「週刊ビッグコミックスピリッツ」(小学館)で連載中の真造圭伍原作『ひらやすみ』のアニメ化&実写ドラマ化が決定した。

原作者の真造圭伍は、東京造形大学在学中に『なんきん』でデビューし、その後『森山中教習所』で連載デビュー。これまでに『ぼくらのフンカ祭』、『トーキョーエイリアンブラザーズ』など人気作を多数連載していました。2012年12月には「平成23年度 第16回文化庁メディア芸術祭マンガ部門」新人賞を受賞し、注目の漫画家として活躍している。そんな真造の代表作の一つである『ひらやすみ』の主人公は、定職なし、恋人なし、普通ならあるはずの(?)将来の不安も一切ない、お気楽な自由人のヒロト。彼は人柄のよさだけで、仲良くなった近所のおばあちゃん・和田はなえから、タダで一戸建ての平屋を譲り受ける。

その平屋で山形から美大進学のために上京してきた、18歳の従姉妹・小林なつみと2人暮らしをスタート。何気ない日常の中で、どこか懐かしさを感じる平屋での生活や、おばあちゃん直伝の四季の料理がほんのりと彩りを添えていく。いつしかヒロトの周りには仕事や人間関係、将来への漠然とした不安など、生きづらい“悩み”を抱えた人々が集うように。周りの人々にとって、ヒロトは気づけば心を休められるあたたかな居場所のように映る。気ままなヒロトの生き方や阿佐ヶ谷を中心とした下町の風景が、多くの読者の心に強く響き、共感を生みました。日々の忙しさを忘れ、ぽかぽかとした陽気に縁側でほっと一息つくように読者の日々にそっと寄り添う。

今回、アニメ化&実写ドラマを記念して、真造による描き下ろしイラストが到着した。描かれたのは、平屋の庭で屋根よりも高く咲いたひまわりの前で、大きな笑顔でジャンプするヒロトと、誇らしげな表情を見せるなつみ。同じダブルピースでも、お気楽なヒロトと勝気ななつみの性格が、この1枚にギュッと詰め込まれた。また、季節の空気感を、“ゆるさ”と”あたたかみ”で表現したイラストは真造ならでは。さらにフルアナログだからこその水彩の滲みやホワイトでの色塗りなど、手触りが感じられるイラストに仕上げられた。また、原作者・真造圭伍からは「アニメ化、ドラマ化とっても嬉しいです!!完成作品を観るのを楽しみにしています!!」とコメントが到着している。

アニメ『ひらやすみ』のアニメーション制作は新進気鋭のスタジオのProduction +h.が手掛ける。2020年に設立され、Netflixオリジナルアニメ『地球外少年少女』や映画・アニメシリーズ版『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』と立て続けに話題作を生み出し、少年少女を中心とした登場人物の感情の揺らぎや葛藤を丁寧に描いてきたProduction +h.が、本作でもヒロトやなつみたちを表情豊かに描く。Production +h.は、これまでも背景を始めとした世界観を精密に再現することでも高い評価を得ており、真造が生み出した阿佐ヶ谷をはじめとした下町で生きる人々のあたたかな営みを感じられるように真摯に再現していく。

実写ドラマは、話題作の続くNHK「夜ドラ」枠にて今秋放送される。「夜ドラ」枠は22時45分から15分間、月曜から木曜まで放送。毎朝放送している連続テレビ小説「朝ドラ」のように、夜寝る前の15分という短い時間、NHKのドラマでほっとしてもらうという放送枠。現在放送中の『あおぞらビール』のほか、これまでも『ワタシってサバサバしてるから』『バニラな毎日』『作りたい女と食べたい女』など、ジャンルは違えど、登場人物たちの等身大の日常を、ときにコミカルに、ときにおだやかに描いてきた。『ひらやすみ』が持つ優しくあたたかな世界観を、実写ドラマとして、一日の終わりに届ける。

『ひらやすみ』
著者:真造 圭伍
出版社:小学館
連載誌:週刊ビッグコミックスピリッツにて絶賛好評連載中
既刊:8集(2025年6月時点)
次集となる第9集は7月30日刊行
©︎真造圭伍/小学館