『園子温という生きもの』初日舞台挨拶 (3)

鬼才・園子温に密着したドキュメンタリー映画『園子温という生きもの』が公開初日を迎えた14日(土)に新宿シネマカリテで舞台挨拶が行われ、大島新監督が登壇した。

常に時代を挑発し、世の常識に疑問符を投げかける映画監督・園子温。本作は、2015年には『新宿スワン』『ラブ&ピース』『リアル鬼ごっこ』『映画 みんな!エスパーだよ!』と4本の新作が公開されるなど、“日本で最も多忙な監督”となった園子温に、376日間密着したドキュメンタリー映画。監督を務めるのは、父に映画監督・大島渚を持つ大島新。

2014年に「情熱大陸/園子温」(MBS)を演出し、TVには収まりきらないと思い撮影を開始したという大島監督だが「もっとおもしろいだろうなと思いました」と撮影前に思ったと明かし、「お酒をたしなむどころか大暴れだったのでしめしめと・・・」とドキュメンタリー作家としての感想を語った。

本作では、園子温が『ひそひそ星』の撮影を福島で行っている様子を追っているが、大変だったことについて「福島では撮影時間が限られていたので、横にいて取材するのが若干ストレスだったと思う」と感じたという。園は本作について「最初は嫌だったようで片方の目を閉じて見ていた」と振り返る。また、園に最近会ったという大島監督は「おれが嫌だって思うシーンに限っておもしろいって言うんだよな」と言っていたといい、「これは成功したな」と思ったと語った。

本作の見どころについては「神楽坂さんのインタビューですね。ただのインタビューとしてやっていたのが、途中からドキュメンタリー的になっていく。このシーンは大事にしていますし、あえて長くとりました」とコメント。

また、撮影前と撮影後に園との関係は変わったかと聞かれ、大島監督は「あまり変わっていない。普通は距離が縮まるけど、園さんは微妙な距離感で、仲の良い友人関係になれた感じは全くない。信頼関係はあると思うけど、肩を叩き合うような関係ではない」と語った。

園の魅力については「表現することへの飽くなき欲望には頭が下がる。僕自身もものづくりをしている端くれですけど、園子温は貴重な存在」と謙遜しながらも尊敬している様子を語り、「表現することを考え、志している若い人にはぜひ見てほしい」とメッセージも送った。

また、同日に園子温監督最新作『ひそひそ星』が公開されている。

『園子温という生きもの』初日舞台挨拶 (1)

『園子温という生きもの』初日舞台挨拶 (2)

『園子温という生きもの』ビジュアル

映画『園子温という生きもの』は2016年5月14日(土)より新宿シネマカリテにて公開!

監督:大島新
出演:園子温、染谷将太、二階堂ふみ、田野邉尚人、安岡卓治、エリイ(Chim↑Pom)、神楽坂恵
配給:日活
2016年/日本/97分

©2016「園子温という生きもの」製作委員会