世界が注目する芸術家ジャコメッティの苦悩と素顔を描いた映画『Final Portrait(原題)』が2018年1月より全国で公開されることが決定した。

没後50年を過ぎ、今世界で再び注目されている芸術家アルベルト・ジャコメッティが最後の肖像画に挑んだ様を描いた本作。最後の肖像画を制作する過程で苦悩する芸術家としての姿を描く一方で、周囲の人々との関係から見えてくるジャコメッティの意外な素顔を描く。『トランスフォーマー』シリーズ、『プラダを着た悪魔』などで俳優として確固たる地位を築いているスタンリー・トゥッチによる5作目の監督作。トゥッチは、昔から大好きだったジャコメッティをテーマにした最初の脚本を十年以上前に完成させ、以来温められていたこの企画は、ジャコメッティの没後50年に当たる昨年、撮影が始まった。ジャコメッティ役に、『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズのバルボッサ役でも知られるジェフリー・ラッシュ、そして彼のモデルとなるジェイムズ・ロード役を『ソーシャル・ネットワーク』、『コードネーム U.N.C.L.E.』のアーミー・ハマーが務める。

今回公開した場面写真は、ジャコメッティとロードがアトリエでキャンパスを前に並んでいるものと、同じくアトリエで彫刻制作に励むシーンのもの。残された多くの写真から忠実に再現したというアトリエの様子や、制作活動に打ち込むジャコメッティになりきってしまったジェフリー・ラッシュの姿を確認することができる。

スイス出身で、パリで活躍したジャコメッティは、長く引き伸ばされたような人物の彫刻作品で知られている。その一方で、本作で焦点を当てる肖像画のように絵画なども手掛けていた。生前から高く評価されていたジャコメッティは、100スイスフラン紙幣に肖像が使われるほどの人気を誇っている。没後50年を過ぎても、その人気は翳りを見せるどころか加速しており、今年に入ってからも、世界中のアートファンがは訪れたいと願うロンドンのテート・モダンや、カタールのドーハでは、親交のあったピカソ作品と共同で展覧会が開かれた。

そして、6月14日(水)からは、日本で大回顧展がスタートする。国立新美術館を皮切りに開催される「ジャコメッティ展」では、初期から晩年まで、彫刻、油彩、素描、版画など、選りすぐりの約130点の作品が展示される。今まさに世界中から脚光を浴びる芸術家・ジャコメッティ。トゥッチが描く本作にも期待がかかる。「ジャコメッティ展」は、6月14日(水)~9月4日(月)に国立新美術館で開催された後、10月14日(土)~12月24日(日)に豊田市美術館で開催される。詳しくは 「ジャコメッティ展」公式サイトにて。

ジャコメッティが挑んだ最後の肖像画 そこには彼の人生が詰まっていた―。1964年、パリ。「肖像画のモデルになって欲しい」。ジャコメッティ(ジェフリー・ラッシュ)にそう頼まれたアメリカ人青年のジェイムズ・ロード(アーミー・ハマー)は、喜んで引き受けた。しかし、すぐに終わると言われた画の制作は、ジャコメッティの苦悩により、一日一日と伸びていく。そして、ロードはジャコメッティの意外な顔を次々と見ることになるが―。

「ジャコメッティ展」
展示作品“歩く男Ⅰ”

映画『Final Portrait(原題)』は2018年1月よりTOHOシネマズシャンテほか全国で順次公開!
監督・脚本:スタンリー・トゥッチ
出演:ジェフリー・ラッシュ、アーミー・ハマー、クレマンス・ポエジー、トニー・シャルーブ、シルヴィー・テステュー
配給:キノフィルムズ
© Final Portrait Commissioning Limited 2016