『コードネーム U.N.C.L.E.』スパイ研究家・落合浩太郎 (2)

ガイ・リッチー監督最新作で、1960年代の人気テレビシリーズ「0011ナポレオン・ソロ」を新たな視点で描いたスパイ・サスペンス・エンターテインメント『コードネーム U.N.C.L.E.』の公開を前に10日(火)、都内で「CIA失敗の研究」の著者でもある落合浩太郎を迎えてマル秘スパイ講座付き試写会が開催された。

『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』や『キングスマン』が既に公開され、12月には『007 スペクター』の公開が控える2015年。落合先生は「2001年に同時多発テロが起きてからスパイを題材とする作品は多くなった気がする。実際のスパイ活動も頻繁になったし、なにより世間の関心も増えた」とコメント。

CIAとKGBが協力して世界を救うというストーリーについて、落合先生は「普通はありえない」とコメント。劇中ではアーミー・ハマーが演じるKGBスパイのイリヤ・クリヤキンが一番リアルとしながらも、一方でヘンリー・カビルが演じるCIAスパイのナポレオン・ソロのようなイケメンスパイはいないと言い、その理由を「スパイは目立ってはいけないので、基本的に美男美女はNG」と説明した。

本年度だけでもいくつもの作品が公開されるなど、”スパイ”というジャンルが定着するほどたくさんの作品があるが、たいていの国ではスパイ組織が存在し、日本はスパイ組織がないめずらしい国ということで、「実際にいるとしたら、例えば病院に勤める看護師が政府のお偉いさんのカルテ情報を盗むとか。あとは日本は技術大国なので産業スパイはいるのではないですかね」とコメントした。

「実際のスパイは家族にも身分を隠すのか?」という観客からの質問に、「亡くなるときに実はスパイだったと明かすことは実際にあったそうです」と答え、給料については「基本公務員だから安い。でも技術スパイは2倍違うでしょうね」とコメントした。

最後に、本作について「わかりやすく、しっかりエンターテイメントなのにシリアスな部分もあり、リアルなスパイの世界が描かれている。ガイ・リッチー的な粋な台詞と音楽もとにかく最高」と絶賛した。

『コードネーム U.N.C.L.E.』スパイ研究家・落合浩太郎 (1)

映画『コードネーム U.N.C.L.E.』は2015年11月14日(土)より新宿ピカデリー、丸の内ピカデリーほか全国で公開!

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