第31東京国際映画祭「コンペティション」部門上映作品『愛がなんだ』の記者会見が10月28日(日)にTOHOシネマズ六本木ヒルズで行われ、今泉力哉監督、岸井ゆきのが登壇した。

世界109の国と地域から応募された1829本の長編映画の中から、厳正な予備審査を経た16本の作品を上映する「コンペティション」部門。『愛がなんだ』は、角田光代による傑作小説を今泉力哉監督が映画化。仕事や友人、自身の生活全てを犠牲にしてもいいほどの“愛”を持ったテルコと、彼女を取り巻く様々な人物を描いた恋愛群像劇。28歳のOLテルコは一目ぼれしたマモルに想いを寄せている。自分の時間のすべてをマモルに捧げ、仕事を失いかけても、親友に冷たい目で見られても、マモルがいてくれるなら幸せだと思っている。主人公テルコ役を岸井ゆきの、マモル役を成田凌が演じる。

これまでオリジナル作品を手掛けてきた今泉監督。今回角田光代による原作の映画化ということで「実際に読んでみて、思いの差がマッチした」と映画化したきっかけを明かした。また、完成した作品は角田本人も試写で鑑賞したようで「気に入っていただけた」と笑顔を見せた。

岸井は本作のオファーがあった時に、まず原作を読んだということで「読んだ瞬間に、“この役ができるんだ”とすごくうれしかった」と明かし、さらに「脚本を読んだ時も、原作の大事なところがキュッとなっていて、原作へのリスペクトを感じつつ、映画にできることは何かが表れていた」と語った。

続けて、“テルコと自身の共通点”を聞かれた岸井は「好きな人やモノやコトに一直線になることが多い」と明かし、「好きって思うとなにもしゃべれなくなるので、“好き好き~!”ってふざけるくたいがいいのかなと思います」と考えを語った。

また、「自分の中で決めずに、役者さんと相談して演じてもらっている」と演出方法を明かす今泉監督。その理由について「おもしろものが出る可能性を閉ざさない」と明かし、この手法について岸井は「『こうしてほしい』という演出はあまりなくて、『僕はこう思うんだけど、わからないからやってみない?』みたいな。最初は答えを求めに監督のところに行っていたんですけど、そうじゃないんだなと」と振り返った。

最後に今泉監督は「観ていただいて、その感想をいただいて完成するもの」と語り、岸井は「今回、映画祭という場所で映画が羽ばたいていく姿を見るのが楽しみです。国内外のみなさんから、どういった感想をいただけるのかドキドキしています」と笑顔で語った。

【写真/蔭山勝也、文/編集部】


映画『愛がなんだ』は2019年春に公開!
監督:今泉力哉
原作:角田光代「愛がなんだ」(角川文庫刊)
出演:岸井ゆきの、成田凌、深川麻衣、若葉竜也、片岡礼子、筒井真理子/江口のりこ
配給:エレファントハウス
©2019映画「愛がなんだ」製作委員会

「第31回東京国際映画祭」は2018年10月25日(木)~11月3日(土・祝)に六本木ヒルズ、EXシアター六本木、東京ミッドタウン日比谷 ステップ広場ほかで開催!