宮本亞門が地元の人々の声を聞き、言葉に触れ、復興の想いを募らせることで生まれたショートフィルム『生きがい IKIGAI』の本編冒頭映像が解禁された。

甚大な被害を生じた地震から8カ月後、豪雨という再びの災害に見舞われた能登。能登半島地震の震源域に近く地震で大きな被害があった奥能登地域を襲った2度目の災害―。ミュージカル、ストレートプレイ、オペラ、歌舞伎などジャンルを越える演出家として国内外で幅広い作品を手がける宮本亞門は、能登でのボランティア活動に参加、想像を超える被害と復興の遅れを目の当たりにした。宮本が地元の人々の声を聞き、言葉に触れ、復興の想いを募らせることで生まれた本作。撮影のメイキングをきっかけに訪れた能登で、人々の声を収めるうちにドキュメンタリー作品として生まれた『能登の声 The Voice of NOTO』(監督・編集:⼿塚旬⼦)を併映とし、北陸能登復興支援映画『生きがい/能登の声』として公開される。

今回、本編冒頭映像が解禁された。甚大な被害を生じた地震から8カ月後、豪雨という再びの災害に見舞われた能登。能登半島地震の震源域に近く地震で大きな被害があった奥能登地域を襲った2度目の災害―。災害後多くの家が倒壊し、現地のレポーターが「生存率が下がるとされる発生後72時間まであと1時間」と報道し、緊迫する被災現場。倒壊した家の下敷きになっている被災者を助けようと懸命に活動を続ける中、自衛隊が「生きてるぞー!」と声を上げる。周囲から拍手が湧き起こる中、崩壊した家の下から救出された主人公・元教師で「黒鬼」と呼ばれる信三(鹿賀丈史)。

ふらつく足取りで、自衛隊の手を借りながら一歩ずつ進む信三。「大丈夫ですか?」という声がけに、「わしに構うな!!」と激しい剣幕で手を振り解く。泥が張り付き、凄まじい形相の信三に周囲は静まり返り、信三をとらえる報道カメラのフラッシュの音が際立つ。心配する周囲の声も聞こうとせず、助け出された泥だらけの姿で信三はその場から去ってしまう―。元教師の信三は、仕事も退職し、唯一の理解者だった妻(常盤貴子)を病気で失い、生きる希望を失っていた。心を閉ざした信三が、もう一度生きることに目を向けさせたきっかけとは…。

本編映像

『生きがい IKIGAI』は公開中
脚本・監督・企画:宮本亞門
出演:鹿賀丈史、根岸季衣、小林虎之介、津田寛治/常盤貴子
配給:スールキートス 配給協力:フリック
© 「生きがい/能登の声」フィルムパートナーズ