直木賞作家・重松清の傑作原作を映画化した『幼な子われらに生まれ』が第41回モントリオール世界映画祭コンペティション部門で審査員特別賞を受賞した。

本作は、44歳の男が元妻、現在の妻、妻の連れ子、元妻と暮らす実娘、そして新しく産まれくる命をめぐって不器用な大人たちが成長していくヒューマンドラマ。重松清の傑作小説を、夫婦別姓、同性婚など、家族のあり方を問うと同時に、つぎはぎだらけのパッチワークのような家族の中で成長していく大人たちをリアリティあふれるタッチで、かつ優しく見守るように描いた作品。主人公・信を浅野忠信、元妻を寺島しのぶ、現在の妻を田中麗奈、さらに田中演じる妻の元夫を宮藤官九郎が演じる。

今回、本作『幼な子われらに生まれ』が、8月24日~9月4日にカナダで開催されていた第41回モントリオール世界映画祭のコンペティション部門でグランプリに次ぐ審査員特別賞を受賞した。同映画祭において9月1日と3日に上映された本作は、本年度のモントリオール映画祭で最高の動員数を記録し、「心に響いた」「泣いた」などの観客からの声が続出。また「私も小さい頃に同じような経験をした事がある」など、国境を越えた普遍的な家族の形を描き、世界の観客を魅了した。

本作の審査員特別賞受賞について審査員は「『DEAR ETRANGER』という題名に呼応するかの様に達者な演者が様々な側面を見せる事で、一見静かにスローに見える冒頭からの30分間に、実は水面下で複雑な緊張が張り巡らされている事に気付かされる。後半に入るとその緊張の糸が切れたり弾けたりして、一体それぞれのエレメントはどこに行くのだろうと思わせる。そこに一貫してイノセントな役柄を通しているのが、一番下の子どもであり、大人の世界で何が起ころうとも動じない。故に対比が一層増幅されるかのようである。英語とフランス語を交えたタイトル『DEAR ETRANGER』はモントリオールの日常にフィットしている」と評価している。

浅野忠信 コメント

とても嬉しいです!モントリオール世界映画祭という大きな映画祭で審査員特別賞をとれたのは、三島監督の粘り強さと三島組という1つの家族の支えがあったからだと思います!みなさんが劇中の僕らの演じた田中家に幸福を運んでくれました!

田中麗奈 コメント

モントリオール世界映画祭に出品すると聞きとても嬉しく思いました。と、同時に映画の中に存在する我々田中家が、海を越えて皆さんにどう感じてもらえるんだろう?となんだか、不思議な気分でもありました。そして今回のお知らせを聞いて、驚きと共に喜び、そして安堵感がありました。あぁ、伝わったんだ。良かった。そんな気持ちです。三島監督、制作チーム、浅野さん、関わった皆さんと共に過ごした時間がまた巡ってきます。本当に良い映画だと思います。関わることが出来て改めて光栄です。
[※9月6日追加]

三島有紀子監督 コメント

モントリオール世界映画祭の審査員特別賞をいただけて、海外の皆さまにも伝わったんだなあと、とても嬉しくて、とてもありがたくて、この喜びを、関わってくださったみんなで分かち合いたいです。スタッフ、キャストのみさなま、おめでとうございます。そして、この世に生きるすべての『DEAR ETRANGER』(英題)=親愛なる異質な人へ・・・ありがとうございます。

映画『幼な子われらに生まれ』は全国で公開中!
監督:三島有紀子
原作:重松清「幼な子われらに生まれ」(幻冬舎文庫刊)
出演:浅野忠信、田中麗奈/池田成志、南沙良、鎌田らい樹、新井美羽/宮藤官九郎、寺島しのぶ
配給:ファントム・フィルム
©2016「幼な子われらに生まれ」製作委員会