知られざる沖縄返還の裏を伝える映画『返還交渉人 いつか、沖縄を取り戻す』が6月30日(土)より公開されることが決定した。

沖縄返還で外交交渉の最前線にいた実在の人物・千葉一夫。返還交渉が始まった1960年代、千葉は本土から切り離され、アメリカの統治下にあった沖縄から核兵器を撤去させ、ベトナム戦争の出撃拠点としないようアメリカと激しい外交交渉を重ねた。さらに何度も沖縄に足を運んでは、人々の苦悩に真摯に耳を傾けた。挫折しかけながらも妻・惠子に支えられ、「鬼の千葉なくして沖縄返還なし」と称された伝説の外交官が生涯をかけて貫いたものとは―。

主人公の千葉を演じるのは井浦新。撮影前に単身沖縄に渡り、基地の在り様や文物を見学し「千葉さんの“怒り”を腹の底に溜め込んだ」という井浦は、“鬼の交渉人”を見事に演じきり、新境地を見せている。妻・惠子役の戸田菜穂は、知的で上品な美貌に隠された“情熱”を体現した。また、当時の外務官僚、沖縄主席を演じる尾美としのり、佐野史郎、大杉漣、石橋蓮司といった映画界の名優たちの演技合戦は本作に重厚感とリアリティーを与えている。音楽は「あまちゃん」などの大友良英、語りは沖縄戦を描いた岡本喜八監督の傑作『激動の昭和史 沖縄決戦』にも出演している、日本映画界の至宝である仲代達矢が担当。

2010年の外務省の“密約問題”調査により、72年の沖縄返還当時の外交資料がほぼ全て公開された。資料を読み解くと、対米交渉・対沖縄折衝の両面で1人の外交官が大きな役割を担ってきた事が初めて判った。人の外交官が大きな役割を担ってきた事が初めて判った。本作は、黒衣の外交官である千葉の存在を非公開資料や遺族への丹念な取材から掘り起こした、宮川徹志の「僕は沖縄を取り戻したい 異色の外交官・千葉一夫」を原案にして、沖縄返還交渉の裏面史を骨太に描き昨年放送されたNHKドラマに、新たな映像を加え再編集した劇場版として仕上げた。

映画『返還交渉人 いつか、沖縄を取り戻す』は2018年6月30日(土)よりポレポレ東中野ほか全国で順次公開!
監督:柳川強
原案:宮川徹志「僕は沖縄を取り戻したい 異色の外交官・千葉一夫」(岩波書店刊)
出演:井浦新、戸田菜穂、尾美としのり、中島歩、みのすけ、チャールズ・グラバー、吉田妙子、平良進、津波信一、佐野史郎、大杉漣、石橋蓮司
配給:太秦  
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