『宇宙でいちばんあかるい屋根』の初日舞台挨拶が9月4日(金)に新宿バルト9で行われ、清原果耶、伊藤健太郎、藤井道人監督が登壇した。

拍手に包まれ舞台に登壇した清原は「いよいよ今日からこの映画が映画館で観れるということがものすごく感慨深いと思いつつ、緊張が解けないまま今ここに立っているんですけど今日はいろいろお話できればと思います」と安堵の表情を浮かべた。伊藤は「こういった時期にみなさんの前に立つことができる状況にすごく嬉しく思います。そしてこの映画がやっと皆さんのもとに届けられる日が迎えられたことが嬉しいと思っている状況なんですけど、みなさんとこの嬉しさを共有できたらいいなと思います」と挨拶した。“声が枯れている”と指摘をされた伊藤は「ちょっとこの前に大声を出す仕事があって・・・体調は万全です(笑)」と笑いを誘った。

冒頭の挨拶を終えると、桃井かおりからのビデオレターがスクリーンに映された。そのなかで桃井は「今日は行けなくてすみません。“星ばあ”だったら飛べるんですけどね、映画(の撮影が)終わったら全然飛べないので仕方ないですね」と話し「伊藤くんいるでしょ?今日は頑張ってね!監督とつばめに任せておくとちょっと暗くなっちゃうからね!今日が伊藤くん一番頑張らなくちゃいけない日よ!わかっているね?」と伊藤を激励した。

ビデオレターを見た伊藤は「いや、今日は喉の調子がですね・・・いや、頑張りますよ!完成披露の動画見させてもらってちょっと暗いかなって。だから今日は僕が頑張って盛り上げて楽しい感じにしようと思います!」と笑いを誘った。

役について問われると、伊藤は「やっぱり普通の男の子って難しいなと思うんですけど、でも楽しいというか。普通の男の子を思い返してみると、いろんなことを隠さないというか。悲しい時だったり苦しい時だったり楽しい時だったりというのを包み隠さず出している人が普通に近いのかなと思って。そこが魅力なのかなと。そこはすごく意識して演じさせていただきましたね」と振り返った。
印象に残っているシーンを問われた清原は「病院周りのシーンを撮っていた時に伊藤さんがギプスをはめていらっしゃったんですけど、日が照りすぎて暑すぎて大変そうだったなと思ってそばにいました」と話すと、伊藤は「片方ギプスで片方サンダルで、片方はギプス焼け片方はサンダル焼けですっごい痛いんですよ。しかもちょっとやそっとの日焼けじゃなくて火傷みたいな日焼けの仕方で、あれはなかなかきつかったですね」と明かした。

舞台挨拶のなかで“宇宙一沁みる言葉”を披露する場面があり、清原と伊藤は毛筆で書いた言葉を披露した。清原は「初日」と書かれた作品を披露し「本当に今日を迎えられてよかったと心から思っていて、ありがたいなという思いがいっぱいで。今日が無いとこれからが始まっていかない大事な日でもあるので、初日と綴らせていただきました」とコメントした。伊藤は「しぶとく生きろ」と書かれた作品を披露し「この言葉、星ばあの言葉なんですけど、この言葉を聞いた時にすごく僕の心に刺さったんですよ。自分がしんどい時とか疲れた時のこの言葉を思い出すだけでちょっと乗り越えられそうだなと。僕はこの言葉を大切にしていきたと思いましたね」とコメントした。

最後に清原は「この作品は本当に出会えてよかったと思える人たちとも出会えたし、出会えてよかったと思える脚本、作品、現場だったので、私の中ですごく大事な作品です。それを今日みなさんに見ていただけて少しホッと安心できたような感覚が今やっと降ってきまして。これからもっともっと観ていただける場があれば観ていただいて、この作品がどなたかの心に届けばいいなと思うし、みなさまの手できちっと育ててみてあげてほしいと思える作品になりました」と語った。伊藤は「この映画は僕自身もそうだったんですけど、この映画の中から出てくる言葉だったりとか、そういったものに心が救われる瞬間が何度もあると思います。なので、観ていない方々にこの言葉を伝えていただくでもいいですし、まずはこの映画を伝えていただきたいという思いがあるので、みなさまご協力お願いします」と挨拶し、舞台挨拶の幕を閉じた。

小説すばるで新人賞を受賞するなど、その表現力で多くのファンを魅了する作家・野中ともその同名人気小説を、『新聞記者』で注目を集めた実力派監督・藤井道人が映画化した本作。清原果耶が演じる平穏でも悩みはあって、時々息苦しくなる14歳のつばめは、満天の星が輝くある夜、ド派手な身なりで底意地の悪い、キックボードに乗った(!?)あやしい老婆“星ばあ”(桃井かおり)と出会う。いつしか二人はお互いの心のどこかに空いた穴を埋め合うように距離を縮めていく。つばめの前に起こる事件、最後に明かされる星ばあの正体―。ひと夏の大切な何かを探す、二人のキュートで、愛おしい、感動のファンタジードラマ。

【写真・文/蔭山勝也】

映画『宇宙でいちばんあかるい屋根』は全国で公開中!
監督・脚本:藤井道人
出演:清原果耶、伊藤健太郎、水野美紀、山中崇、醍醐虎汰朗、坂井真紀、吉岡秀隆、桃井かおり
配給:KADOKAWA
© 2020『宇宙でいちばんあかるい屋根』製作委員会