『近畿地方のある場所について』の近畿プレミアが7月16日(水)にクリエイティブセンター大阪<“近畿地方のある場所”>で行われ、菅野美穂、赤楚衛二、白石晃士監督が登壇した。
発行部数40万部突破の話題の小説「近畿地方のある場所について」(著者・背筋/KADOKAWA)を実写映画化した本作。2023年1月、Web小説サイト・カクヨムに第一話が投稿されると「これは本当に虚構のストーリー?」「その場所は実在するのではないか」など様々な反響がSNSで拡散され、小説の世界観に引きずり込まれた読者の間で、熱を帯びた議論が巻き起こり、2,200万PVを超えるヒットを記録。同年8月に単行本化されると「このホラーがすごい!2024年版」で第1位を獲得するなど読者を魅了し続ける異色作。これまでのキャリアの中でも異色の役どころに挑戦となる菅野美穂と赤楚衛二をW主演に迎え、白石晃士が監督を務める。さらに監督の大ファンであり、著作への影響も受けているという原作者・背筋も自ら脚本協力として参加する。
本プレミアは、公式サイトとSNSにて公開された<社名が伏せられたある新聞社による報告書>をもとに、謎のプレミア会場を導き出せた方の中から抽選で88人のみが参加できる《場所ミステリー》型のイベントとして実施。謎解きの難解さからSNSでは考察が飛び交い、開催前から大きな注目を集めていたが、16日(水)夜のプレミア閉幕をもって、会場が大阪市にある「クリエイティブセンター大阪」であることが明らかになった。謎解きの正解と解説は、現在公式サイトと 公式Xにて公開中だ。
物語の舞台となる “近畿地方のある場所”で開催された本プレミアは、開催場所自体がクイズになっており、謎を解かないと参加できない仕掛けと、その難易度の高さで大きな話題に。一時は正解者が現れない可能性も囁かれていたが、実際には当選88名を大幅に上回る正解者からの応募があり、大反響を呼んだ。舞台挨拶に登壇した菅野は「私も挑戦してみたんですけど、謎解き資料の1つ目に、“こ”が多かったんですよ。それが何か鍵になるのかなと思ったんですけど全く違いまして。もう本当に謎解き“わかんのかんのかんのみほ”でした(笑)なので、あの謎解きを解いてきてくださるとは、みなさん素晴らしいですね!ものすごく背筋の凍る思いになる作品になっていると思いますので、ぜひホラーに興味がある方だけでなく謎解きが好きな方にも、どうぞ周りの方に勧めていただけたら嬉しいです!」と、笑いを誘いながら、会場に辿り着いた当選者たちを称賛。自身でも謎解きに挑戦してみたという赤楚が「やっぱり解かれたのは関西の方が多いんですかね?」と当選者たちに問いかけると、会場の至るところから手が挙がり、関西の方がたくさん謎解きに正解しているらしきことも判明した。
また、今回のプレミアのために久々に大阪を訪れたという菅野と赤楚。「大阪といえば?」という質問には、菅野は「大阪万博です。GWに行ってきたんですが、また行けたらいいなと思っています。抽選はかなり外れてしまったんですけど、その場で楽しめることがあってよかったです」、赤楚は「USJです。もう9年くらい行けてなくて、色々ガラッと変わっているみたいなんですけど、なかなか一緒に行ってくれる友達がいないので友達募集中です!」、白石監督は「梅田のはなだこというたこ焼き屋に大体毎回行っていて、好きです」と、それぞれの大阪での思い出を語った。
ついに世界最速上映を迎える本作について、一足早く完成版を鑑賞している菅野は「本当にものすごく怖いです。でも怖すぎて笑っちゃいました。人は怖さが臨界点に達すると笑いに転ずるんだなと、他の作品にはない経験をしました」とコメント。赤楚は「本当に怖かったけど、ただ怖いだけではなく、気持ち悪さや陰鬱とした感じ、びっくりする怖さもあって、いろんなジャンルの怖さが楽しめます。何よりひと一括りのジャンルで表せない色んな描写もあったりするので、何度でも楽しめる作品になっているんじゃないかと思います」と、確かな手応えを明かす。
さらに白石監督が「ここで1回見終えた後に、もう1回見たくなるのではと思います。2回見たらまた違った楽しみ方ができ、3回見るとより深い味わいが出てくる作品だと思うので、ぜひ二度三度楽しんでいただけたらと思います」とコメントすると、菅野が「謎解きの要素も散りばめられているそうで、私も気付かなかったこともあったので、次に見るときはどこにトリックがあるのか探しながら見たいなと思っています。回を重ねていただいても楽しんでいただけると思います!」と裏話を明かした。続く赤楚も「僕ももう1回見たいですね!1回目はどうしても小沢目線で見てしまったので、次は千紘さん目線で見る楽しさもありますし、俯瞰して2人を見守るポジションからも楽しめると思います。見方によって全然受け取り方が違うと思うので、リピートしたい作品です」と、キャスト自身何度でも見たい作品であることをアピールした。
