坂本龍一

2017年11月1日(水)、『Ryuichi Sakamoto: CODA』のスクリーニングに先立ち、坂本龍一への第30回東京国際映画祭「SAMURAI賞」の授与と舞台挨拶が行われた。

『Ryuichi Sakamoto: CODA』は、日本が世界に誇る音楽家・坂本龍一が音楽と共に歩んだ人生の旅路を5年間に渡り追ったドキュメンタリー作品。さらに幼少からのアーカイブ素材、プライベート映像も坂本の音楽的探求を描くキーとして登場する。

映画界を侍のように切り拓き、新たなビジョンを届けた人物へと贈られる「SAMURAI賞」。第4回となる今回、本作で主演としてクローズアップされた坂本龍一へと送られることとなった。

坂本龍一は、日本刀を模したトロフィーを久松猛朗フェスティバル・ディレクターから手渡されると、「こうやって刀のモチーフを見ていると、35年前、『戦場のメリークリスマス』の撮影をしていた時を思い出す。当時は軍人の役で、撮影の合間に小道具の刀を振り回して遊んでいた。人というのはどうしてこういったものを手にすると振り回したくなってしまうのか。」と笑いを誘った。

続いて会場では舞台挨拶が行われ、スティーブン・ノムラ・シブル監督も登壇し映画について観客に語りかけた。MCから、劇中で印象に残っているシーンについて問われると、シブル監督は「5年間の撮影を通し感情を揺さぶられるシーンが多くあり、一つ選ぶのは難しい。しかし映画を観てもらえれば、102分の中にその全てのシーンを詰め込んである。」と答えた。続いて映画音楽とは何か?と問われた坂本龍一は、「とても難しい質問だ。ただ一つ、映画にはルールがない。音楽のあるなしもその一つ、作り手が毎回選択していく。その中でも光栄なのは、映画音楽が求められるところにぴったりとはまった時だと思う。」と答えた。

【取材・写真・文/坂東樹】

坂本龍一

スティーブン・ノムラ・シブル監督、坂本龍一


「第30回東京国際映画祭」は2017年10月25日(水)~11月3日(金・祝)に六本木ヒルズ、EXシアター六本木ほかで開催!