伊達みきお、三浦春馬、富澤たけし

伊坂幸太郎“初”にして“唯一”の恋愛小説集を映画化した『アイネクライネナハトムジーク』が5月3日(木)に仙台でオールクランクアップを迎えた。

原作は、現在に至るまでに42万部(電子書籍を除く)を売り上げる伊坂幸太郎によるベストセラー。6章の短編から成るこの原作には、登場人物それぞれに伏線が敷かれ、最終章でそれが回収されるという伊坂ならではの仕掛けがあるのだが、映画でも三浦春馬演じる佐藤という男を中心に展開していく。監督を務めるのは、緻密な構成と巧みな演出で、リアルで新しい恋愛群像を描いてきた“ダメ恋愛映画の旗手”とも称される、今注目の新鋭監督・今泉力哉。今回は、原作者の伊坂幸太郎から「映像化できるのは今泉監督しかいない!」とラブコールを受け快諾した。

作家・伊坂幸太郎がアーティスト・斉藤和義からのオファーで“出会い“をテーマにひとつの短編を書き上げたことから始まった原作に、新たな“出会い“が重なって、4月10日よりオール仙台・宮城ロケで撮影を進めてきた本作。ついにに5月3日に作品全体のクランクアップを迎えた。「ゼビオアリーナ仙台」という会場で、作品の中でも重要なボクシングの試合シーンをメインに、様々な登場人物たちがそこに集っているカットを撮影。そこには、1000人規模の地元の方もエキストラとして参加。この日に合わせて、一足先に自身のクランクアップを迎えた主演の三浦春馬も急きょ仙台に駆け付け、サプライズでエキストラの前に登場。さらにこれまで出演情報は発表されたものの役どころについては触れられてこなかった仙台出身のお笑い芸人・サンドウィッチマンと監督も参加し盛り上げた。

ボクシングリングにあがった今泉監督から、エキストラの方々に感謝の言葉があったのち、リングにあがったのは未発表だった役どころの“セコンド”の衣装に身を包んだサンドウィッチマンの二人。早速富澤から監督に「なんで自分たちを起用したんですか?」と質問が呼ぶと、「仙台で伊坂さんの作品をとれることになりまして、ぜひ宮城でサンドウィッチマンさんにでていただきたいなと思いました。あと、自分も福島郡山出身なので、東北の力になっていただいたお二人だったので、こうしてご一緒できてうれしいです。どの役がいいかなと考えた時に、海外でサンドウィッチマンさんのことを知らない方が映画をみたときに、一番ハマるのが、体格含めてセコンドの役だなと思い、お願いしました。サンドウィッチマンさんのおかげでこうしてたくさんの方にもエキストラでお集まりいただけていると思います」と答えた今泉監督。これに「ちょっと何言ってるかわからないんですけどね」といつもの富澤節も飛び出し、場内は笑いに包まれた。

今回の出演についてサンドウィッチマンの二人は「伊坂さんは、僕らの単独ライブもみにきてくれていて、本人にはちょいちょい出してほしいとお願いしていたんですが、やっと出れたなと!『ゴールデンスランバー』とか、なんで僕たちでていないのかな、と思っていたんです。TKOの木下さんとかはでてるんですけどね。なんで僕らじゃないのかなと思ってたんで、やっと念願がかないました!」と喜びを語った。そして、エキストラの方に「夜遅くまでの撮影となりますが、嫌な顔せず、よろしくおねがいしますね。給料発生しませんが、今日は役者ですからね。よろしくお願いします」と話した。

さらに「この日のためにわざわざ駆けつけてくれた方がいます。三浦春馬君です!」と呼び込まれ、三浦春馬がリング上に登場。リングにあがる際には、伊達がロープをくぐる際のセコンド的アシストをし、会場には笑いが起きた。三浦が「今日は集まっていただき有難うございます!」と挨拶をすると黄色い声が飛び交い、伊達が「歓声が違うな。違いすぎる」と笑いを誘った。仙台に滞在した感想について三浦は「1か月近くいて、仙台駅前のペデストリアンデッキでも計4日くらい撮影させていただいたりしました。普段通勤とかで駅を使っていらっしゃる方々には、多大なるご迷惑をおかけしたのですが、皆さんすごく温かく見守ってくれて、協力してくれて、この中にもご協力いただいた方がいらっしゃるかもしれませんが、すごくすごく助けになりました。有難うございました」と振り返った。

続けて三浦は「仙台はメチャメチャいいところですよ。人柄がみんな本当にいいです。さらに、お弁当とかもとてもおいしくて、夜食に牛タン弁当が出たときには、僕たちにとって兵糧なので、本当に士気を高めてキープしていくのにすごくすごく必要なもの。なので、ほんとうに助かりました!あとは、撮影以外にも、某有名な甘味処だったりとか、某牛タン屋さんに行きまして美味しい思いをさせていただきました」と仙台生活を満喫した様子を明かした。これに伊達は「マーボー焼きそばも食べたって?秘密のケンミンショーって番組で紹介されたんですけどね。それまで誰も知らなかったの(笑)あんな美味しいものをね。知らなかったんですよね」と裏話を語った。

また、三浦はずんだシェイクも飲んだといい「想像をこえる美味しさ!」と今泉監督にオススメする場面もあった。それを受け、サンドウィッチマンの二人は「うれしいじゃないですか、仙台をこうやって愛してくれて。じゃあ、もう47都道府県で一番好きなのが宮城県てことでいいですね?」と聞き、会場は再び笑いに包まれた。三浦は「宮城県が大好きな場所になりました!」と答えた。最後に、三浦は「今日はこんなにたくさんの方が集まってくれて個人的にもすごくうれしいですし、映画の成功にも必ずつながるものになるだろうなと思っています」と締めた。

今泉力哉監督、伊達みきお、三浦春馬、富澤たけし

三浦春馬、多部未華子

三浦春馬、今泉力哉監督、多部未華子

撮影時の様子

「アイネクライネナハトムジーク」(幻冬舎文庫)

映画『アイネクライネナハトムジーク』は今冬に全国で公開!
監督:今泉力哉
配給:ギャガ