『アイヒマンを追え! ナチスがもっとも畏れた男』ポスタービジュアル
『The People vs Fritz Bauer(原題)』が『アイヒマンを追え! ナチスがもっとも畏れた男』の邦題で2017年1月より全国で公開されることが決定した。

長らく封印されていたナチス・ドイツ最重要人物“アドルフ・アイヒマン”拘束に関する<極秘作戦>の裏側の真実を濃密かつサスペンスフルなタッチで描いた本作。ドイツ映画賞で作品賞、監督賞、脚本賞など最多6冠に輝き、世界中の映画祭で話題となり、ドイツやヨーロッパ公開時に多くの動員を記録した。第二次世界大戦後、数多くの重要戦犯が海外へ逃亡し、ナチス・ハンターによる執拗な追跡作戦が繰り広げられたが、そのうち最も悪名高きナチス戦犯のひとりが、600万人を強制収容所へ移送させたアドルフ・アイヒマンだった。その後、1960年に潜伏先のアルゼンチンでイスラエルの諜報機関モサドに拘束され、翌年エルサレムの法廷へと引きずり出され世界中に中継された“アイヒマン裁判”は当時の人々に衝撃を与えた。

ドイツの気鋭監督ラース・クラウメが手がけた本作は、モサドによる捕獲作戦を実現へと導いた陰のヒーローというべきひとりのドイツ人・検事長フリッツ・バウアーにスポットを当てた実録ドラマ。歴史上極めて重要なこの人物は、いかにして消息不明のアイヒマンを発見し、追いつめていったのか。主演は『ブリッジ・オブ・スパイ』『ヒトラー暗殺、13分の誤算』などドイツだけではなくハリウッドでも活躍しているドイツ映画界の大スター、ブルクハルト・クラウスナー。共演に『あの日のように抱きしめて』『東ベルリンから来た女』などに出演し女性からの人気も高いロナルト・ツェアフェルト。さらにドイツ内外で活躍する俳優たちが揃った。

今回解禁されたポスタービジュアルは、“アイヒマンを追う迷路”のように画面を錯綜するハーケンクロイツの奥で輝く検事長フリッツ・バウアーの鋭い眼光が印象的な仕上がりとなっている。緊迫のサスペンスドラマを思わせるスリリング感が満載で、本編の緊張感が伝わってくるようだ。

1950年代後半のドイツ・フランクフルト。検事長フリッツ・バウアーはナチスによる戦争犯罪の告発に執念を燃やしていたが、未だ大勢の元ナチス党員が政治の中枢に残りあらゆる捜査は遅々として進まなかった。そんなある日、バウアーのもとに数百万人のユダヤ人を強制収容所送りにした親衛隊中佐アドルフ・アイヒマン潜伏に関する手紙が届く。アイヒマンの罪をドイツで裁くため、ナチス残党が巣食うドイツの捜査機関を避け、イスラエルの諜報機関モサドにコンタクトをとりアイヒマンを追い詰めていく。しかしその頃、フランクフルトではバウアーの敵対勢力が、彼の失脚を狙って狡猾な謀略を巡らせていた―。『顔のないヒトラーたち』前日談的エピソード。

映画『アイヒマンを追え! ナチスがもっとも畏れた男』は2017年1月よりBunkamura ル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国で公開!
監督:ラース・クラウメ
出演:ブルクハルト・クラウスナー、ロナルト・ツェアフェルト、リリト・シュタンゲンベルク、イェルク・シュットアウフ、セバスチャン・ブロムベルク
配給:クロックワークス/アルバトロス・フィルム
2015年/ドイツ/105分
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