第32東京国際映画祭「コンペティション」部門上映作品『ディスコ』の記者会見が10月30日(水)にTOHOシネマズ六本木ヒルズで行われ、監督・脚本を務めたヨールン・ミクレブスト・シーヴェシェン、出演したヨセフィン・フリーダ・ペターセンが登壇した。

世界115の国と地域から応募された1804本の長編映画の中から、厳正な予備審査を経た14本の作品を上映する「コンペティション」部門。ミリアムは激しいダンスの大会で優勝を続ける。しかし出生の秘密に悩み、家族は深く宗教に傾倒していた・・・。欧米白人社会において人々が極端なキリスト教にのめりこむ現象を、少女の視点でシャープに切り取った斬新なドラマ。

どれほど現実に近い話なのか、という質問に対し、ヨールン監督は「この映画を通してノルウェーの今のキリスト教分化を広範囲に描きたかった。なるべくリアルを意識して作っており、もと信者などよいろいろな人たちに話を聞いたり、そう言った証言をもとにして、また、自ら集会に顔を出したりもした」と、かなりのリサーチを重ねたことを明かした。

また、映画を公開した影響について聞かれると、ヨールン監督は「いろいろな立場から賛否両論あり、『あなたが描いているこの映画にはキリストが伝えようとしているメッセージが描かれていない』と言われたが、そここそがわたしが描きたいことだ」と話した。

主演であるヨセフィンは非常にチャレンジングな薬で、1番大変だったことを聞かれると、「難しい役にこそあえて挑戦してみようと思った。体力的にも肉体的にも精神的にもいろんな困難が立ちはだかるだろうと思いながら役に挑みました。また、監督がこの映画を通して伝えたいメッセージにも魅力を感じました」と話した。

【写真・文/市原唯衣】

「第32回東京国際映画祭」は2019年10月28日(月)~11月5日(火)に六本木ヒルズ、EXシアター六本木、東京ミッドタウン日比谷 日比谷ステップ広場ほかで開催!
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