白石監督は、そんなW主演キャスト2人の言葉に満足そうに笑顔を浮かべながら、それぞれのキャスティング理由について、「好きだからです!」と即答。「菅野さんの明るさ、そして赤楚さんの愛嬌のある母性本能をくすぐる感じといった、お二人の親しみやすさが、ホラーですけどこの作品に合っていたことから、その魅力を発揮していただけたらなと思ってキャスティングしました」と、起用の決め手を熱弁していた。
本作では、行方不明になったオカルト雑誌編集長の失踪事件の調査を進める中で、”近畿地方のある場所“に導かれていくオカルトライター・千紘を演じた菅野。自身もホラー映画好きと公言する菅野だったが、千紘役については「ホラー作品が本当に久しぶりで、自分で準備していたものを現場で提案するというよりは、監督が思い描いていることに寄り添うというか、監督がおっしゃることをそのままできたらいいなと思って現場にいました。みなさんに怖がっていただけるように、ドアノブに手をかける1つの所作にもホラーの見せ方があるなと思い、興味深かったです」と思い入れの強さを語った。そんな千紘と共に行動を共にしていくうちに、“ある場所”の謎に魅せられていく雑誌編集者・小沢を演じた赤楚は「今まで経験したことのないこともやらせていただいているので、人生で経験したことがないからこそ難しかったです。白石監督に直接演じ方を教えてもらったりもしたんですけど、監督のお芝居が上手すぎて、『こうやればいいんだ!』と思えて大変助かりました」と、キャラクター作りの裏側を語った。
幼女失踪、中学生の集団ヒステリー事件、都市伝説、心霊スポットでの動画配信騒動など、過去の未解決事件や怪現象の数々が、 “近畿地方のある場所”へとつながっていく本作。劇中でも登場するオカルトや都市伝説といった要素について、菅野は「信じています。ネッシーはそろそろ諦められるんですけど、ツチノコとケサランパサランはまだ見たことのないだけで、信じています!」と目を輝かせ、赤楚は「僕も特にチュパカブラにはいてほしいと思います。響きも好きです!」と熱弁し、これには白石監督も「UMA(未確認生物)が多いですね!」と大興奮の様子だった。
多くの謎に包まれた本作につい楽しみ方を問われると、菅野は「“怖さの幕の内弁当”みたいなところがありまして、どんな怖さがお好きな人もきっとハマると思うので、楽しみにしていただきたいなと思います。私は劇中の『見たら死ぬ動画』がものすごいインパクトで、監督のお言葉をお借りするなら、良質なトラウマだと思います」と、パワーワードが飛び出すほど作品を大絶賛!そして本作のように、怖い映画を一人で観ることはあるか?という質問には、菅野は「私は大丈夫で、家で1人で見たりもします」と話し、赤楚も「僕も家族と住んでいる時も、夜中に1人で見ていました」と、W主演揃ってホラー耐性の強さを見せていた。
イベントの最後には、3人からそれぞれ映画を楽しみに待つファンへメッセージが贈られた。
菅野は「本当に暑い暑い夏ですので、この映画をご覧になって、ぞっくりと涼しい気持ちで過ごしてもらえるといいなと思います。104分間、たっぷり恐怖を味わってください」、赤楚は「この作品は原作を元に作られているんですけど、原作を読まれている方も読まれていない方もすごく楽しめると思います。まずは本当にフラットな状態で見て、この作品が“ある場所”へ誘ってくれるので、それを楽しんでいただけたらと思います」、白石監督は「今日はあの難しい問題を解いた方々が集まっているので、ついつい色んなこと考えついてしまうかもしれないんですが、1回目ですのでまずは何も考えずに、ジェットコースターに乗ったつもりで翻弄されていただけたら、1回目の楽しみ方としては一番いいんじゃないかなと思います。ごゆっくりお楽しみください!」と作品の魅力を力強く語った。
【提供写真、オフィシャルレポート】
『近畿地方のある場所について』は2025年8月8日(金)より全国で公開
監督:白石晃士
出演:菅野美穂、赤楚衛二
配給:ワーナー・ブラザース映画
© 2025「近畿地方のある場所について」製作委員会