永井豪原作アニメーション作品を映画化した『劇場版マジンガーZ(仮題)』の特別イベントが「アヌシー国際アニメーション映画祭」で行われ、オープニングテーマやストーリーが解禁された。

1970年代一世を風靡した巨大ロボットアニメが45年ぶりに復活する。70年代にテレビ放送され、最高視聴率30%を超える大ヒットを記録したアニメ「マジンガーZ」。合体・乗り込み型ロボットアニメの元祖として多くの男の子に夢と希望を与えた。その後もヨーロッパ、中南米など世界中で放送され、各国のSFロボットアクションに影響を与え、いまだに熱狂的なファンがいるという日本のアニメ文化を代表する作品。

今回、世界最大規模のアニメ映画祭として名高い「アヌシー国際アニメーション映画祭」に永井豪がメインゲストの一人として招待され、本作の特別イベントが開催された。会場は、日本アニメ世界進出の先駆者であり、欧州で根強い人気を誇る「マジンガーZ」と、“伝説の漫画家”永井豪の登場に沸き立った。

映画祭の一番大きな940名のキャパシティを誇るメイン会場・ボンリューにて、世界的に注目を集める作品の制作過程・メイキングをいち早く披露する「Making of」というプログラムで、ファン待望の最新情報が紹介された。70年代のTVアニメ放映当時に、驚異的な視聴率を叩き出し、その後もマジンガーZの巨大立像や様々な展示会が行われ続ける伝説の地・ヨーロッパで、絶大な人気と知名度を誇る「マジンガーZ」生みの親である原作者の永井豪が招待され、フランス・アヌシーの地に降臨。今年画業50周年を迎える永井は、同映画祭初参加を果たした。

熱気溢れる中、フィギュアやグッズを大量に買い込んだファンや、「マジンガーZ」や「グレンタイザー」のTシャツを着た熱狂的なファンが集まるその観客席に、なんと『パシフィック・リム』監督のギレルモ・デル・トロがサプライズで参加。突然の登場に観客が喜ぶ中、永井豪先生が観客席へと現れ、ギレルモの持参したノートにマジンガーZのイラストとサインを直筆。ギレルモは大興奮で「サンキュー!アリガトウ!」と大きな抱擁をかわし、感激の笑顔でガッツポーズをとっていた。

イベントでは、本作のプロデューサーである永井一巨と東映アニメーションの金丸裕が登壇し、本作を製作することになった経緯や、本作ストーリーなどの最新情報を発表。さらに世界初公開となる特別映像が放映されると、会場が震える程の鳴り止まない拍手と歓声で、観客達の熱気がピークに達した。続けて永井豪が登場すると、会場中がスタンディングオベーション。「アヌシー初めてですが、暑いですね(笑)蒸すような暑さの中で、熱いアニメファンの気持ち伝わってくる、開かれた映画祭という印象を持ちました」と挨拶。

本作について永井は「当初より、今の世の中の方がマジンガーZが活躍するのにふさわしいと思います。未来に対する混乱を感じながら、強い力で平和を取り戻す為のヒーローを求めている空気があると思う。僕自身は45年前に作ったときもその当時より先の時代を見てつくっていたので、そういう意味で現代のほうが会っていると思います」と熱く語った。最後に「昔からみた人も、これからはじめて見る人も、キャラクターの魅力を沢山感じていただけると嬉しいです。先ほど、ギレルモさんにマジンガーのような力で抱きつかれて(笑)子供の頃にすごい影響をうけたと感謝されましたが、彼のような素晴らしい才能が新しいマジンガーによって影響を受けて次々と生まれてくることを期待しています。みなさんの中にもそういった才能ある方がうまれることを願っております」とメッセージを送った。

さらに本イベントにおいて、「オープニングテーマ」、「劇中音楽担当」、「ストーリー」が解禁された。
オープニングテーマ
気になる劇場版のオープニング楽曲は、水木一郎が務めることが決定。45年の時を経て再起動する本作のため、みんなの“アニキ”水木一郎が帰ってくる。楽曲は新録。パワーアップして「マジンガーZ」のオープニングテーマが復活する。
劇中音楽担当
劇中音楽は、渡辺俊幸が担当することが決定。渡辺は水木が歌うオープニング楽曲「マジンガーZ」を作曲したことでもお馴染みの、昭和のアニメ・ヒーロー主題歌といえばこの人、特撮音楽界の巨匠・渡辺宙明の子息。自身も数々の映画音楽を担当し、アーティストのプロデュースを手がけてきた渡辺俊幸が、一体どんな音楽をつくりだすのか。親子二代で受け継がれる「Z」の遺伝子に注目だ。
“完全新作”ストーリー
本作のストーリーがついに明らかにされた。TVシリーズ最終回から、世界観を引き継ぐ”完全新作”ストーリーとなる。
かつて悪の科学者Dr.ヘル率いる地下帝国によって滅亡の危機に瀕した人類は、兜甲児が操るスーパーロボット・マジンガーZや光子力研究所の仲間の手によって、悪の野望を阻止し、平和を取り戻した。あれから10年―。パイロットを離れ、祖父や父のように科学者の道を歩み始めた兜甲児は富士山の地中深く埋まった超巨大構造物と謎の生命反応に遭遇する―。新たな出会い、新たな脅威、そして新たな運命が人類を待ち受ける。かつてのヒーロー・兜甲児の下す未来への決断とは。それは神にも悪魔にもなれる―。再び人類の未来を託されたマジンガーZと人々の激闘を描く、壮大なアクション巨編。

映画『劇場版マジンガーZ(仮題)』
監督:志水淳児
原作:永井豪
声の出演:森久保祥太郎、茅野愛衣
配給:東映
©永井豪/ダイナミック企画・MZ製作委員会