吉田康弘監督、桜庭ななみ、有村架純、國村隼、 歸山竜成

人生を鉄道になぞらえて描く「RAILWAYS」シリーズ最新作『かぞくいろ』の撮影現場からレポートとメイキング写真が到着した。

“再出発”をテーマにした家族と鉄道の物語が動き出す―。地方のローカル線を舞台に、人と人とのつながりや、自分の生き方を見つめ直す姿を温かく描き、多くの世代から愛される人気シリーズとなった映画「RAILWAYS」。シリーズ初となる「女性運転士」の物語を描く本作で、若くして夫を亡くし、夫の連れ子を抱えて夫の故郷の鹿児島で一念発起して鉄道の運転士を目指す主人公・奥薗晶役を有村架純、晶の義父で最初は頑なだったが、晶の明るさと孫の駿也とふれあうことで徐々に心を通わせていく節夫役を國村隼が演じる。

1月10日にクランクインし、都内ロケを経て現在は九州西海岸の雄大で美しい風景が広がる肥薩おれんじ鉄道沿線での撮影が順調に進んでいる本作。5日(月)に行われた撮影現場でのインタビューには、有村架純(奥園晶役)、國村隼(奥園節夫役)、桜庭ななみ(佐々木ゆり役)、 歸山竜成(奥園駿也役)、吉田康弘監督が参加した。

主演を務める有村は「観てくださる方に晶の葛藤や奮闘を見守ってもらいたい」と語った上で「(自身の息子役である)駿也も本当に毎日、毎シーン全力でやっているので、晶と駿也の関係性も楽しみにしてもらえたら」と挨拶。その駿也役を演じる 歸山は「撮影が始まる前からもリハーサルや、電車のことをたくさん調べて、役作りをすごく頑張ってきました」と意気込みを語った。

今回、母親であり、運転士として強い心を持つ女性を演じる有村は「今月で25歳になり、母親役を演じられる歳になったんだなと思いますし、自分の演じる役の幅が少し広がる年齢になったんだなぁとも実感し、とても嬉しく思っています」と語りつつも、駿也が夫・修平の連れ子という設定であることから「実際に駿也を晶が生んだわけではないので、その複雑な血のつながっていない、血縁関係のない親子という晶の戸惑いと私自身が感じる戸惑いはきっと一緒のような気がしました」と難しい役どころであったことを明かした。

晶の亡くなった夫・修平の父・節夫役を演じる國村は「晶という自分の息子の後妻さんが、いきなり孫を連れて訪れるという、まったく初めての役」と明かし、「親として何ができていて何ができていないのかを、晶たちが来ることによって節夫さんは自分自身に問いかけながらいたのかと思います」と自身が演じる役柄の心境を想像し、「実の息子には伝えられなかった一つの『家族の形』を、晶ちゃんと駿也君と共に一生懸命模索しながら作っていければ、きっと観ているお客さんにも伝えられるのではないかと思います」と語った。

鹿児島出身で、小さい頃におれんじ鉄道に乗っていたという桜庭は“駿也君の担任の先生、そして子供ができる一人の女性”という役柄が「初めてのことだらけ」と振り返り、「架純ちゃんと一緒のシーンはお互いの役柄にひとつでも勇気を与えられるような励ましあうようなシーンになっているので、毎シーン緊張感があります。実際にも架純ちゃんとは同い年なので、現場では話し合いながら25歳同士頑張っています」と語った。

本作の主人公の一つでもある「肥薩おれんじ鉄道」について、有村は「東京では本当に人が多く、満員電車に押し潰されそうになりながら日々乗っているかと思いますが、(肥薩おれんじ鉄道は)一両だけで人を乗せてその人を送り出していく、本当に静かに進んでいく電車」と日常生活との違いを明かし、「ゆったりと自分自身と向き合える電車だと撮影をしながら感じています。とても素敵な電車だと思います」と語った。國村も「なぜか生き物のような、人に通ずるような温かみを感じます」とこの鉄道への思いを明かした。

また、実際に鉄道を使っていた桜庭は「転校した友達の家へ一人でおれんじ鉄道に乗って行ったことを思い出しました。一人で乗ったのですごく緊張したのを覚えています。途中から乗ってきたお婆さんにすごく話しかけてもらって、それがとても温かいエピソードとして残っています。地元のみなさんの温かさを改めて思い出させてくれる、素敵な電車だと思います」とエピソードを披露した。

撮影現場の様子

撮影現場の様子

撮影現場の様子

肥薩おれんじ鉄道

映画『かぞくいろ』は2018年に全国で公開!
監督・脚本:吉田康弘
出演:有村架純、國村隼、桜庭ななみ、歸山竜成
配給:松竹