第31回東京国際映画祭 特別招待作品『PSYCHO-PASS サイコパス Sinners of the System』の舞台挨拶が10月27日(土)にTOHOシネマズ六本木ヒルズにて行われ、関智一、野島健児、塩谷直義監督が登壇した。

日本公開前の最新作をプレミア上映する「特別招待作品」部門。『PSYCHO-PASS サイコパス Sinners of the System』は、人間の心理状態を数値化し管理する近未来社会を舞台に、正義を問われる警察機構を描くオリジナルSFアニメーション「PSYCHO-PASS サイコパス」。2012年のTVアニメ放送開始より、アニメファンのみならず幅広い層で大きな話題を呼び、2015年1月には『劇場版PSYCHO-PASS サイコパス』が公開され、大ヒットとなった。そして今年、Next Project始動。5人の主要キャラクター、霜月×宜野座、須郷×征陸、狡噛にフォーカスした劇場アニメ3作品が2019年1月に連続公開される。

初公開となる上映を前に登壇した3人。塩谷監督は「終わっている感じがない」と、Case.3の作業中であることを明かしたが、声優の関は「僕はもう終わりました」とすべての吹き替えが終わっていることを明かし、野島も「収録したのは去年の6月くらい」とコメントした。

本作ではサブタイトルに「Sinners of the System」がついているが、その意味について塩谷監督は「サイドストーリー(SS)と掛けているところもある」と明かし、さらに「(これまでの作品よりも)もうちょっと絞ったところに焦点を当てたかった」と語った。

また、今回の作品についてはファン待望であったこともあり「重みをもって受け止めた」という関だが、脚本を受け取った時には「しばらく読まずに熟成させた。一回落ち着いた気持ちになってから1ページずつ紐解いていく」とその流れを語り、野島も「分かります、大事な作品ってその日のうちに開けないものなんです」と同意したものの、関は「最後まで見て、そこから戻って今度は場面を見て、自分の芝居をどうするのか。マクロからミクロへの冒険が始まるわけです」と語り、会場の笑いを誘った。

まだ情報が解禁される前の舞台挨拶ということもあり、話せることも少ない中で、本作を“今日母親が見るとしたら”どう説明するかについて、塩谷監督は「刑事ものだということだけ分かればね」と一言でまとめ、笑いに包まれた。イベントではビジュアルが披露されると、会場に集まったファンは大歓声でそのビジュアルを見つめ、作品への期待を高めた。

今回の舞台挨拶では、本作3部作のビジュアルと公開日が決定した。『PSYCHO-PASS サイコパス Sinners of the System Case.1 罪と罰』が2019年1月25日(金)より、『PSYCHO-PASS サイコパス Sinners of the System Case.2 First Guardian』が2月15日(金)より、『PSYCHO-PASS サイコパス Sinners of the System Case.3恩讐の彼方に__』が3月8日(金)より公開される。

また、今回『PSYCHO-PASS サイコパス Sinners of the System』3作品の主題歌、各作品のエンディングテーマが決定した。TVアニメ『PSYCHO-PASS サイコパス』第1期、第1期新編集版、第2期のオープニング&エンディングテーマを、エレクトロニックとロックの要素を取り入れながら新しい未知の音楽を想像し続ける日本屈指のクリエイター中野雅之(BOOM BOOM SATELLITES)によるリミックスで再びスクリーンに蘇らせる。主題歌は、第1期第1話~第11話オープニングテーマ「abnormalize」(凛として時雨)のリミックスで、「Case.1」は第2期エンティングテーマ「Fallen」(EGOIST)、「Case.2」は第1期第12話~第22話エンディングテーマ「All Alone With You」(EGOIST)、「Case.3」は第1期第1話~第11話エンディングテーマ「名前のない怪物」(EGOIST)のリミックスとなる。

「Case.1 罪と罰」ストーリー

2117年冬、公安局ビルに一台の暴走車両が突入する事件が発生。その運転手は青森にある潜在犯隔離施設 〈サンクチュアリ〉の心理カウンセラー・夜坂泉だった。しかし取調べ直前に夜坂の即時送還が決定する。監視官の霜月美佳は、執行官・宜野座伸元らとともに夜坂送還のため青森へ向かう。そこで待っていたのは、〈偽りの楽園〉だった。

「Case.2 First Guardian」ストーリー

常守朱が公安局刑事課一係に配属される前の2112年夏、沖縄。国防軍第15統合任務部隊に所属する須郷徹平は、優秀なパイロットとして軍事作戦に参加していた。三ヶ月後、無人の武装ドローンが東京・国防省を攻撃する事件が発生する。事件調査のため、国防軍基地を訪れた刑事課一係執行官・征陸智己は、須郷とともに事件の真相に迫る。

「Case.3 恩讐の彼方に__」ストーリー

2116年に起きた東南アジア連合・SEAUnでの事件後、狡噛慎也は放浪旅を続けていた。南アジアの小国で、狡噛は武装ゲリラに襲われている難民を乗せたバスを救う。その中には、テンジンと名乗るひとりの少女がいた。かたき討ちのために戦い方を学びたいと狡噛に懇願するテンジン。出口のない世界の縁辺で、復讐を望む少女と復讐を終えた男が見届ける、この世界の様相とは…。

【取材・写真・文/編集部】

映画『PSYCHO-PASS サイコパス Sinners of the System』3作品は2019年1月より連続公開!
ストーリー原案・監督:塩谷直義
配給:東宝映像事業部
©サイコパス製作委員会

「第31回東京国際映画祭」は2018年10月25日(木)~11月3日(土・祝)に六本木ヒルズ、EXシアター六本木、東京ミッドタウン日比谷 ステップ広場ほかで開催!