辻本貴則監督、押井守

フルCG長編アニメーション映画『バイオハザード:ヴェンデッタ』の大ヒット記念トークイベントが6月13日(火)に新宿ピカデリーで行われ、辻本貴則監督と“師”である押井守監督が登壇した。

今回行われた公開後となるイベントには、本作の辻本貴則監督と、辻本監督が“師”と仰ぐ『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』などの押井守監督による熱いトークが繰り広げられた。

“師”である押井は「辻本がお世話になってます。ふつつか者ですが、やっとこれで男になったかな?」と挨拶。辻本監督は「僕は、小4で『うる星やつら』を見たので、そんな押井監督が僕の映画のトークイベントでゲストに・・・」と感慨深げに語った。本作の制作中も「本当はいけないんだろうけど、ちょこちょこ相談して、(シーンを)見てもらっていた」という辻本監督だが押井は、そこで見せられた時は口に出さなかったダメ出しがあったと言い、ゾンビ化したドーベルマンが登場するシーンについて「動きじゃなく、モデリングの部分なので、どうせこの段階では手遅れだと思って言わなかった・・・」と告白。「本物のドーベルマンを見れば、あの足の太さはない。太すぎる」と犬好きで知られる押井ならではの指摘を口にした。

押井はYouTubeで「バイオハザード」ゲーム実況を「死ぬほど見て」かなり詳しくなっているようで、その理由について「動きの快感原則の新しい可能性を感じたから」と説明し、さらに「普通のゲームでは、格闘は格闘、銃撃は銃撃だけど、これはパンチやキックに銃器が絡む。新しいモーションの原則を見出した」と語った。辻本監督が「(押井が)次(の『バイオハザード』の監督)を狙ってる匂いがする(笑)」と指摘すると、押井は「狙ってないけど、オファーが来たら絶対に断らない(笑)」と笑いを誘った。

さらに、押井版バイオハザード映画の構想について「オヤジ2人の映画にするつもりはない。(主人公は)やっぱりジルでしょ!(女性キャラの中で)2位、3位がないくらいダントツです。でも、もうひとり対になるキャラクターも必要。それは男じゃない。女性主人公の相手が男だと、どうせ恋愛関係になるんでしょって見られる。それがイヤ。相手役も女性にしてバリバリハードにしたい。ヘレナがいいですね。理想としては敵も女性がいい。(主要キャラが女性だと)“母性”も絡んできて、奥行きが出る」と本作のことをそっちのけで熱く語り、場内は笑いに包まれた。

シリーズ累計販売本数7100万本を超えるサバイバルホラー・アクションゲーム『バイオハザード』の世界観をベースに、歴代ゲームに登場したキャラクターや、不気味な存在を醸し出すオリジナルの新キャラクターたちが、予測不可能なバトルを繰り広げる本作。昨今の“ゾンビブーム”の原点となる『バイオハザード』シリーズをハイクオリティCG技術で描く、最新のフルCG⻑編アニメーション映画となっている。

辻本貴則監督

押井守

映画『バイオハザード:ヴェンデッタ』は全国で公開中!
監督:辻本貴則
配給:KADOKAWA
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