中村倫也主演の衝撃のディストピア・ミステリー映画『人数の町』の荒木伸二監督が、“映画を語る”YouTubeチャンネル「活弁シネマ倶楽部」に出演し、本作について語った。

本日9月4日より公開された映画『人数の町』。本作でメガホンをとる荒木伸二監督が、“映画を語る”YouTubeチャンネル「活弁シネマ倶楽部」に出演し、森直人、SYOの2人の映画専門家との対談形式で、本作の企画構想から撮影の裏話まで100分以上かけてたっぷりと語った。

『人数の町』は、“出るのも入るのも自由だが、逃げることはできない「町」とは?”というコピーが記載されており、簡単な労働と引き換えに衣食住が保証され、住人同士でセックスの快楽を貪ることもできる、ある「町」を中心に描かれるディストピア・ミステリー。主演の中村倫也に加え、令和版『東京ラブストーリー』で注目を浴びた石橋静河や、本作で映画デビューとなる立花恵理などが名を連ね、荒木監督は自身初の長編作品でありながら、本作で第1回木下グループ新人監督賞・準グランプリを受賞した。

荒木監督は、予告編を見ただけで独特の設定に興味を惹かれる本作の世界観や着想について「“頑張って世界観(を作り込んで)やったけど、ちょっとサムいよね”っていうのが、一番嫌だなっていうのがあって」と物語の構想について話し、「実際に(町を)経営するならどうしよう?」という視点から考え、「最低限みんなが笑顔になれるように暮らしてもらおう。っていうのが発想のはじまりです」として、作品の世界観は管理された社会という設定の場合、従来は全員が同じ服装を着ているといったイメージが強いが、実際経営するならコストがかかるという理由から、あえて古着屋で揃えたようなバラバラの衣装を「町」の住民の衣装にした理由を明かした。

また、トークはどんどんディープな会話へと進み、自らが意図的に物語の中に紛れ込ませたキーワードについて触れている。物語の中で住民は、町のガイドである“バイブル”を熟読しなくてはならないという設定だが、これについては、民主主義のテーゼでもある“自由と平等”がバイブルのテーマになっているとした上で、荒木監督は、60年代の民主主義を象徴し、今もなお愛と自由と平和のアイコンであるビートルズを想像させるキーワードをあえて散りばめたことを明かした。

さらに、二項対立が崩れてきている現代では「自由を謳っているものが本当に自由なんだろうか、束縛が本当に束縛なんだろうか、みたいになっている混沌とした感じをルールブックじゃなくてバイブルで表現したらが面白いんじゃないか。そこに宗教が入っちゃう。90年代ほど整理されていない感じ」と続けた。他にも、「人数の町」というタイトルの意味することや、本作を観た人の世代毎による反響の違いなど本作について多角的に徹底トークしている。

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本作は、衣食住が保証され、セックスで快楽を貪る毎日を送ることができ、出入りも自由だが、決して離れることはできない、という謎の“町”を舞台に、借金で首の回らなくなった蒼山(中村倫也)が、その“町”の住人となり、そこで出会う人々との交流を経て“町”の謎に迫っていく新感覚のディストピア・ミステリー。2017年に発表された第1回木下グループ新人監督賞で、241本の中から準グランプリに選ばれた。主演に中村倫也を迎え、石橋静河、立花恵理、山中聡などフレッシュな面々が顔を揃える。監督・脚本は荒木伸二が初の長編映画に挑戦する。

映画『人数の町』は全国で公開中!
出演:中村倫也、石橋静河、立花恵理、橋野純平、植村宏司、菅野莉央、松浦祐也、草野イニ、川村紗也、柳英里紗/山中聡
配給:キノフィルムズ
©2020「人数の町」製作委員会