深田晃司監督が初めてコミック原作の映像化に挑んだドラマ『本気のしるし <劇場版>』が、第73回カンヌ国際映画祭の「Official Selection 2020(オフィシャルセレクション2020)」 作品に選ばれた。

昨年放送されて大反響を呼んだドラマが再編集されて劇場公開される本作。主演にはスティーブン・スピルバーグ監督『レディ・プレイヤー1』でハリウッド・デビューを飾り、『蜜蜂と遠雷』では第43回日本アカデミー賞・新人俳優賞を受賞した注目の若手俳優森崎ウィン。ヒロイン役には『3年A組-今から皆さんは、人質です-』、『連続テレビ小説 べっぴんさん』での活躍が目覚ましい土村芳。そして宇野祥平、石橋けい、福永朱梨、忍成修吾、北村有起哉といったくせ者揃いのキャスティングで脇を固めている。

深田晃司監督は、『淵に立つ』で第69回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門で準グランプリに相当する審査員賞を受賞しているが、新型コロナウイルス感染拡大により多くのミニシアターが閉館の危機に晒されている中、「ミニシアター・エイド基金」を濱口竜介監督とともに立ち上げ、最終的な支援額は3億3千万円にのぼった。

本年のカンヌ国際映画祭は実イベントの開催中止を決定しているが、例年通りの審査基準を保ちながら、昨今の情勢に合わせて新設された「Official Selection 2020(オフィシャルセレクション2020)」としてラインナップ作品を選出する。また、選出された作品は<the Cannes 2020(カンヌ2020)>のラベル付きで、連携する各国映画祭での上映が計画されている。

コミック原作で、さらに地方局のテレビドラマを再編集した映画であるという点では異色の選出となる。これは深田晃司監督のテレビドラマの枠から逸脱する演出力の高さを、カンヌ国際映画祭が認めた形で、日本の映画史にとっても、まったく新たな地平を見せてくれたエポックメイキングな作品と言える。また、すでに海外の映画祭からも問い合わせを受けているという。本作は10月9日(金)より全国で順次公開される。

森崎ウィン コメント

ドラマとしてスタートしたこの作品が劇場版として、こんな歴史ある映画祭に選ばれたことを誇りに思います。
純粋に嬉しいです!ありがとうございます。これをモチベーションに日々精進して参ります。

土村芳 コメント

この作品に携わった全ての人の思いがカンヌへ届いた事、素晴らしいチームに、浮世に出会えた事、感謝の気持ちでいっぱいです。
沢山の人達がこの物語と出会ってくれますように、、!

星里もちる コメント

こんな隅っこのミニマムな物語が、広い世界で見られるのかと思うと、興奮が抑えられません。

深田晃司(監督)コメント

ただただ驚いています。共感度0.1%と銘打たれた4時間に及ぶ物語の0.1%がフランスまで届いたのは、俳優・スタッフの尽力、まさに「本気のしるし」に他なりません。これを機に辻くんと浮世さんのグズグズな恋愛が世界中で愛されることを願っています。
星里先生、やりました!

ストーリー

その女、出会ったことが事故だった―。退屈な日常を過ごしていた会社員の辻一路はある夜、踏み切りで立ち往生していた葉山浮世の命を救う。そこから、不思議な雰囲気の女性・浮世と辻の泥沼の関係が始まった。辻は分別のない行動をとる浮世を放っておけず、浮世を追ってさらなる深みに嵌っていき、破滅への道を歩みだす・・・。

『本気のしるし <劇場版>』は2020年10月9日(金)よりシネ・リーブル池袋ほか全国で順次公開!
監督:深田晃司
出演:森崎ウィン、土村芳、宇野祥平、石橋けい、福永朱梨、忍成修吾、北村有起哉
配給:ラビットハウス
©星里もちる・小学館/メ~テレ