一大スキャンダルを巻き起こした“嘘に基づく”衝撃の実話『ふたりのJ・T・リロイ ベストセラー作家の裏の裏』で描かれる架空作家捏造事件以外にも“本当にあった驚愕の世界の詐欺”を紹介する。

アメリカ文壇に彗星のごとく登場し、時代の寵児となった美少年作家J・T・リロイ。映画『サラ、いつわりの祈り』の原作者としても知られる彼は、ふたりの女性が創り上げた架空の人物だった。2000年代に一大スキャンダルとして報じられたこの驚くべき事件について、J・Tの分身を担ったサヴァンナの視点から映画化。彼女は、なぜローラに言われるがままJ・Tを演じ続けたのか?“嘘のような本当の話”が今、ここに紐解かれる―。クリステン・スチュワートとローラ・ダーンが豪華共演で鮮烈な演技を披露。さらにダイアン・クルーガー、ジム・スタージェス、コートニー・ラヴらが脇を固める。

本作で描かれる架空作家J・T・リロイ捏造事件のほかにも、世界では驚くべき詐欺事件があった。

フランク・アバグネイル Jr(1948年-)

レオナルド・ディカプリオ主演『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』で映画にもなったフランク・アバグネイル Jr. 16歳~21歳まで5年間で26か国で小切手詐欺40億円を荒稼ぎした。警察に嗅ぎつけられそうになると、世界をまたにかけるパイロットになりすます。最後には結婚したい女性にすべてを告白したところ警察に通報されて潜伏先のパリで逮捕された。そんな彼は現在では、なんと“詐欺対策の防犯コンサルタント”をし、億万長者になっている。

マヌエル・エリザルデ Jr(1936年-1997年)

フィリピンの環境大臣を務めている時、「石器を使っている原始人をみつけた!」と嘘の報告をしてタサザイ族の保護基金設立。あるスイス人ジャーナリストがこのタサザイ族が文明的な姿をしている写真を発表し、世間が騒ぎ出した時には、その寄付金12億円とともに消えていた。1997年この男は薬物の過剰摂取で死亡。12億円の行方も分からず、この事件の全貌は謎のベールに包まれたままである。

ハン・ファン・メーヘレン(1889年-1947年)

フェルメールの偽物を描き70億円稼ぐ。自分の描いた絵を「新たに発見されたフェルメールの作品」と称して当時オランダの鑑定家のもとに届けたところ「まぎれもなくフェルメールだ!」と評価されオランダ有数の美術館に展示された。その後も次々に描いては高額で売り、手にした金額は50億円以上。第二次大戦終結後、彼はオランダ陸軍に国の宝フェルメールを売ったとして“国家反逆罪”で逮捕される。その後贋作を書いたと告白し、詐欺で逮捕される。

本作でもどのように世間がダマされていったかの過程に注目してみてはいかがだろうか。

映画『ふたりのJ・T・リロイ ベストセラー作家の裏の裏』は2020年2月14日(金)よりシネマカリテ、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国で公開!
監督・脚本・製作総指揮:ジャスティン・ケリー
出演:クリステン・スチュワート、ローラ・ダーン、ジム・スタージェス、ダイアン・クルーガー、コートニー・ラヴ
配給:ポニーキャニオン
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