『光』のプレミア試写会が11月9日（木）にユナイテッド・シネマ豊洲で行われ、井浦新、瑛太、長谷川京子、橋本マナミ、大森立嗣監督が登壇した。

第12回ローマ国際映画祭で上映され、拍手喝さいとなった本作だが、上映の際には「ストレートな感想をいただいた」と日本とは違う反応があったことを明かした大森監督。ともにローマを訪れた井浦は「“力強かった”とか“美しい”と言ってくれ、新しい発見でした。自分でも『光』がどういう立ち位置にある映画なのかを感じ取ることができた」と新たな思いを胸に抱いた様子。

その井浦は、本作で瑛太と待ち望んでいた初共演をしているのが、その印象について「愛してやまない人でした」とコメント。瑛太は「モデルをやっていたころからのカリスマで、尊敬していました。うれしい喜びと緊張から、胸のざわめきが生まれた」とお互い念願かなっての共演だったことを窺わせた。さらに、二人が顔を近づけるシーンでは、大森監督からも「なんであんなに顔近いの？」とツッコミが入るほどで、井浦は「好きすぎなんだと思います。（瑛太演じる）輔を超えて瑛太君を見てる」と喜びを語った。

また、長谷川は「もっと出演シーンを増やしてほしかった」というほど本作への思い入れがあるようで「（大森監督とは）もっとご一緒したかったです。（井浦）新君は、エネルギーの塊で来るから、そこまでテンションをあげなきゃいけないというのが大変な作業でした」と振り返った。井浦は「（長谷川の役は）すごく難しかったと思う。美しい京子さんが、目の前で変化していく様子をゾクゾクしながらも動じないようにするのが必死でした」とキャスト全員が全力で取り組んでいたことを明かした。

最後に井浦は本作について「初めてであった好きな芸術を見たときの“よく分からないけどすごい”に近い。1秒たりとも頭で考えた芝居はなくて、本能のままに芝居をした。今までにない宝物のような作品になったと思います」とメッセージを送った。

本作は「まほろ駅前」シリーズの三浦しをん原作×大森立嗣監督のタッグが描く、逃れることの出来ない運命に翻弄される人間の心の底を描く過酷で濃厚なサスペンスドラマ。東京の離島・美浜島を舞台に、25年前の忌まわしい事件が再び迫りくる―。黒川信之を井浦新、幼馴染の黒川輔を瑛太、幼少期に信之と交際していた美花を長谷川京子、信之の妻・南海子を橋本マナミが演じ、さらに南果歩、平田満が名を連ねる。

【取材・写真・文／編集部】