世界で最も有名な日本人・葛飾北斎の誰も知らない物語―『HOKUSAI』の新場面写真が解禁された。

時は江戸中期。表現者たちの多くが幕府によって自由を奪われていた時代―。その圧政に筆で抗い、世界を変えた一人の男、天才絵師・葛飾北斎。平均寿命が40年といわれた時代に、90で没するその日まで筆を握り続けた北斎が、70を超え、さらなる画境を見せつけた大作が『冨嶽三十六景』。名だたる画家たち、作曲家のドビュッシーにいたるまで、世界中のあらゆるアーティストに影響を与えた“あの波”。およそ200年経った今もなお、色褪せることなく人々の心を掴んで離さない“あの波”が持つ、真の意味とは?これは、自由を求め、闘い続けた男の知られざる物語である。

今回解禁された場面写真は、柳楽と田中がそれぞれ演じる青年期と老年期の北斎の姿を捉えている。その生涯で3万点以上の作品を残した北斎は自ら「画狂老人」と名乗るほどに、創作活動に人生を捧げた人物。そんな世界で最も有名なアーティストの生涯を初めて描いた本作でももちろん、北斎の画狂ぶりは健在だ。柳楽演じる青年期の北斎が竹林のなか神経を研ぎ澄ませた表情で作品のイメージを膨らませる姿を見せれば、田中演じる老年期の北斎は城下町で突風に吹かれながらアイデアを閃いたかのような恍惚の表情を見せる。

また、浜辺で波打つ海とその奥に臨む富士山を眺める姿からは「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」に代表される北斎の代名詞ともいえる“波”の絵を想起させられ、北斎がいつ、どこであろうと創作のインスピレーションを感じ取っていたことがわかる。さらには、青年期と老年期の北斎がシンクロするかのように同じ姿勢を取って創作に打ち込む姿も切り取られており、その姿からは売れない絵師として一心不乱に腕を磨いた若き日から、多くの弟子を抱えるほどの成功を収めた晩年まで、時代や環境が変わろうとも一切変わることのない飽くなき向上心を感じさせられる。

一方で、北斎と妻のコト(瀧本美織)のツーショットも切り取られ、本作では画狂・北斎の知られざる家庭人としての一面が描かれることにも注目だ。二人で一役を演じるという難題に向き合いながら、役作りのための話し合いなどはほとんどなかったという柳楽と田中だが「(あるシーンで)“自分の見たものを信じる”という意味で自分の目を指す仕草をしたんですが、それは老年期になってもやりたい、という風におっしゃってくれました」と柳楽が田中とのエピソードを明かせば、田中は「最初の撮影で『(柳楽演じる青年期の北斎と)ダブって見えます』とハッキリ監督はおしゃってくれたので『よし』と思って、あとは思うようにやっていました」と撮影を振り返っている。それぞれの世代を代表する演技派俳優二人が互いを信頼し、北斎を深く理解したからこそ生まれた見事なシンクロ演技に注目だ。

鮮やかな浮世絵が迫ってくるようなアーティスティックな世界観の中、ジャポニズムの源泉とも言える北斎の知られざる人生と、人々の心を掴み続けた誰もが知る“あの波”の誕生を描く映画『HOKUSAI』。生誕260年のメモリアル・イヤーに、新感覚の映像表現で世界中を興奮と熱狂で包み込む。

映画『HOKUSAI』は2020年5月29日(金)より全国で公開!
監督:橋本一
出演:柳楽優弥、田中泯、玉木宏、瀧本美織、津田寛治、青木崇高、辻本祐樹、浦上晟周、芋生悠、河原れん、城桧吏、永山瑛太/阿部寛 
配給:S・D・P
©2020 HOKUSAI MOVIE