阿部寛主演の日本×台湾共同製作映画『キャンドルスティック』の本編映像が解禁された。
天才ハッカー・野原(阿部寛)は、ハッキングによる株価操作の罪で刑務所に収監されていた。そんな彼の前に現れたのはFXトレーダーの杏子(菜々緒)。一方、サイバー大国・台湾のリンネ(アリッサ・チア)は、野原の卓越した技術を利用し、FX市場で巨額の利益を得ようと企む。その作戦とは、金融取引の番人である「AIを騙す」こと――。決行日は、日本に新天皇が誕生し、金融機関が最も警戒を緩める2019年5月某日。杏子は野原に、自らと同じ「共感覚」を感じ取り、計画をサポートすることを決意。そして、かつての仲間たちも次々と呼び戻されていくのだが…。本作で描かれるのは、「騙し、騙され」金が巡る世界の縮図。日本、台湾、イラン、ハワイ――世界4か国6都市を舞台に、美しき男女が仕掛けるスリルと策略が交錯するマネーサスペンス。罠にはめられ、すべてを失った元・天才ホワイトハッカーで“AIを騙す”計画の発案者・野原を演じるのは阿部寛。FXトレーダーで、野原にも自分と同じ共感覚を感じ、計画をサポートする杏子を菜々緒、杏子の元夫で数学者の功を津田健次郎が演じる。
今回、6月11日に54歳の誕生日を迎えた津田健次郎が登場する本編映像が解禁された。声優として圧倒的な支持を集める一方で、俳優としても着実に活躍の幅を広げている津田健次郎。低音の美声に加え、舞台仕込みの確かな演技力、そして“あの声の人がこんな表情を…”と驚かされるほどの存在感だ。アニメ、映画、ドラマとジャンルや世代を超えて多くのファンを魅了し続けている。そんな津田が演じるのは、ヒロイン・杏子(菜々緒)の元夫であり、数学者の功。天才プログラマー・野原(阿部寛)と出会った杏子が新たな恋に踏み出す中、功はその関係を静かに受け入れ、自らと向き合っていく役どころ。
今回解禁された映像では、杏子との別れを経た功が学習塾で授業を行う様子が描かれる。ホワイトボードに数式を走らせながら、自ら考案した「フルーツ理論」について熱く語る功。しかし、生徒から「先生、それってテストに出るんですか?」と問われると、「出ないよ」と返答し、淡々と授業を続けていく。感情を抑えながらもどこかコミカルにも感じる知的な深みと哀愁を併せ持つこの役どころは、まさに津田の真骨頂。セリフは少なめながらも、佇まいだけで観る者を引き込んでいくその存在感がたまらない内容となっている。
本作で長編映画監督デビューを飾る米倉強太監督は、現場での津田について「津田さんは感情の入れ方がすごく上手で、毎テイクごとに演技が変わる。でもその変化があまりにも自然だから、編集が困るくらい全部OKにしてしまう(笑)津田さん=声優のイメージが強かったけれど、それはほんの一面で、津田さんは“俳優“そのものでした」と熱く語る。
映像で功が唱える「フルーツ理論」は、やがて物語の核心へと繋がっていき、為替市場を動かすAIに挑むための“鍵”として機能。予想外の知的トリックと逆転劇を巻き起こしていく。功の静かな佇まいが、野原や、杏子、さらに世界をも揺るがす展開へと繋がっていく——。津田健次郎がその高い演技力で体現する“色気”と“知性”、そして“影”。そのすべてがこの役に凝縮された津田の魅力を映画『キャンドルスティック』で目撃してほしい。
本編映像
『キャンドルスティック』は2025年7月4日(金)より新宿バルト9ほか全国で公開
監督:米倉強太
出演:阿部寛、菜々緒、アリッサ・チア、サヘル・ローズ、津田健次郎、リン・ボーホン、YOUNG DAIS、マフティ・ホセイン・シルディ、デイヴィッド・リッジス、タン・ヨンシュー
配給:ティ・ジョイ
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