・・・信三にもう一度、生きることに目を向けさせたきっかけは何だったのか…ぜひ劇場、能登の今を知り、能登に想いを馳せ、能登の未来に寄り添っていただきたい。

予告編
鹿賀丈史 コメント

昨年の元旦に能登地方を襲った大地震、そしてその後に起こった水害、
この2つの災害に能登の人々がどれだけ心をまたカラダを痛めつけられているのかと思うと気が気ではありませんでした。
そういう想いをしている時に、宮本亞門さんから、能登の現状やそこに生きる人を描いたショートフィルムを撮りたいというお話を頂き、
即参加したいという意思を伝えました。
少しでもこのショートフィルムで能登の方々が、元気になってもらえたらと思い撮影に挑みました。
撮影自体は亞門さんの想いの強さもあり、丁寧に丁寧に撮影を重ねました。
このショートフィルムを通じて、観ていただいた方が少しでも強く生きていくということを感じていただけたら、これ以上幸いなことはありません。

常盤貴子 コメント

宮本亞門さんが能登のために立ち上がってくださる。
私にできることがあるなら何でもしたいと思いました。
とてつもなく明るく、いつもあたたかく、愛に溢れた現場でした。
それもそのはず。
スタッフも、キャストも、みんながみんな、能登を思っての参加だったから。
亞門監督、今の能登を撮影してくださり、ありがとうございます。
今しか撮れないこの景色を胸に、復興へ向かって歩んでいきたいと思います。

宮本亞門(監督・脚本・企画)コメント

能登の被災者が「元旦の震災、今度はこれか。まだ頑張らなきゃいかんのか」と語り、
現地の女性が「突然、やることも目標も消える…こんなに辛いことはない」と呟いた言葉に、深いやるせなさを感じました。
だから私は願います。命ある限り、諦めないでほしい。1日1日を生き抜けば、きっと希望が見える。
その思いで30年ぶりにメガホンを取りました。
この作品が、皆さんが「生きがい」を見つめ、心にそっと寄り添えますように。

『生きがい IKIGAI』は6月20日(金)より石川県で先行公開、7月11日(金)よりシネスイッチ銀座ほかで順次公開
脚本・監督・企画:宮本亞門
出演:鹿賀丈史、根岸季衣、小林虎之介、津田寛治/常盤貴子
配給:スールキートス 配給協力:フリック
© 「生きがい/能登の声」フィルムパートナーズ