『長いお別れ』の公開記念舞台挨拶が6月19日(水)にTOHOシネマズ日比谷で行われ、中村倫也、中野量太監督が登壇した。

今回の舞台挨拶では、劇中で蒼井優演じる次女・芙美役の元同級生・磐田道彦役を演じた中村倫也と本作でメガホンをとった中野量太監督が登壇した。

2人の出会いはさかのぼること5~6年前だと明かす中野監督。パーティーの席で「膝を抱えて、俺に触ったら火傷するぞ、みたいな感じで座っていたんです」と振り返る中野監督に、中村は「パーティーというものに慣れないタイプで、キラキラするものにあらがう精神があるので(笑)」とコメント。中野監督はその様子を「完全にあらがっていましたよ」と明かした。

本作を「笑いながら、感動して泣いて、考えられる、一番いい映画です」と断言する中村。自身の役どころに付いては「等身大な人にしたいと思いました」とコメントした。そんな中村について、中野監督は「第一印象は悪かったです(笑)」と明かしつつ、「中村さんのお芝居を見ていると何が出てくるかわからない。しゃべるタイミングや間が独特なんです」と称賛し、キャスティングについては「ごく普通のちょっと優柔不断な人を、ちゃんとたった一人の役としてやってほしかった。だから中村さんに頼んだんです」と理由を明かした。

また、恋人役の蒼井優が結婚したことにちなんで、“理想の夫婦像”を聞かれた中村は「両親はまじめな父親と、ちょっと天然な母親なので、そういうのが理想なんですかね」と明かし、「誰かいい人いないですか」と逆質問。中野監督が、自身の作品に出演した宮沢りえや竹内結子らが結婚していることを明かすと、中村は「監督はご結婚されていますか?」と質問。これに中野監督は「してます」と答えると、中村は「狙ってないですよ(笑)」とコメントし、会場を沸かせた。

最後に中村は「いろんな世代の方に見ていただきたいと思っています。この映画をきっかけに、家族としゃべったり、そういう優しい豊かな、そして今まであまり考えてこなかったところを踏み出す作品になっていると思います」と本作をアピールした。

笑って泣いて、前に進んでいく家族たちの新たな愛の感動作。父・昇平の70歳の誕生日会で久しぶりに集まった娘たちに告げられたのは、厳格な父が認知症になったという事実。日に日に記憶を失っていく様子に戸惑いながらも向き合うことで、自分自身を見つめ直していく家族たち。そしてある日、家族の誰もが忘れかけていた“愛しい思い出”が昇平の中に今も息づいていることを知る・・・。次女・芙美役を蒼井優、長女・麻里役を竹内結子、母親・曜子役を松原智恵子、認知症を患う父親・昇平役を山﨑努、麻里の息子・崇役をオーディションで抜擢された蒲田優惟人が演じる。さらに中村倫也、北村有起哉らが共演する。

【取材・写真・文/編集部】

映画『長いお別れ』は全国で公開中!
監督:中野量太
出演:蒼井優、竹内結子、松原智恵子、山﨑努、北村有起哉、中村倫也、杉田雷麟、蒲田優惟人
配給:アスミック・エース
©2019『長いお別れ』製作委員会