『探偵はBARにいる3』初日舞台挨拶が12月1日（金）に丸の内TOEIで行われ、大泉洋、松田龍平、北川景子、前田敦子、志尊淳、鈴木砂羽、吉田照幸監督が登壇した。

この日までに全国でキャンペーンを展開してきた大泉らキャストだが、「撮影よりも宣伝が厳しい」と振り返った大泉。これまでの苦労を熱く語った大泉に対して、「地方キャンペーンではおいしいものを食べられて、いつまで続くんだろう（と思った）」と挨拶した松田。その“熱さ”の違いに大泉は「同じ映画の舞台挨拶とは思えない！」と笑いながらツッコミを入れ、会場は大きな笑いに包まれた。

本作でシリーズ3作目となった大泉と松田のペアだが、大泉は「おもしろいんですよ、この人」と語り「私と松田龍平、どっちがおもしろいかと言ったら、ほんのちょっとだけ僕のほうがおもしろいくらい」と笑いを誘い「たまにボソッとしゃべるだけでおもしろい。嫌いです、そういうところ」と恨み節も。ただ、そんな相棒について大泉は「これだけ頼れる相棒はいない。この映画に出てくれたことが何よりもラッキーで幸せ」と感謝の気持ちを語った。

そんな大泉について、松田は「よく聞くとそんなにおもしろいことは言ってないけど、テンションがあがる。笑っちゃう」と思わぬ発言が飛び出し、これには大泉も「文字にすると大したこと言ってない」と自虐的に返した。しかし、そんな大泉のことを称えているようで「大泉さんみたいにトークうまくなりたいと思って頑張ったんですけど難しかった。今日はパーマをかけてこようかと思ったんですけど、形だけ変えても無理だと思って、ありのままの自分でいようと思った」と笑いを誘いつつ称賛し、「シリーズ3作目ですけど一緒にできて光栄。得られるものが多くて楽しい」と語った。

今回本シリーズに初参加となった北川は「悪いシーンが多かったので悪女デビュー作品になった」と振り返り、そんな北川の演技に大泉は「北川さんの様々な面が出ていてよかった。来年の『大泉洋映画祭』では最優秀主演女優賞を期待できると思います」と自らの名前を冠した映画祭への参加を促した。また、共演の前田からも「北川景子さんの美しさを再確認できます」と絶賛の声が寄せられた。

本作ではアクションシーンの撮影が大変だったという志尊は、準備万端で臨んだ現場だったが「松田さんから殺気が出ていた」と明かし、これに大泉は「松田君から殺気！？」とツッコミを入れ笑いが起きた。松田自身は「自分では気づかなかったんですけど、出てたんでしょうね」と返し、さらに「実際にぶつかったりもしました。8時間くらい続けて、結構きつくて、お互いボロボロになって帰った」と過酷な撮影だったことを明かした。その志尊は大泉との初対面の際に「『おれのことを明日からオヤジと呼べ』と言われました」と明かし、大泉は「人気のある子が大好き。ハクがつくじゃないですか」と笑いを誘った。

ここで、Twitterで募集された「映画館での依頼を探偵が解決する」というキャンペーンの報告として、静岡県にある映画館からで「人が足りないのでアルバイトをしてほしい」という依頼を受け、今回の舞台挨拶の前にパンフレットの販売や劇場アナウンス、チケットもぎりなどを行ったことが明かされた。働いている現場の写真などが次々と写し出されたが、この報告を受けた松田は「何の時間なんだろうか」と一言。前田からも「朝からそんなことをされていたなんて」とコメントが寄せられると、大泉は「なんですか、この温度差」と残念そうに答えた。

最後に松田は「シリーズ3作目、楽しめる作品になっています」と自信を見せ、大泉は「これからの探偵は映画館にいます。大変なこともあるでしょう、嬉しいことやつらいこともあるかもしれません。そういう時は映画館にお越しください。何も考えないで観ても、ハラハラしたり、ゲラゲラ笑って、ほんの少し幸せになって、また明日頑張ろうと思える映画です」と本作をアピールした。

アジア最北の歓楽街である札幌・ススキノを舞台に、その街の裏も表も知り尽くした“探偵”の活躍を描いた本作。累計発行部数160万部を超える、札幌在住のミステリー作家・東直己の「ススキノ探偵」シリーズを原作として、2011年に『探偵はBARにいる』で初の映画化され、4年ぶりの最新作。主人公の探偵役に大泉洋、その相棒・高田役に松田龍平を揃え、抜群の相性で、ハードな世界観を絶妙なハーフボイルドに落とし込み、唯一無二の存在感を発揮。俳優としてさらなる飛躍を遂げた2人が、ついにススキノに帰ってくる。

【取材・写真・文／編集部】