痛烈な風刺とウィットに富んだジョークを散りばめたブラックエンターテインメント『グリード ファストファッション帝国の真実』の予告編、ポスタービジュアル、場面写真が解禁された。

「グリード=強欲」の意味を持つ本作は、金と欲がすべてのリチャード・マクリディ卿のセレブレティな生活の裏に隠された、ファッションビジネスの闇を鋭い視線で暴き出す。『イン・ディス・ワールド』(02)、『グアンタナモ、僕達の見た真実』(06)で国際問題を取り上げ、それぞれベルリン国際映画祭で金熊賞、銀熊賞を受賞したウィンターボトム監督だが、今回はユーモアを織り交ぜながら経済第一主義の社会への問題提起に挑戦。資本主義のタブーを大いに笑い飛ばしながら楽しめる“笑”撃作が誕生した。

主人公リチャードのモデルは、昨年に破産申請をした「TOPSHOP」を始めとする複数のファストファッションブランドを保有していたアルカディア・グループのオーナー、フィリップ・グリーン卿。『24アワー・パーティ・ピープル』(02)の出演をきっかけに監督と交流を深め、本作で7度目のタッグとなるイギリスのカリスマ的コメディ俳優、スティーヴ・クーガンが付け歯を装着して、嫌味なまでの富裕層を怪演。そしてリチャードに負けず劣らずお金に目がない元妻を『グランド・イリュージョン』のアイラ・フィッシャーが演じるほか、『24アワー・パーティ・ピープル』のシャーリー・ヘンダーソン、Netflixオリジナルシリーズ「セックス・エディケーション」の主演で注目を集めるエイサ・バターフィールドらが出演。

今回解禁された予告編では、富の象徴である日焼けした肌と不自然なまでに輝く歯を見せつけるリチャード・マクリディは、ファストファッション業界の頂点に君臨しながら「服は金の卵を産むガチョウだ」と言い切る。彼の元妻も「彼は駆け引きが好きなの」と評する通り、リチャードにとって大切なことはファッションへの愛ではなく、ただひたすらに“金”。発展途上国の下請け会社には限界を超える低予算でゴリ押しながら、部下にはパワハラ三昧。まさに最低最悪な経営者の日常が映し出される。

自身の還暦パーティを盛大に開催するために訪れたギリシャ・ミコノス島にやってきたリチャード一行。パーティ演出用に本物のライオンまで用意して、超ド派手にショーアップされた宴が始まる…かと思いきや、招待したセレブリティたちから総スカンをくらい、急いでソックリさんを集めるなど雲行きが怪しくなっていく。「欲張り卿」「インチキ卿」と呼ばれながらも、「俺はなにも恐れない」とうそぶくリチャード。しかし、悲劇はもうすぐそこまで迫っていた…。公開時、イギリスのセレブリティと親交が深いウィンターボトム監督作品ということで、数々の俳優やアーティストがカメオ出演したことでも話題の本作。予告編ではイギリスの人気歌手でプラチナディスク受賞歴もあるピクシー・ロットがリチャードの誕生パーティで歌う姿が見られる。

予告編

ストーリー

ギリシャ・ミコノス島。ファストファッションのブランド経営で財を成したリチャード・マクリディ(スティーヴ・クーガン)の還暦を祝うため、リチャードの元妻サマンサ(アイラ・フィッシャー)、息子のフィン(エイサ・バターフィールド)、マクリディの母マーガレット(シャーリー・ヘンダーソン)を始めとする一家が集結し、パーティの準備が進められていく。折しもイギリス当局から脱税疑惑や縫製工場の労働問題を追及されたリチャードは、ド派手にショーアップされたこのイベントでかつての威光を取り戻そうと目論む。しかし湯水のように金を使い、傲慢に振る舞うリチャードと、家族や部下、伝記作家との間には不協和音が生じる…。

映画『グリード ファストファッション帝国の真実』は2021年6月18日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国で公開!
監督・脚本:マイケル・ウィンターボトム
出演:スティーヴ・クーガン、アイラ・フィッシャー、シャーリー・ヘンダーソン、エイサ・バターフィールド
配給:ツイン
©2019 COLUMBIA PICTURES INDUSTRIES, INC. AND CHANNEL FOUR TELEVISION CORPORATION