第149回直木賞を受賞した桜木紫乃による『ホテルローヤル』の場面写真が解禁された。

北海道の湿原に立つラブホテルを舞台に、現在から過去へ時間軸を遡り、ホテルの盛衰とそこを訪れる人々の生と性を、切なくも瑞々しいタッチで描いた七編からなる連作小説、桜木紫乃の代表作「ホテルローヤル」を映画化した本作。映画では、原作の持つ静謐な魅力をそのままに、閉塞感のある日常を離れ、ホテルローヤルの扉をひらく男と女、問題を抱える経営者家族・従業員のそれぞれの人生模様をホテルの経営者家族の一人娘・雅代を主軸として繊細に綴られる。メガホンをとるのは武正晴監督。原作者の桜木自身を投影したとされる主人公・雅代を演じるのは波瑠。

今回、解禁されたのは湿原を背に建つ北国のラブホテル「ホテルローヤル」を取り巻く、個性豊かなキャラクターたちの場面写真。印象的なのが、家業のラブホテルを継ぎ女将として働く波瑠がボイラー室で従業員と休憩している姿。同じオレンジのエプロンをした従業員役の余貴美子、原扶貴子と並んで、喚起口から漏れ聞こえてくる客室の声に耳をそばだてる様子が切り取られ、ラブホテルの“日常”が描かれる。スーツを着た松山ケンイチはアダルトグッズ会社の営業担当として、「ホテルローヤル」を訪れ、グッズの説明などセールストークをしているところ。

また、波瑠の父親役を演じた安田顕は「ホテルローヤル」で起きたある事件を嗅ぎつけたマスコミに囲まれ、彼らを追い返すべく激しい剣幕をみせている。そして、ホテルを訪れる客として、高校教師とその生徒を演じた岡山天音と伊藤沙莉はホテルの一室で何やら意味深な会話をしている様子。それぞれに人には言えない悩みや孤独を抱え、ラブホテルで働く人、そしてそこを訪れてくる客。「ホテルローヤル」を中心に繰り広げられる様々な人間模様が垣間見えるシーンが切り取られている。

映画『ホテルローヤル』は2020年11月13日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国で公開!
監督:武正晴
出演:波瑠、松山ケンイチ、余貴美子、原扶貴子、伊藤沙莉、岡山天音、正名僕蔵、内田慈、冨手麻妙、丞威、稲葉友、斎藤歩、友近/夏川結衣、安田顕
配給:ファントム・フィルム
©桜木紫乃/集英社 ©2020映画「ホテルローヤル」製作委員会