第70回カンヌ国際映画祭でグランプリを受賞した『BPM ビート・パー・ミニット』がフランスのリュミエール賞にて、史上最多6部門を受賞する快挙を達成した。

舞台は90年代初めのパリ。エイズの治療は発展途上で、誤った知識や偏見を持たれていた時代。エイズ患者やHIV感染者への差別や不当な扱いに抗議し、政府や製薬会社などへ変革に挑んだ実在の団体ACT UP Parisの活動と通して、若者たちの恋と人生を力強くエモーショナルに描く。メガホンを取るのは、第61回カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞した『パリ20区、僕たちのクラス』の脚本・編集を担当したロバン・カンピヨ監督。

本作は第70回カンヌ国際映画祭においてグランプリを受賞、さらに第90回アカデミー賞外国語映画部門のフランス代表にも選出され、ヨーロッパ映画賞作品賞をはじめ、サテライト賞およびインディペンデント・スピリット賞の外国語映画賞ノミネートなど世界中の映画祭で旋風を巻き起こしている。そして今回、“フランスのゴールデングローブ賞”と称されるリュミエール賞において、13部門にノミネートされていたうち、作品賞、監督賞(ロバン・カンピヨ)、男優賞(ナウエル・ペレーズ・ビスカヤート)、脚本賞(ロバン・カンピヨ、フィリップ・マンジョ)、新人男優賞(アルノー・ヴァロワ)、音楽賞(アルノー・レボティーニ)の史上最多6部門受賞の快挙を達成した。これまで同賞では『アデル、ブルーは熱い色』の4部門が最多受賞だったが、本作がその記録を大きく塗り替えた。

ロバン・カンピオ監督 コメント

今まで語られてこなかったこの物語を、あらゆる方法で表現し映画化する必要があると考えていました。映画が政治に直接、影響を与えるとは考えていないです。この作品は、今機能していない何かを改善しようと訴えているわけでも、懐古的作品でもありません。敬服している人や、愛する人、共に笑った人をなくすという暗黙の悲しみを描いているのです。そして、生き残った僕たちは、今もこの病気と闘い続けるべきだと思っています。

映画『BPM ビート・パー・ミニット』は2018年3月24日(土)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館、ユーロスペースほか全国で公開!
脚本・監督:ロバン・カンピヨ
出演:ナウエル・ペレ・ビスカヤー、アーノード・ヴァロワ、アデル・エネル
配給:ファントム・フィルム
© Céline Nieszawer