日本、台湾、マレーシアの3つの街の年越しを舞台に素直になれない恋人たちを描いた映画『越年 Lovers』のロケ地ロケ地となった魅力的な舞台を紹介する。

本作は、雪に包まれた日本の山形、台湾の首都・台北と彰化県の海辺の町、そしてマレーシア・クアラルンプールの魅力的な3つの地で紡がれる恋の物語。監督が山形の雪と桜にインスパイアされ撮影が決まったという日本パートでは、久しぶりに帰郷する主人公・寛一を同県山辺町出身の峯田和伸(銀杏BOYZ)が演じる。寛一の幼なじみで初恋相手の碧を演じるのは山形市出身の橋本マナミ。美しい山形の雪景色の中で数十年ぶりに再会する寛一と碧の物語のほか、本作では台湾とマレーシアも舞台となり、それぞれの街で素直になれない恋心たちが描かれ、台湾パートには“ピピ”の愛称で日本でも活躍するヤオ・アイニンが出演している。

今回、「コロナ禍で海外に行けない状況ですが、本作を見て少しでも海外旅行気分を味わってほしい」と峯田も太鼓判を押す本作の風情あるロケ地を紹介。

迪化街

食品や衣料品などの卸問屋街のレトロ建築と新しいショップが混在する台北の人気スポット。劇中では、インシューが住んでいる街で、シャオランとイエナが観光客たちの合間を縫って練り歩く様子が。背景に美味しそうな食べ物やお洒落な雑貨が並ぶので、鑑賞中は見ているだけでも楽しい気持ちになれる。また劇中に出てくる霞海城隍廟は縁結びのパワースポットとして有名で、観光客も後を絶たない。

山形

マレーシアとうって変わって、一面銀世界の日本・山形県。宮城県と山形県の県境に位置する蔵王山脈の特殊な気象条件が樹氷を生み出すなど、雪があるからこその自然の楽しみ方ができる地域。劇中では、樹氷の写真を撮りに行く碧とそれを追いかける寛一のシーンも。果たして雪が距離を縮めてくれるのか…。また、大正10年に建てられた旧西村写真館でもロケが行われ、まさに“越年”を彷彿とさせるアンティークな小物や建物が落ち着きを感じさせる印象。暖かい家の中から見る雪景色はより綺麗に映り、窓の前で寛一と碧が話をする場面にも注目。寒さといえば、撮影が終わった際、峯田は東京で銀杏BOYZのライブがあり、「寒さのギャップで頭が痛くなってしまった」と言うほど山形の冬は極寒だったそう。地元民でも慣れない寒さだが、それと引き換えに美しい雪景色を覗かせる。

彰化

台湾中西部に位置する素朴な風情漂う地方都市。清朝時代に栄えた第二の都市と呼ばれた鹿港があり、その風情は今も健在。朱色の建物がずらりと並ぶ。また彰化県の沿岸は台湾海峡に面し、北東の季節風が強く吹き、劇中では、強い季節風のせいで牛が空を飛ぶこともあるとチュンナンがモーリーに話す場面も。牛が飛ぶのはフィクションではなく本当の話ということで、窓の外で茶色い牛が宙を舞っている写真が…。そんな強い風を生かしてか、大きな風車も聳え立ち、その端で気持ちよさそうに自転車 を漕ぐモーリーの姿もとても印象的。

映画『越年 Lovers』は山形・仙台で先行公開中、2021年1月15日(金)より全国で公開!
監督・脚本:グオ・チェンディ(郭珍弟)
出演:峯田和伸、橋本マナミ、ヤオ・アイニン(ピピ)、オスカー・チュウ(邱志宇)、ユー・ペイチェン(余佩真)、ウー・ホンシュウ(呉宏修)、菜葉菜、吉村和彬、岡野一平、結城貴史
配給:ギグリーボックス
©2020映画「越年」パートナーズ